コロナになってやっぱ人だよねって〜岡崎市和食店「魚信」さんのコロナ禍経営奮闘記35
前回の続きです
売り上げや数字じゃないってお話についてもう少し詳しくお聞かせいただけませんか?
西田さん「コロナで大変になって、売り上げだ利益だってやってきた自分が、もう全然違うなってこともあるんだけど、うちの「集会場」っていう宴会事業中心の飲食業から、より本質的な飲食業に立ち戻った感じ。
本質的っていうのは、なんというか、「私はそもそもなんで外食を魚信でしなくちゃならないの?」っていうね、根本のところを問われることになったのが大きいんです。
おかげさんで、GoToイートやらプレミアム商品券を使っていただいてお客様に多数いらして頂いてて、それはそれでありがたいんですが、これが終わった後の方が大事でね。
そういうクーポンやキャンペーンがなくても、『魚信の考え方がいいね』『魚信食べに来たよ』『魚信のファンです』というお客さんをどれだけ作れるか、どれだけ増やせられるか、そういうところに今、飲食業はあると思ってます。
「魚信ファン」とか「魚信仲間」が岡崎市民38万人の中から1人でも2人でも増えて欲しい。「魚信安いから」じゃなくて「魚信美味しいから」「考え方が気に入ってるから」「料理の品質もサービスも揃ってるから」に価値を置いてもらった人たちが集まる店にしたいんですね。
ただね、これは、誰かを喜ばせよう、お客さん喜ばせよう、とお客さんに合わせようと作ってやってないし、そういうふうに(お客さんに合わせようと)やろうとしてない。なんかそんなので全然いいな、と思う。
舵きって進んでる方向間違ってないと思うし、お給料払えてるし、いい人はどんどん入ってくるし。大変だけど、大変9割以上だけど、1割の喜びのために、やってる。
数字や売上じゃないっと思ってる。
コロナで「たくさん作れば幸せになる」「生産性を上げれば幸せになる」ってことが「ちょっと違うな」ってみんな気づいてきた。
目の前の人を大切にしよう、お客さん喜ばせようってね。コロナになってやっぱ人だよねって余計思えるようになりました。
今日も、地元の醤油屋さんが来てくれて、「これまで学校給食専門でやってたけれど、良かったら使ってみてください」って話してくれた。
これって今まで無かった話で、「岡崎のみんなは家族だよ」「市民皆家族」という世界観でもって、「身土不二」の方向性で料理を出していくんだって本気で言い出して、いろいろ地味だけど発信し続けることで、今まで来てくださらなかった醤油屋さんにも伝わったんだね。そうやってきてくれたんだなと。ありがたいことだなと感じてます。
まだ、封切って試して無いからわからないけど、うちの料理に合うなら、そういう地元産の調味料でね、今なかなかできてこないけど原田さんに教えてもらいながら挑戦してる豆腐もね、岡崎産の大豆だしね。
自分が数字とか利益とか言いだすとダメになる(笑)。人とかものとかつながりとかそういうことを言ってるときが良い時(笑)なので、そっちに行かないようにお願いします(笑)。
(続きます)
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