3月17日 利益の役割
おはようございます、
今朝もドラッカー365。続いていきましょう
#ドラッカー #365の金言 #3月17日 #利益の役割 #利益は事業活動の究極の判断基準である
このNoteは、「ドラッカー365の金言」に記された1日1テーマに対して、自分の感想や想い、そして、私自身の実践について書いたNOTEです。本文そのものを全て引用することはありませんので、ドラッカー博士の論文をお読みになりたい方はぜひ本書をご購入されることをお勧めします。
“汝の時間を知れ“ ドラッカー
上記は本書の扉の次のページに記されていたメッセージです。これは「時間は無限ではないから集中せよ」という意味かも知れません。ドラッカーの65年以上にわたる著作集を読み続けるほどの時間がない方のために、本書がある、という意味かも知れませんね。
編者のマチャレロ教授は
“最後にACTION POINTとして取るべき行動を示唆した。ここでお願いしたいことは、読者ご自身が「すでに起こった未来」を探すことである。新たなトレンドを見出したならば、ドラッカー学校の伝統に従い、自ら行動していただきたい。“
と記して、本書を実践する書、として欲しいと述べています。
著作権等の関係から、日々のドラッカー論文(つまり、本書の本文)を全文引用することはしませんので、ご関心の方はぜひお手元にお持ちになることをお勧めします。
今日のテーマ:利益の役割
今日のアクションポイント: #利益が事業継続のコストを賄うことができず未来のための資金の導入誘因ともなり得ない事業からは撤退してください
昨日「利益の最大化は唯一の目標にするのは間違い」とドラッカーは言っていて、ならば、利益は事業活動の何なんだ、という疑問が湧いてくる。
これに対しドラッカーは
「利益は事業活動の原因ではなくて、結果であるからである。利益は事業がマーケティング活動やイノベーションや生産性向上を行なった結果なのである。だが、同時に、利益は事業活動の成果を測定することができるただ1つの尺度でもある。ソビエトの共産主義者すらも、1920年代初期に利益を抹殺しようとして失敗した結果、経済活動における利益の性格を認めざるを得なかったのである」(「現代の経営」)
と、明確に利益は経営目的ではなく、結果に過ぎないと論じている。
経営は最大利潤の追求にあるのではなく、むしろ損失の回避にある。(「現代の経営」)
事業運営には常に危険が伴うものであるから、その危険に備えて、危険を補填するに足るプレミアムを作り出さなければならない。その原資が「利益」である。「利益」がなければ10年前の震災も、今回の感染症も維持することは難しい。それをまざまざと体感できた1年間ではなかったか。キャッシュフローが途絶え、現金が減っていくのを見ながら、現金がなければ潰れてしまう恐怖を感じました。
「元気ですかーっ!現金があればなんでもできる!」と猪木さんばりに叫んでしまいますよ。
ところで、キャノン電子の酒巻会長が社長時代に記した「ドラッカーの教えどおり、経営してきました」を読むと、1999年経常利益率1%、11億円だった同社利益を10年で売上3割アップ、経常利益率14%の150億円と10倍以上に成長させた手立てがわかりやすく示されている。
そこには
「なぜ利益が出ないのか」→「会社に「ムダ」が溜まっているから」→「そして、一番のムダの原因=社員の働き方」→「1人1人の社員の働き方からムダをなくし、より効率的なやり方に変える」、と非常に小気味良い。
ただし、
人事の基本は、適材適所で人を配し、その人の仕事(役割)に応じて適正な給料を支払うことだが、儲かっていない会社は、これが恐ろしく下手だ。よくあるのは①やたらと給料を安くする ②働いていない人が高給をもらっている という2つのパターンだ。業績が悪いからと給料を抑える会社が多いが、これをやり過ぎてよその会社と較べてあまりに安いとなれば、「こんなに安いんじゃ馬鹿らしくてやってられない」とどんどん勤労意欲を無くしてしまう。こうなると真面目に働いてきた社員でさえ会社への忠誠心が薄れ、横領などの不正も起きやすくなる。会社はますますダメになる。
と、固定費削減、特に、人件費を「ムダ」にするのも、プラスにするのも経営者次第、と手厳しい。
むしろ、目標を達成した時は、それを認め、評価し、部署ごとにどんどん表彰する。ムダ削減の一辺倒ではなく
「この会社は社員の仕事ぶりをしっかり見てくれている。そして、成果を出せば、ちゃんと認めてくれる」
と仕事へのやり甲斐を増やすやり方も併用して、同じ人件費で仕事はプラスに働けば、生産性も上がる、と戦略的に資源を使うわけです。
もちろん同社は利益第一主義ではありません。
リスクを回避するために利益が必要、ということで、今日もやっていきましょう!