掴みたいものが、掴めないの。
私の性格は、
「自分が手に入れたいと思ったものは、必ず手に入れる。
手に入れられるまでそこから立ち去らない。
手に入れるための努力と苦労なら、喜んで受け入れる。」
という感じである。
これはどういうことかというと、
「わがまま」「執念深い」「負けず嫌い」等々。
良く言えば(上手くいけば)、「夢を叶える人」になる。
「欲しい。」
そう思った時、掛かった年月や労力は様々だが、
私は基本的に願った全てを手にしてきたと思う。
初めてどうにもならないと思ったのは、
本当に大好きだった元カレに対してである。
振られたこと自体は初めてじゃなかったが、
振られて約一年も彼を思って自分を本気で変えた
などという経験は初めてであった。
彼とは、口約束+@婚約指輪の「婚約」を
していた。
大好きだった。「この人が旦那さんなんだ。」と
安心していた。私は調子に乗っていて、
彼が私を愛してくれていることがどれだけ幸せなことか
しっかりと理解していなかったのである。
若かったと思う。
彼の心をどうしても掴みたかった。
一人で、いつかまた逢えた時のために、と、
ただそれだけだった。
初めて知った。
人の心は、無理矢理には掴めない。
それは、私の努力が足りなかったからとかではなく、
心はその人のものだからである。
だからこそ、特に「恋愛」においては、
お互いが愛し合っている時が、
簡単に言葉に表せない程に美しいのである。
唯一、私が掴みたくても掴めなかった。
そんな彼がいま、どこかで幸せに過ごしています様に。
私はただ、後悔と、感謝の気持ちであり、
そして少し、成長した。