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「石破構文」で先送りは是なのか? 10月2日 Decision Objectives 意思決定の要件

今日のテキストは、56年前の1966年初版『 #経営者の条件 』 
6章 #意思決定の原則 222〜224ページより

 実は、効果的な経営者というものは、それほど多くの決定はなさないものである。彼らはむしろ重要な決定に努力を集中する。彼らは、<個々の問題を解決>するよりは、むしろ、それらの問題に共通してみられる戦略的な、そして、包括的な事柄はなにか、ということを考えようとする。そして、彼らは高水準の概念的理解の上に立って、いくつかの重要な決定を成そうと努めるのである。

同書・6章 意思決定の原則 1966年版 212ページより

たとえば、目標と目的の違い、ご存じでしたか?

実現しようとしてめざす事柄。行動のねらい。めあて。「当初の目的を達成する」「目的にかなう」「旅行の目的」
倫理学で、理性ないし意志が、行為に先だって行為を規定し、方向づけるもの。
[用法]目的・目標――「目的(目標)に向かって着実に進む」のように、めざすものの意では相通じて用いられる。
◇「目的」は、「目標」に比べ抽象的で長期にわたる目あてであり、内容に重点を置いて使う。「人生の目的を立身出世に置く」
◇「目標」は、目ざす地点・数値・数量などに重点があり、「目標は前方3000メートルの丘の上」「今週の売り上げ目標」のようにより具体的である。

https://kotobank.jp/word/目的-645360

 目的とは、長期にわたる目あて。内容に重点をおく。抽象的なもの。理想の地点、シンボルなどを指し示します。Vision。手段ではなく目的。
例:当社の目的は、社員全員が幸せとなることです。
その一方で、
 目標とは、目指すものが、測ることができる地点・数値・数量のこと。
例:今週の売り上げ目標 Objectives

ということで、
今日のタイトルを見ると、「Decision Objectives」とあります。つまり、意思決定する目安の数字・数量という「目標」のお話だ、ということがわかります。

彼らは、一番際どく、難しい決定が、正しい妥協と間違った妥協との間のそれであることを知っており、そのために正しい妥協と間違った妥協とを見分けようとするのである。

同書 213ページより


今日のテーマ:
#Decision_Objectives
#意思決定の要件

今日の金言:
#意思決定が成果をあげるには満たすべき要件を明確にしておく必要がある

今日のACTION POINT:
#意思決定にあたっては常に満たすべき要件を明らかにしてください

たとえば、営業なら、売り上げの目処がどうなりそうなのか、と算段つけて、最悪の事態になることを避けるために手を打つのが一般的であり、経営者は、さらに数年先まで織り込んで手を打つわけで、あるプロジェクトを済ませたら、次はどうする、と先手先手で行かないと、置いていかれてしまう危機感があります。


「石破構文」というのがあるそうで。

https://x.com/okahidemijj/status/1838700297004421499 より

各方面から批判されていますが、

 意思決定が成果をあげるには、満たすべき要件を明確にしておく必要がある。要件が何かを明らかにしなければならない。要件を明確かつ簡潔にするほど、意思決定は成果をあげるものとなり、達成しようとするものを達成するようになる。逆に、いかに優れた意思決定に見えようとも、要件が曖昧であれば成果をあげられないことは必定である。

こうドラッカーは記しており、今日の金言「意思決定が成果をあげるには満たすべき要件を明確にしておく必要がある。」

という点においては、石破さんの「ねばねば」も原則論としては理解できます。

ただし、意思決定すべきなのは経営者や政治家(この場合は総理)となると、要件が定まった後は、速やかに効果的な決定を行ない、その決定の妥当性と有効性を、現実の成り行きに照らしてフィードバックして、改善するプロセスを設けることが重要に思います。

先日、「袴田事件」が冤罪であったことが確定しました。

逮捕後、無罪が判明するのに58年もかかるのは異常なことです。これは、今の司法に決定の妥当性と有効性を、現実の成り行きに照らしてフィードバックして、改善するプロセスが欠如していることに問題があり、早急にシステムを改善する必要があることを示していると思います。

議論のための議論を繰り返し、満たすべき要件を明確にしないまま、議論していかなければならない、で決断しないのが石破さん、と言われていますが、総理になった今、悠長にやっている時間はありません。

満たすべき要件を明確にして意思決定をズバズバと下していき、進めていくのが優れた政治家であり経営者である、ということなんだろうと思います。

人間なんだから、間違いもあります。だからこそ、決定の妥当性と有効性を、現実の成り行きに照らしてフィードバックして、改善するプロセスを行政も司法も立法も、あらゆる日本の組織に過ちを正すプロセスが必要と感じます。

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