ナチズム全体主義に再び屈服しないようにするためには、経営者はどのような考え方を持つべきか 1月20日 Nature of Man and Society 人の本性と社会のあり方
今日の #ドラッカー365の金言 テキストは、1936年に発表されたドラッカー処女作 『 #経済人の終わり 』 2章 #大衆の絶望 ドラッカー全集1巻 35ページ。本書はファシズムとナチズムの全体主義への批判に向けられている一冊です。
#ドラッカー の「 #人間の本質と社会 」に関する上記の提言は、現在の多くの人が抱える「経済第一主義」「経済中心主義」への批判にも感じられます。
この提言を現代社会に活かすためには、以下のように考えることができます:
1. 経済活動と社会的な価値観の再評価
現代の経済中心主義: ドラッカーが指摘した戦前の1930年代と同様、現代の社会もまた経済活動が中心です。しかし、テクノロジーの進化やグローバル化、持続可能性への関心の高まりにより、単なる経済的成功だけでなく、社会的な影響や環境への配慮も重要視されるようになってきました。
新たな価値観の形成: 経済的成功だけでなく、個人のウェルビーイング、社会的公正、環境保護などが社会的な成功の指標として重視されるべき、と主張する方々が増えてきました。また、ふるさととふるさとの仲間を大事にしよう、自国を大切にしようとする考え方も広がりつつあります。企業や個人がこれらの価値をどのように取り入れるかが問われています。
2. 人間観の拡張
人間を多角的に捉える: ドラッカーの「エコノミックアニマル」としての人間観は、一面的な見方を示しています。現代では、人間は経済的な存在だけでなく、創造的、知的、社会的、そして倫理的な存在でもあります。これらの面を全て考慮し、社会が人間の全面的な可能性を引き出すような環境を作ることが求められます。
3. 社会的役割と責任
個々の役割と社会全体の利益: 個々の活動が社会全体にどのような影響を与えるかを考えることが重要です。企業や個人は、経済的利益だけでなく、社会的な責任(CSR)や持続可能な開発目標(SDGs)への貢献を意識する必要があります。
リーダーシップとビジョン: リーダーや政策決定者は、社会がどの方向に向かうべきか、どのような人間像を目指すべきかをビジョンとして示す役割を果たすべきです。これは、企業の経営戦略だけでなく、国家レベルやコミュニティレベルでの政策にも影響を及ぼします。
4. 個人的なアクションポイント
自己反省と行動: ドラッカーの問い「アメリカで最も重要な社会的な領域は何ですか?これがあなたにどのように影響を与えますか?」は、個々人に対し、自分が所属する社会の価値観や優先事項を理解し、それにどう対応するかを考える契機を提供します。自分の仕事や生活がどのようにこれらの価値観と関連しているかを考え、必要に応じて行動や思考を調整することが求められます。
結論:
このドラッカーの提言は、社会や個人が経済中心から脱却し、より広範かつ深遠な人間理解と社会的な目標に向かうことを促しています。
現代では、経済一辺倒から持続可能な社会を構築し、人間が多面的な存在として充実した生活を送ることへと価値観が変化し続けています。
ただ、2023年前半まで米国で主流とされてきたDEI(多様性(Diversity)、公平性(Equity)、包括性(Inclusion))な価値観は、アファーマティブアクションの米最高裁判決が出た23年6月以降変化が生まれ、24年10月の米大統領選でトランプ大統領再選を契機に、主に消費者向けの企業で見直され始めています。
このように現代の社会的価値観は、マスコミ報道やSNSインフルエンサーらの発信に影響されやすく、揺らぎやすいものではあるものの、大衆によって、技術革新や社会変革に適応し、より公正で包括的な社会を作り出す努力がされています。
今日のドラッカー提言から学べることは、単なる表層的な企業の経営マネジメントだけでなく、「経済第一主義」の社会的な価値観がナチズム的な全体主義者に屈服した歴史から学び、再びナチズムに屈服しないようにするためには、経営者はどのような考え方を持たなければならないかだと思います。それには、人間の本質を見抜くことから考えるべき、ということなんだろうと感じました。
経済第一主義の価値観だけで進む危機感も共有したいと感じました。