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不調和をイノベーションの機会とすることができるのは、その産業やサービス部門の中にいる、あなただけです。 7月15日 Incongruity ギャップの存在

おはようございます。 今日も #ドラッカー
#365の金言  からスタートしましょう。

本日 #7月15日  のテーマは、 
#Incongruity (不調和、不一致、不釣り合い)
#ギャップの存在

#ギャップの存在は欠陥の存在を意味する

 ときとして、それぞれの産業、市場、プロセスにギャップが存在する。その内部や周辺にいる者は知っている。しかし、彼らインサイダーは、これまでずっとそうだったとして行動をとらない。そこで、誰かがそのギャップを利用する。
 自動車のユーザーとディーラーとの間にはギャップがある。値引き交渉、誇大気味の広告、セールスマンの対応など、自動車の購入にはうんざりさせられる。そこで、全車種の新車と中古車について、価格、ローン、保険料について迅速に情報を提供するeコマースのディーラーが急成長を始めた。それらのディーラーは、ユーザーの便宜をはかっている。

(『イノベーションと起業家精神』、eラーニング教材『変化の駆動力』)

ACTION POINT

#あなたの産業にイノベーションに利用できるギャップは存在していますか


今日のテキストも1985年刊の『 #イノベーションと起業家精神 』、eラーニング教材『 #変化の駆動力 』より。

 手元の『イノベーションと起業家』では、4章 源泉=調和せざるもの93〜111ページに該当する部分です。

 ドラッカーは、この「不調和」がイノベーション機会となるが定性的な変化によるため、数字としては現れてはこないものの、生産現場や営業現場では「昔から起こっていること」と言われることが多いとのこと。

 Incongruity によるイノベーションの機会は、次の4つに分類されるという。
(1)需要との不調和:
(2)通念との不調和:
(3)消費者の価値観との不調和:
(4)プロセスにおける不調和:

「この不調和(Incongruity)をイノベーションの機会とするためには、どうすべきか、何が不調和を機会に変えてくれるか、何をしたら良いか」を考えるべきである。

『イノベーションと起業家』95ページ

 業界内に居るとギャップに気づかない、ギャップに気づいても、先人をおもんばかり、新製品や新サービス開発を先送りすることで、社会は良くならない。

本書に載っていた不調和をイノベーションの機会にしたエピソードを紹介したい。

 1950年代の末、ある製薬会社のセールスマンが、独立して事業を興すことを思い立った。そこで彼は、医療のプロセスに不調和なものがないか探すこととした。彼は直ちに見つけた。
 当時、最も一般に行われていた手術に老人性白内障の手術があった。この手術は、長い経験のあと、きわめて機会的な洗練されたプロセスとなり、なったく安全に、かつ踊りのようなリズムでおこなうことができるようになっていた。
 しかし、この白内障の手術には、1箇所だけ、調和の取れない調子はズレたことろがあった。ごく小さな筋肉を切開し、血管を縫合しなければならなかったのである。血が流れ出て、眼球を損なう恐れがあった。手術は99%成功していた。難しい手術ではなかった。しかし、この切開の部分が手術の癌だったのである。ここで手術のリズムが狂うことが、眼科の手術医を悩ませた。何回経験しても、俊敏な手練を要求するこの部分が悩みの種だった。
 ところが、製薬会社のセールスマン、ウィリアム・コナーは、筋肉組織を瞬時に溶かす力を持つ酵素が、すでに1890年代に分離されていることを知った。問題は、その後60年を経過していたにもかかわらず、冷蔵によっても、この酵素を保存することができなかったことにあった。しかし、1890年代以降、保存の技術は長足の進歩を遂げているはずであった。事実コナーは、数ヶ月を経ずして、試行錯誤の末、酵素の効力を失うことなく、貯蔵寿命を延ばすことのできる保存薬を発見したのである。
 数年後には、世界中の眼科手術医がコナーの会社、アルコン・ラボラトリーズ社の酵素を使うようになった。そして20年後、コナーは同社を数百万ドルで多国積企業に売り払ったのである。
 これこそ、プロセスにおける不調和をイノベーションの機会として捉えることに成功し典型的な例である。

同書、108〜109ページ

今日を変えていこう。愛を込めて。

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