4月19日 人事の5つのルール
おはようございます
昨日の続きです。
#ドラッカー #365の金言 #4月19日 #人事の5つのルール #兵士には優れた指揮官を持つ権利がある
このNoteは、「ドラッカー365の金言」に記された1日1テーマに対して、自分の感想や想い、そして、私自身の実践について書いたNOTEです。本文そのものを全て引用することはありませんので、ドラッカー博士の論文をお読みになりたい方はぜひ本書をご購入されることをお勧めします。
“汝の時間を知れ“ ドラッカー
上記は本書の扉の次のページに記されていたメッセージです。これは「時間は無限ではないから集中せよ」という意味かも知れません。ドラッカーの65年以上にわたる著作集を読み続けるほどの時間がない方のために、本書がある、という意味かも知れませんね。
編者のマチャレロ教授は
“最後にACTION POINTとして取るべき行動を示唆した。ここでお願いしたいことは、読者ご自身が「すでに起こった未来」を探すことである。新たなトレンドを見出したならば、ドラッカー学校の伝統に従い、自ら行動していただきたい。“
と記して、本書を実践する書、として欲しいと述べています。
著作権等の関係から、日々のドラッカー論文(つまり、本書の本文)を全文引用することはしませんので、ご関心の方はぜひお手元にお持ちになることをお勧めします。
今日のテーマ:人事の5つのルール
今日のアクションポイント: #失敗した人事には責任を持ってください
この「再度動かす」って意味が不明瞭なので、原文にあたってみますと、「remove = 排除する」と。もっと表現キツいっすね。
ACTION POINT: Accept responsibility for placements that fail. Remove people who do not perform(失敗した配置の責任を受け入れてください。パフォーマンスを発揮できない人を排除する)
remove には、取り除く、排除する、外す、という意味があります。いずれにしてもキツいです。
例えば、今、MLB Raysに所属する筒香選手が苦労しているわけです。日本での実績から、20本以上のホームランと80打点以上?みたいな期待を受けて、レギュラーが約束されたポジションが約束され、チーム内でも比較的高額年俸の待遇で契約しているわけです。
ところが、焦りもあるんでしょう。なかなかアジャストできない。
昨年、コロナの影響もありましたが、打率.197、ホームラン8本、打点24と振るわない。そこへ新人のランディ・アロサレナ選手が昨年ポストシーズン直前から昇格し活躍。今季も14試合で打率.246、ホームラン2本、打点6、と、筒香選手は彼の後陣を拝することとなっています。
今季も期待されていたものの、12試合に出場し39打席を与えられたところで、レギュラー降格のようです。打率.154、ホームラン0本、打点1と現状ではアジャストに成功していません。一旦、remove ということなのでしょう。なんとかカムバックして欲しいですね。
勝敗責任は監督にあるのですから、選手を起用し負けたらそれは監督の責任。それによって敗戦が増えれば監督の解任もあり得るのですから。組織の士気に関わるわけですから、そこはスッパリ。逃げない。そういうことなのかな、と。
日本の人事では、表で白黒はっきりつけないやり方です。
人を傷つけない配慮でもあるのですが、任命者の責任が曖昧になりがちです。トカゲの尻尾きり、と表現されるように、失敗したら俺の責任だ、と言いつつも、上司が自己保身に走るのはよくあることです。
また、失敗=責任、降格、最悪クビ、となるので、問題はとにかく隠す。そして、冤罪的な人事処分が為されてしまうこと。(例:ミッドウェー敗戦を隠蔽した大本営発表、日大アメフトタックル事件、STAP細胞事件など)
事実を明らかにしたら、罪を軽くする、処分しないなどの司法取引を認めないため、真実を隠すためとか組織を守るためなど自殺教唆させられたり、実際にビルから飛び降り自殺したり、あるいは、業界から永久追放処分にして、真相を闇の中にしてしまうことが少なくないことです。
「罪を憎んで、人を憎まず」。
非常に建前的ではあるものの、失敗した場合の責任は任命者、失敗した当事者は異動させる。セカンドチャンスは与える。そういう処分方法が原則としてあるわけですね。
とはいえ、米国でも、1941年12月8日真珠湾攻撃を受けた直後、12月17日の大統領命令で陸軍中将ウォルター・ショートハワイ方面陸軍司令官とハズバンド・キンメル大将は共に解任。12月23日に最高裁判所判事オーウェン・ロバーツを長とするロバーツ査問委員会が開催され、ショートとキンメルは「日本軍による攻撃に対する準備を怠った」として糾弾された。2人は証言を行うが処分は覆らなかったわけです。
日本軍の攻撃を予見し、防御準備を欠いていたという理由で2人は引責降格となりました。ショート元中将は1942年2月末で退役。フォード自動車で1946年まで勤めるものの1949年68歳で死去。キンメルも1942年3月に予備役に。「失敗したら、異動」の原則は守られている、とはいえ、2人の処分を見れば全てが理性的になされている、とは言い難い。とにかく当時は敗色を払拭したかったでしょうから。
後年、ハルゼー元帥が「キンメル大将ほど懸命に仕事をしてきた司令官はいない」と自叙伝に記し、キング元帥もキンメル将軍を高く評価していたものの、2020年の現在においても、ウォルター中将とキンメル大将の2人の名誉回復は下院で成されたものの大統領署名は成されていないのですから、敗戦に対する米国の屈辱感情やまだ存命の被害者家族などへの配慮を感じます。
結果論ですが、米国はキンメル大将からニミッツ将軍に太平洋艦隊司令長官の交代、という人事が功を奏し、真珠湾攻撃の翌年、1942年5月4−8日の珊瑚礁海戦、6月4-7日ミッドウェー海戦と、半年経たないうちに、形勢逆転へと事態を好転させていきました。
これを知ると、人事の大事さが痛感されます。しかし、ニミッツ将軍はこういうのですね。
米太平洋艦隊司令長官・チェスター・ニミッツ元帥は最後の連合艦隊司令長官小沢治三郎について「勝った指揮官は名将で、負けた指揮官は愚将だというのは、ジャーナリズムの評価にすぎない。指揮官の成果は、むしろ、彼が持つ可能性にある。敗将といえども、彼に可能性が認められる限り名将である。オザワ提督の場合、その記録は敗北の連続だが、その敗北の中に恐るべき可能性をうかがわせている。おそらく部下は、彼の下で働くのを喜んだにちがいない」。
さあ、長くなりました。今日のドラッカーは、「人事に成功している5つのルールがある」と伝えています。組織を束ねるリーダーの方には参考となりそうです。ご一読をお勧めします。
今日もやっていきましょう。
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