組織の使命がますます重要に。11月20日 The Federal Principle 分権制
今日の #ドラッカー365の金言 テキストは、1950年に米国出版され、日本では1954(昭和29)年に初めて翻訳紹介された『 #新しい社会と新しい経営 』 8章 産業秩序の原理:連邦制経営組織 ドラッカー全集 第2巻 313ページより。
戦後わずか5年後、本書では、大組織に埋没してしまう「オーガニゼーション・マン ( Organization Man )」が生じ、組織が硬直、停滞化することを指摘していた。
そして、リベラルが求める「個人主義的」こそ解決だ、と言うのではない。
むしろ、ドラッカーは、本書で解決案を提示するのではなく、若い世代に、本当の問いには安易な答えはないことを、知り、認めて、皆で解決するように仕向けている点が素晴らしいと思うのです。
そんな「本当の問いには安易な答えはないことを、知り、認めて、皆で解決するように」という提言に最適な事例が今回の兵庫県知事選前後の百条委員会の落とし所、というか、今回の混乱です。
17日(日)の兵庫県知事選挙で齋藤元知事がまさかの再選。満場一致で辞任を求めた全県議86名と齋藤知事の失職を求めていた百条委員会側が一転して、追い詰められつつあるようです。真実を追求するべき委員会が逆に隠していたり、デマ内容を録音された音声が暴露され、それが齋藤氏再選へとつながったのでは?と感じます。
テレビのワイドショーではSNSがテレビの影響力を上回った、テレビvs SNSでテレビが負けた、という報道のされ方が為されているようですが、実際のところ、兵庫県民の受け止めは、そうではないようです。
むしろ、県民に非公開で隠されていた委員会の内容があまりに恣意的で一方的に知事を悪者扱いするものとなっていたことに対する疑念・反発が引き起こした投票行動だったようにも感じられます。
そして、齋藤知事への事実無根の情報を流布していた竹内議員は、誹謗中傷を理由に突然辞任。(18日)
百条委員会は、結論に至っていない中、知事選が行われ、失職した知事が返り咲きし、県民の理解も得られた、という世論があるところ。そこに齋藤知事排除を訴えていた竹内議員が辞任。百条委員会は、上げた拳をどう下すのか?下ろし方も混迷のように思われます。
ドラッカーが示したように
「本当の問いには安易な答えはないことを、知り、認めて、皆で解決する」
その道へと歩んでほしいものです。
ドラッカーは、組織運営について、分権制を訴えつつも、全体の統一性を保つことを強調しています。
その上で、トップはトップの、現業は現業の使命=仕事=責任を果たせ、と記しています。
大谷翔平選手が昨年、FAで移籍するに際して、自分を欲する球団に対して、ワールドシリーズ優勝への球団のコミットメントについて質問していたようです。球団トップは、優勝したいと熱望しているのか?ただ、人気選手の自分を抱えておきたいだけなのか?オーナー側もチーム強化に努力する気があるのか?そうでないのか?
あなたの組織は、トップから現場のスタッフに至るまで、使命を果たそうとする組織なのか、どうなんでしょう?
兵庫県を良くしたい、そのための改革を続けよう、という知事の元働こうとする県庁・県議員なのか、己の利権拡大だけを求める県庁職員・県議員ばかりだったのか?
これからの組織には、使命がますます重要になってきたようなそんなターニングポイントだったようにも感じます。今日もお元気で!