
6月2日 A Successful Information-Based Organization 情報型組織の成功例
おはようございます。この6月も #ドラッカー #365の金言 からスタートしましょう。
本日、 #6月2日
#A_Successful_Information_Based_Organization
#情報型組織の成功例
そして金言は・・・
#
必要な情報を全員が手に入れるとき組織は成果をあげる。
ミドル抜きに成功した情報型組織の典型が、イギリスのインド統治体制だった。18世紀半ばから第二次大戦にいたる200年の間、インドの膨大な人口を統治するために要する人員が1000人を越えたことはなかった。各地の監督官は孤立し、最も近い同僚さえ1日か2日かかるところにいた。しかも、前半の100年は電報や鉄道もなかった。
組織構造は極度にフラットだった。9つの州それぞれに、監督官がほぼ100人いた。彼らは月1回丸1日を費やして州の政務官に報告か書いた。与えられた任務すべてについて報告した。予測と実際に起こったことが相違した場合には、その原因を報告した。次の1か月の予測とその対応策を書いた。基本的な政策について質問し、機会、脅威、対策について考えを書いた。政務官の方も詳細な返事を送った。
ACTION POINT
#あなたの組織とイギリスのインド統治に共通することは何でしょうか 。
今日のテキストは、1989年刊行『新しい現実』 14章 情報化組織 306〜307ページより。
英はあの広いインドをたった1000人で植民地統治した、というドラッカーの言葉は、1974年の『マネジメント』にも記されている、お馴染みのエピソード。
(32章 経営管理者の職務の設計と内容 1974年版 下巻 42〜45ページ)
ところで、この『新しい現実』テキストには、次のような衝撃的な予言から始まっている。
今から20年後には、大企業や政府機関など、今日の典型的な大組織では、経営管理者の階層は半分以下に、経営管理者の数は3分の1以下になる。
この予言は、米国に比べ人事制度が固定化しているわが国においても、2020年代には定着している。2003年4月1日に改正商法が施行され、取締役会のスリム化並びに執行役員制度がなされたからです。
日本の取締役会は、欧米の取締役会に比べて、人数が比較的多く、社内取締役 の比率が高く、同質的であり、意思決定機能および監督機能と執行機能とが未分化である点に特色 が見られたが、経営方針決定の場に日常的な業務決定が持ち込まれ、真の政策決定ができにくい、 人数が多すぎて実質的な審議ができない、開催回数が少なく報告の場になってしまっている、法定 の機関に堕してしまっている、さらに、社内取締役に偏っているため、議題が社内の部門の案件に 集中しがちになり、広い視野に立った全社的問題に触れられない、などの問題点を抱えている。 (図4、図5参照)しかも、現実には、社長を頂点とするピラミッド型の業務執行体制(会長―社 長―副社長―専務取締役―常務取締役―平取締役)が温存され、取締役会は、意思決定面でも監督 面でも機能しえなくなっていたのである。こうした日本の取締役制度ひいては監査役制度の問題の 根源は、取締役、監査役、さらには会計監査人の人事権が被監督・監査者である代表取締役、なか んずく社長によって事実上握られてきたことにある。
経済産業省では、日本経済が安定的に成長し、将来にわたって持続的に繁栄していくために、社会経済的に望ましい企業統治の在り方として、「コーポレート・ガバナンスのあり方」が示されています。
ドラッカーは、97年のアジア金融危機、2001年のワールドコム事件などを踏まえて、コーポレートガバナンス強化として要請された取締役会の透明性、スリム化、社外取締役の設置、監査強化、といった、企業経営者への規制管理を強める方向に進んでいます。
さらに、その流れに政府が悪ノリ?して元役人や弁護士の天下り先として、企業の外部利害関係者による企業経営者を統治しよう、と、社外取締役設置に動き、政府による企業管理=コーポレートガバナンスを実現しよう、というような流れ。
ドラッカーが論じているのは、そういうことではありません。
これからの組織が知識を中心とした組織となり、ガバメントは取締役、だが、マネジメント実務は専門家集団が担う、という組織を「情報化組織」として想像して、ミドル層=中間管理職、のない、フラットな専門家集団による組織をイメージしたのではないかと思います。
個人的には、「個人的悪を公共的善」ではなく、「個人的強みを社会的利益に」する原則を重んじています。従って、個人を管理する全体主義的構造よりも社会の自由を維持し、機能させることで、社会との調和を生み出す自由社会の実現が望ましいと考えています。
個々人の強みを発揮する中で、自主的にガバナンスを行なう方が望ましい、というドラッカーの思想に賛同しています。しかし、その後も次々に巨額の経済事件が(2003年の改革後、2007年サブプライムローン、リーマンショックという米金融機関を中心とした恐慌と資本家救済に2009年まで揺れました)起こる中、政財官の間で、それぞれが己の短期的な経済的利得や欲望の拡大のみを追求した結果、グローバルに経済危機に発展するほどとなりましたから、管理強化の方向に動くのはわからないでもないんですね。
これからも自由と管理の間で、あるときは、自由に、また、あるときは管理に、と揺れ動きながら、進むんじゃないのかな、と感じています。あなたの組織は、どちらの方向に進んでおられますでしょうか。
今日も変えていきましょう。愛を込めて。
https://note.com/dialogjapan/m/m740de8d0218d
このような情報をご希望の方は、こちらの有料NOTEも購読ください。それでは!
いいなと思ったら応援しよう!
