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時代の変わり目にチャンスあり! 7月3日 Synergy of Business Assumptions 経営環境と使命と卓越性

#ドラッカー #365の金言  より 本日 #7月3日  
#Synergy_of_Business_Assumptions
#経営環境と使命と卓越性

#経営環境と使命と中核的能力は平仄が合っていなければならない

 経営環境と使命と中核的能力は、平仄が合っていなければならない。
 マークス・アンド・スペンサーは、第一次大戦が新たな経営環境を生み出したことを認識した。ランジェリー、ブラウス、ストッキングなどおしゃれで品質のよい製品の購買層が生まれていた。
 1920年代の半ば、安物の雑貨店をチェーン店にまで成長させた四人の義理の兄弟たちは、すでに財をなしていた。しかし彼らは、自分たちの事業の使命を考え直すことにした。自分たちは社会革命の担い手であるとした。
 そこで、雑貨店チェーンから中産階級向けのスーパーへと変身した。そのための製品を開発し、メーカーを育成した。こうして経営環境と使命の変化が、新たな中核的能力をもたらした。

(『マネジメント-課題・責任・実践』『未来への決断』)

ACTION POINT

#あなたの会社が使命としているものは経営環境と合致していますか

#中核的能力としているものは使命と合致していますか

今日のテキストは、
マークス&スペンサー社の事例から。

 テキストは、『マネジメント-課題・責任・実践』(1974年版・上巻・8章 目標の威力と狙い:マークス・アンド・スペンサー物語 153〜165ページ)、『未来への決断』(1995年・1章 事業の定義 35〜36ページ)なんですが、、

 まず、テーマ文と最初の一文

「経営環境と使命と中核的能力は平仄が合っていなければならない。」
にある「平仄」が読めない。「ひょうそく」。

 漢詩の発声で、平声と仄声を意味する言葉。現在では、つじつまや条理を意味する。つじつまを合わせるという意味で「平仄を合わせる」という表現がある

https://www.weblio.jp/content/%E5%B9%B3%E4%BB%84 

 上田先生は、integrity を「真摯」と訳されたように、せっかくドラッカー本人がわかりやすい表現をしているのに、時々難しい単語を使いたがるようなところがあると感じます。それによって、文の意味がズレてしまって、文章全体の解釈が変わっちゃうんじゃないかしら。

たとえば、この「ひょうそく」ですが、意味は、“つじつまを合わせる“という意味だそうです。

つじつまを合わせる、で置き換えると、

「経営環境と使命と中核的能力はつじつまが合っていなければならない。」

つじつまが合うって?

合うべきところがきちんと合う。すじみちがよく通る。前後が矛盾しないで合う。多く、打消を伴って用いられる

https://kotobank.jp/word/%E8%BE%BB%E8%A4%84%E3%81%8C%E5%90%88%E3%81%86-571649 より

経営環境と使命と中核的能力とが矛盾しないで合っているっていう意味なんでしょうか?これも良くわかんない表現ですね。

じゃあ原文はどうなってるかというと、、、

タイトル文
Assumptions in all three areas have to fit one another.

3つの分野の前提は、互いに適合(フィット)していなければなりません。

deepl訳

最初の一文
“The assumptions about environment, mission, and core competencies must fit one another.“

環境、ミッション、コア・コンピタンスに関する前提がそれぞれに適合(フィット)していなければならない。

deepl訳

『未来への決断』では、

自らの環境、使命、中核的な卓越性についての前提それぞれが、現実に適合したものでなければならない。

上田先生の訳

今日の内容は、今日のアクションポイントで
#あなたの会社が使命としているものは経営環境と合致していますか
#中核的能力としているものは使命と合致していますか
(原文:
Does the mission of your enterprise fit the environment? Do your core competencies fit the mission?)

と示されているように

 経営環境と企業使命、中核的卓越性(コア・コンピタンス)と使命、そして、卓越性と経営環境、がそれぞれバランスよくフィットしていること。

比喩としたら、「三位一体(さんみいったい)」という方が近い気がします。

事業の3要素は三位一体的では?

ところが、時間の経過に伴い、現実が変わると、適合していた事業定義の三位一体が崩れてしまう。たとえ優れた組織であっても、あっけなく。
ということは、たとえGAFAのような盤石に思える企業であっても、この事業定義が時代遅れになればあっという間に凋落してしまいます。

 たとえば、Netflix社は、動画ストリーミング業界で卓越性を称賛され、10年間有料会員数を伸ばしてきました。しかし、番組の制作力が卓越性に変わった現在、視聴者数が激減。この第2四半期には200万人の有料会員を失うとのこと。

  Netflixの有料会員数は、22年第1四半期に20万の純減となった。 第2四半期には、さらに200万人の顧客を失う見込みである。「多くの世帯がアカウントを共有していることを含め、わたしたちのサービスの家庭への普及率は比較的高い状態で推移しています。これに加えて競争の激化が収益を圧迫する逆風になっているのです」と、ネットフリックスは株主宛ての書簡で報告している

https://wired.jp/article/netflix-reckoning/ 

 現実の変化に伴い、事業定義を常に改めていくことが大切、とドラッカーは論じていると思います。

時間の経過とともに、現実は変わる。現実に合わせて事業定義も変化させるべき。GMやIBMなど一時代を築いた優良企業で合っても、現実の変化に事業定義を変えなければ衰退する。

 1920年代、「100均の元祖」の安売りショップで儲けたマークス&スペンサー社が、1930年代に入り、「安売りする」という使命から、階級制度のイギリスで、たとえ低階級の人であっても、誰もが良い衣料が着られる世の中に我々が変えるのだ、という「使命」に変え、さらに、単に商品買付能力の卓越性から商品開発提供へと卓越性を変えたことで、1930年代の隆盛を迎えることができた、という事例を引いて、ドラッカーは説明しています。

 疫病流行によって、駅の繁華街に店を構えて「待ちの商い」をしていた小売業は、テレワークが一般化して、繁華街へ誰も足を向けなくなった、という現実から学んで、テイクアウトで対処しようともがきました。しかし、配達という世界では、これまでの卓越性を発揮することができなかったため、注文を失い、お客を失った、という企業は少なくありませんでした。

 組織を取り巻く環境が変わった→企業の使命も変え→卓越性も変え→環境に好影響を与える・・・というように、常に変わり続けるスパイラルを上っていくイメージです。

 平仄=「つじつまを合わせる」という受け身的ではなく、自ら環境変化を見て事業定義を変える、使命を変える。
 使命を変えたことで、提供するコアコンピタンス(卓越能力)も従前とは変える。結果、自分のコアコンピタンスで、経営環境も変わっていくから、さらに、次の使命に向かう、というポジティブなイメージをドラッカーは言いたかったんじゃないかな。

ということで、現実を見て、今日を変えていこう。愛を込めて。

こちらのNOTEマガジンであなたの卓越性を変えてください。

ごきげんよう。

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