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12月27日 Integrating the Economic and Social 経済と社会の調和

今日の #ドラッカー365の金言 テキストは、1942年米国で出版された『 #産業人の未来 』より。日本版は、1965年版 田代義則訳 第2章 機能的社会とは何か 23ページ、岩根忠訳が収録された1972年の「ドラッカー全集」では、1巻 225ページより。

戦争、疫病パンデミック、そして、インフレ不況によって失業者が増えると何が問題か、というと、経済的な生計の糧を失った、ということだけではありません。ドラッカーがいう様に、

失業者は社会における身分と役割だけでなく、生計の資も失っている。失業者は社会の除け者である。身分もなく役割もなく、社会に用を認められないもの、社会がかまわないものは、棄てられたものである。

(「ドラッカー全集」1巻 292ページ)

「社会から棄てられた」という感覚です。そして、社会に役立っていない自分への無力感。自己肯定感が失われ、最悪自○願望まで抱えるようになってしまいます。

働き甲斐を失うことのつらさ。失ってみて、初めてわかることです。大きな喪失感。それが失業者が抱える心の空洞ではないでしょうか。

今日のテーマ:
#Integrating_the_Economic_and_Social
#経済と社会の調和

金言:
#現代の問題は産業の現実を踏まえた機能する社会を手にしていないことにある

ACTION POINT:
#経済の発展には目ざましいものがあります
#しかし経済を人・社会・政治よりも上位に位置づけてよいかを考えてください

個人の喪失感が個人にとどまらず、社会へと広がると、はじめてことの重大さに触れる訳です。

ドラッカーの思想は、喪失感や無力感を感じている人々に対して、希望と方向性を示すことができる可能性を秘めています。

しかし、彼の思想を現代社会に適用するためには、誰もが、社会の状況や個人の特性を考慮し、個人が自ら具体的な行動計画を立てて行動することが必要です。

ただ、個人的に体験したことでもありますが、あらゆるものを失い、喪失感に苛まれ、うつ状態に陥っている時は、何も行動できず、世界の誰からも愛されていないと感じ、孤独で、寂しく、落ち込み、苦しい時間です。意欲も湧かず、無気力に惰性で過ごさざるを得ない、そんな時期を過ごさざるを得ないこともあります。

レジリエンスが大事、と言われますが、自己責任と言われているようで、抵抗を感じます。ただ、いったん、レールから外れた自分が、外界を見渡すと、その時はどれだけ日々快活な顔をしながらやっていたとしても、その裏で、非常に緊張しながら、恐る恐る人に仕事に組織と関わっていたのか敏感になります。

コロナ禍で、多くのサービス業が休業状態になり、そうした個人が大量に発生しましたが、それは、ドラッカーが記した1920年代のドイツと似た状況だったのかもしれません。

ドラッカーの言葉が示すもの:社会の重要性と現代社会への示唆

ドラッカーの今日のテキストは、人間が単独で生きていくことはできず、社会という共同体の中で生きていくことがいかに重要であるかを力説しています。

この文章の核心

  • 社会の必要性: 人間は生物学的にだけでなく、社会的な存在としても生きていくために、社会を必要とします。

  • 社会の定義: 単なる集団ではなく、共通の価値観、規律、権力、そして相互の関係によって結びついたものが社会です。

  • 社会崩壊とパニック: 社会が機能しなくなると、パニックが生じ、社会そのものが崩壊する危険性があります。

  • 社会の回復: 社会を立て直すためには、共通の価値観や秩序を再構築する必要があります。

この言葉が示す現代社会への示唆

この言葉は、現代社会が抱える様々な問題に対して、重要な示唆を与えてくれます。

  • コロナ禍や経済危機: これらの危機は、社会の脆弱性を露呈させ、人々の不安や不満を増大させています。

  • グローバル化と価値観の多様化: 世界がますますつながる中で、価値観の多様化が進み、社会の共通基盤が揺らいでいる状況があります。

  • ポピュリズムの台頭: 社会の不安や不満を煽り、単純な解決策を提示するポピュリズムが台頭する傾向が見られます。

これらの状況は、ドラッカーが指摘した「社会の崩壊」につながる可能性をはらんでいます。

ドラッカーの視点から見た現代社会の課題

  • 社会の機能不全: パンデミックや経済危機は、社会の基盤を揺るがし、人々の不安や不満を増大させています。

  • 価値観の多様化と規範の希薄化: グローバル化や情報化は、価値観の多様化を加速させ、従来の社会規範が機能しにくくなっています。

  • リーダーシップの欠如: 社会の危機に際し、人々を導き、共通の目標に向かって協力させるリーダーシップが求められています。


経済人が考えるべきこと

経済人として、この言葉から何を学び、どのように行動すべきでしょうか。

    1. 社会全体の持続可能性を重視する:

      • 短期的な利益追求だけでなく、長期的な視点で社会全体の持続可能性を考慮した経営を行う。

      • 環境問題、社会問題への取り組みを強化し、企業の社会的責任を果たす。

      • 地域社会との連携を深め、地域経済の活性化に貢献する。

    2. 多様な価値観を尊重し、共存できる社会を築く:

      • 従業員の多様性を尊重し、インクルーシブな職場環境を整備する。

      • 異なる価値観を持つ人々との対話と協働を促進する。

      • 社会全体の共存共栄を目指し、多様なステークホルダーとの関係構築を図る。

    3. リーダーシップを発揮し、社会変革を牽引する:

      • 組織内部だけでなく、社会全体に対してビジョンを示し、人々を鼓舞する。

      • 新しい価値観やビジネスモデルを創出し、社会変革を牽引する。

      • 社会課題解決のためのイノベーションを推進する。

    4. 教育と人材育成に投資する:

      • 従業員のスキルアップを支援し、組織全体の競争力強化を図る。

      • 地域社会への教育貢献を行い、次世代を担う人材育成に貢献する。


まとめ

今日のドラッカーの言葉は、社会の重要性と、社会が直面する課題を改めて認識させてくれます。経済人は、社会の一員として、社会全体の持続可能性と発展に貢献する責任があります。

この文章から得られる教訓

  • 社会は、単なる集合体ではなく、共通の価値観や規律によって結びついた有機的な存在である。

  • 社会の崩壊は、個人の生活にも大きな影響を与える。

  • 経済人は、社会の安定と発展のために、より積極的な役割を果たす必要がある。

最後に〜具体的に経済人であるあなたができること

  • 社会課題解決型のビジネスモデルの創出: SDGs達成に貢献する製品やサービスの開発、社会起業など。

  • ステークホルダーとの共創: 顧客、従業員、地域社会、政府など、様々なステークホルダーと連携し、社会課題を解決するためのプラットフォームを構築。

  • 企業文化の変革: 多様性と包容性を重視し、社員が主体的に社会貢献活動に参加できるような企業文化を醸成。

  • サプライチェーンの透明化: 倫理的なサプライチェーンを構築し、人権や環境問題への配慮を徹底。

これらの取り組みを通じて、経済人は社会の変革を促し、より良い未来を創出することができます。今年も残り数日。最後までやってきましょう。


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