
10月16日 Legitimate Power in Society 権力の正統性〜石原莞爾とドラッカー〜
おはようございます。今日も #ドラッカー #365の金言 から人生と経営を考えていきたいと思います。
本日 #10月16日 のテーマは、
#Legitimate_Power_in_Society ( 社会における正当な権力)
#決定的な権力が正統性を欠くとき社会は社会として機能しない 。
権力の正当性は、人の本質と目的についての理念によって規定される。正統な権力とは、社会のエトスによって正当化される支配権である。もちろん、いかなる社会にも、その社会の理念とはかかわりのない権力が多数存在する。人間存在の目的にかかわりのない組織も多数存在する。自由社会には無数の自由ならざる組織が存在し、平等社会にも無数の部平等が存在し、聖人社会にも無数の罪人が存在する。
しかし、ある社会が自由社会、平等社会、あるいは聖人社会として機能することができるのは、われわれが支配権と呼ぶ決定的な社会権力が、自由、平等、あるいは聖性を標榜し、諸々の制度がそれらの実現のために機能している間のみである。ここにおいて、制度的構造が正統な権力の構成要件の一つとなる。(『産業人の未来』)
ACTION POINT
#イラクにおけるフセイン後の正統な権力を考えてください 。
#どのような自由ならざる制度 #平等ならざる制度が残ると考えますか 。
うーん、今日のテーマも本文も難しいですね。ここだけでは正直何のことかよくわからない。
今日の引用元、ドラッカーの「産業人の未来」( The Future of Industrial Man, 1942)は、「経済人の終わり」(1939年)に続く1942年に記された2冊目の書。
内容は、解説によれば、
ファシズム敗退後の戦後平和経済の建設のあり方を明らかにした野心作。来るべき産業社会が、戦後世界において経済発展と社会的偉業の数々をもたらすであろうことを見通した一冊。
1942(昭和17)年といえば、第二次世界大戦のさ中。そして、ほぼ同時期(1940年)に満州事変を指導した参謀・石原莞爾は「世界最終戦論」を記しました。彼は武官時代、1922年にドイツ駐在し、第一次大戦が総力戦、産業戦争であったことを知り、日本も次に到来する、この総力戦を勝ち抜くためにもすぐに重化学工業の充実に取り掛かり、産業社会化すべし、と提言していたのに対して
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%9C%80%E7%B5%82%E6%88%A6%E8%AB%96
ドラッカーも石原と同じく「産業人の未来」のなかで、産業社会とその未来を見ていたが、それは最終戦争を勝ち抜く目的ではありませんでした。
ドラッカーは、産業化、大企業中心社会の到来に困惑する個人の隙をついて、ナチ主義、マルクス主義の全体主義者たちが、個人から自由を奪い、束縛と征服を基礎として、指示命令による機能的産業社会発展の試みに対するものである。産業社会において、産業が発展し、機能するためには、個人への抑圧ではなく、むしろ、逆に個人により多くの自由、社会的地位、機能を与え、活躍できるよう正当に制度システムを整えることであると指摘していました。
さらに
「自由で機能的な社会を建設するには、産業社会の中心たる工場を自由で自治的な共同社会に発展させることである。工場がメンバー(=社員)たちに社会的地位と機能を与える時にのみ、産業社会は機能できる。そして、工場内の権力が成員の責任と決定に基づく時にのみ、産業社会は自由たりうる」と説いた。
この「現場中心主義」「工員中心」の「工場マネジメント」の考え方は、ゼネラルモーターズから会社組織の変革と再建に関する調査のオファーにつながっただけでなく、ソニーやダイエーなどわが国の多く企業に影響を与えたのではないか、と思います。
第一次大戦後、ドイツで欧州の産業社会に総力戦を見た石原莞爾は、さすが軍人として先見の明がありました。総力戦を見据え、産業社会化を進めよ、という視点から満州支配、そして、産業化を目論んだのでしょう。しかし、その産業化の動力は個人を抑圧し、一挙手一投足を管理するファシズム全体主義的なものでした。
一方で、ドラッカーは、産業人の目線で、さらに、産業社会において到来するファシズム総力戦とその敗戦後に到来する未来に目を向けていました。その基礎には個人の自由を尊重した自由・平等を基礎とした社会を想定していました。
個人を抑圧する組織ややり方は、パワハラやいじめ脅迫など今も残っていますが、どちらの方法がより機能するかは、すでに明らかです。
今日もやっていきましょう。
こんな話もお好きかも↓
いいなと思ったら応援しよう!
