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8月19日 Entrepreneurial Judo 柔道戦略


#8月19日 
#Entrepreneurial_Judo
#柔道戦略

オリンピック、日本のお家芸といえば「柔道」ですね。ですが、「柔道戦略」っていうのは、ドラッカー、ゴールドラット、ミンツバーグ、ポーターら戦略の本には出てくるけれど、ビジネスの現場では「じゃあ、今回の案件は「柔道戦略」で行こうぜ」なんて言葉は使ったことがないんですが、なぜなんですかね?言わないだけ??

柔道戦略は、1985年の『 #イノベーションと起業家精神 』では、17章「手薄なところを攻撃すること」379〜390ページに記されていて、高く評価しています。

 産業や市場においてリーダーシップと支配力を獲得することを狙いとしたあらゆる戦略のうち、起業家的柔道こそ、ずば抜けてリスクが小さく、成功する公算の最も大きな戦略なのである。

同書、381ページ

 柔道戦略は、限定された市場に最適の製品やサービスを設計する。しかも、リーダー企業がこのゲームで反攻することは決してない。新規参入者によって支配権を奪い取られるまで、それまでのやり方を変えようとすることさえほとんどない。この起業家的柔道が特に成功しそうな状況は3つある。

(1)すでに地位を確立しているリーダーが、予期せざる成功や失敗を見過ごしたり、無視したりした場合である。ソニーがトランジスタラジオに利用して市場を手に入れたのはそのおかげ。

(2)コピー機市場を制覇していたゼロックスの失敗のような場合。日本企業は、歯科医、医師、学校の校長といった小さなオフィス用のコピー機を提供して市場参入した。ゼロックスが得意とし、誇りとしていた機能・性能には対抗しようとせず、小さなオフィスが欲しがるもの=安いコストの単純なコピー機、を提供した。そして、この市場で地歩を固めるや、他の市場に移り、次々に細分化された市場それぞれに最も役に立つ製品を提供していって、市場を制覇した。

(3)市場なり産業の構造が急速に変化している時。ドイツのファミリエンバンクの事例。一般の人たちが伝統的な貯金やローンを超えて新しい金融サービスを欲しているときに提供して市場を奪った。Googleはマイクロソフトの「インターネット・エクスプローラ(IE)」が2008年、市場の95%シェアを席巻しているときに、検索速度の速さとセキュリティに秀でた Chromeを投入、14年後の2021年シェアは7割に達している。マイクロソフトは2021年IEのサポートを終了した。

「起業家的柔道は、常に市場志向であり、市場追従である。」

同書、388ページ

#柔道戦略はリーダーの地位にある者の隙を突く


 柔道の名人は相手の得意技を熟知している。相手がその技を使うことを察知する。その技がいかなる隙を生むかを予期する。その隙をつくことによって相手を倒す。
 事業においては行動はパターン化する。事業における柔道家は、リーダーの地位にある者の得意技に隙を見つける。日本企業はこの方法によって、家庭用電子機器、工作機械、自動車、コピー機、ファックス機の市場でリーダーの地位を得た。いずれも戦略は同じだった。アメリカ企業が得意とするものの隙をついた。
 アメリカ企業は、高級品市場の利益幅を狙って一般市場をなおざりにした。そこへ日本企業が単機能の低価格品を持ち込んだ。アメリカ企業は戦おうとさえしなかった。しかし普及品で成功した日本企業は、そこで得た豊富な資金を使って、高級品市場に進出した。こうして二つの市場のいずれをも手にした。

(『イノベーションと起業家精神』)、eラーニング教材『起業・新事業戦略』)


ACTION POINT

#競争相手の得意技を研究し
#相手が手を抜いているところに機会を見出してください

ライバルの隙を突いて、お客さまから支持が得られるように行動する。整体院はコリをほぐす場所、だけじゃなくて、ダイエット支援もできるところだ、と言って市場拡大している若い整体師が伸びている。これも1つの柔道戦略だ。そういう目でみれば、市場は隙だらけ。機会だらけ。チャンスだらけだ。今日もやっていこう。
#ドラッカー
#365の金言


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