8月27日 ニッチ追求型の研究開発戦略 Charlie Company: Research Strategy
おはようございます。一昨日から続いた「リサーチ戦略」も今日が最終回。最後は、とある小企業の研究開発戦略を紹介しています。
チャーリーカンパニーは研究をしない。開発しかしていない。エイブル社やベーカー社が魅力的だと考える製品には一切手を出さない。
チャーリー社は、架空の会社と思いますが、以下にご紹介するアルコン社がモデルと思われます。資源の乏しい中小企業、ベンチャー企業にとって研究開発をどう扱えばいいかについてヒントになると思います。
医療や手術の現場で、既存の製品がうまく機能していない部分を探し、かなりシンプルな変更で医師や外科医のパフォーマンスを大きく向上させることができます。
「うまく機能していないプロセス部分」を探し、そこで誰もが使わなければならないトールゲート(料金所)となれば、中小ベンチャー企業であっても、市場をコントロールできる存在になれる。
1950年代の末、ある製薬会社のセールスマンが、独立して事業を起こすことを思い立った。そこで彼は医療のプロセスに不調和なものがないか探すこととした。彼は直ちに見つけた。当時、最も一般的に行われていた手術に老人性白内障の手術があった。この手術には一箇所だけ、小さな筋肉を切開し、血管を縫合する必要があった。難しい手術ではなかったものの、この切開の部分がガンだった。ここでリズムが狂うことが眼科の手術医を悩ませていた。ところが、このセールスマンは、筋肉組織を瞬時に溶かす力を持つ酵素があることを知り、その保存がうまくいかないため、この酵素の効力が失われてしまうことを知った。試行錯誤の末、このセールスマンは、酵素の効力を失うことなく、貯蔵できる保存薬を発見した。数年後、世界中の眼科手術医がこのセールスマンの会社、アルコン・ラボラトリーズ社の酵素を使うようになった。20年後、このセールスマンは創業した同社を数百万ドルで多国籍企業に売り払ったのだった。(「イノベーションと起業家精神」108ページより)
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