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保守とリベラルとの攻防が論じられ始めているが、組織は? 2月10日 Modern Organization Must Be a Destabilizer 不安定要因たるべき現代組織

今日の #ドラッカー365の金言 、元のテキストは、『 #イノベーションと起業家精神 』『 #すでに起こった未来 』『 #未来への決断 』より

今日の提言は、「組織は不安定要素をなくせ」ではなく「不安定要因を持っていなくてはならない」という一見矛盾したような話です。

安定を維持するために、人間は保守的な制度を維持しようとするわけですが、保守的な制度を維持するために、あらゆることを先送りしていては、時代遅れとなってしまう、そのジレンマを抱えることで、起業家精神を持ったイノベーターがイノベーションを起こしていくことをドラッカーは推奨しています。

「現代の組織は不安定化要因でなくてはならない」

動的非平衡にある社会だけが安定性と結束力を保持する。

社会、共同体、家族はすべて保守的な制度である。それらは安定を維持し、変化を防ぐか、少なくとも変化を遅らせることを試みる。しかし、理論や価値観、さらには人間の心の産物であるすべてのものが時代遅れになり、硬直化し、最終的には役立たずとなり、苦痛をもたらすこともわかっている。

しかし、トーマス・ジェファーソンが提唱したような「一世代ごとの革命」が解決策ではないこともわかっている。「革命」は達成や新しい夜明けを意味しない。それは、思想や制度の老朽化、破綻、自立更新の失敗から生じるものだ。制度 - 政府であれ、大学であれ、ビジネス、労働組合、軍隊であれ - が連続性を維持する唯一の方法は、その構造内に体系的、組織的なイノベーションを組み込むことである。
制度、システム、政策は、製品、プロセス、サービスと同様に、いずれ自己寿命を迎える。それは目的を達成したときにも、目的を達成しなかったときにも起こる。したがって、社会においても経済においても、公共サービスの機関においてもビジネスにおいても、イノベーションと起業家精神が必要とされる。現代の組織は不安定化要因でなくてはならない。それはイノベーション(革新)のために組織化されていなければならない。

アクションポイント:
・あなたが最後に新製品や新サービスを創造したのはいつですか?
・競合他社の模倣だったか、それとも本当に新しいアイデアを生み出したのですか?
・もう一度挑戦してみてください。

AI訳より

ところで、#文藝春秋プラス chにて「 #日本保守党 は、保守を偽装したリベラルである」と保守党を批判する論をジャーナリスト・ #長谷川幸洋 氏が述べている。

日本保守党は、自民党が左傾化したことに危機感を持った保守的な自民党支持層を取り込む戦略的なアドバルーンを掲げただけでの政党で、実際には「古き良き日本を再現する」=保守主義を実現するための政党ではない、と分析し批判しています。

とはいえ、「復古主義」が保守主義であり、それは、望むべきことなのでしょうか?むしろ、時代遅れの国家になってしまうのでは?日本保守党は保守政党ならば、安易な政府・与党批判を繰り返すばかりではなく、己が主張する保守主義にすれば日本国の将来が明るくなる展望や意義を語るべきだし、批判する側も、国益を拡大するためにすべきことを論じたらいいんじゃないかと感じます。

ドラッカーは、「安定を保守すれば良いのではなく、不安定さを抱える要素を抱えておくことで、イノベーションと起業家精神が生まれ、より良い社会や制度へと進化させていこうと自発的な動きが進むこと」を期待しています。

かつて、江戸幕府が終わり、明治になったばかりの日本は、まさに進化せざるを得ない時でした。その時にイノベーションを説く必要はありませんでした。西欧社会に追いつき、追い越し、国力を高めるためには、イノベーションを行なうしか道がなかったからです。しかも、当時は、士族の反乱、天皇の地位、憲法、議会、法律といった社会的なイノベーションを必要としていました。

また、太平洋戦争敗戦後も、挑戦するしかありませんでした。

2010年代以降、さまざまな震災や災害が起こりました。見舞われた福島から東北の沿岸部、熊本、そして、能登では、挑戦するしかありません。住民の方々を中心に起業家精神とイノベーションで、「新しい復興」を成し遂げようと取り組みが続いています。

ドラッカーは記しています。

政府であれ、大学であれ、ビジネス、労働組合、軍隊であれ、制度が連続性を維持する唯一の方法は、その構造内に体系的、組織的なイノベーションを組み込むことである。

日本では、国民の一人一人が、安全で居心地の良い旧来の考え方から抜け出て、既存の組織の内部において、あるいは、その外部において、進んで起業家隣、イノベーションを行おうとする空気を意識的に醸成する必要がある。そして、そのためには、起業家精神とイノベーションをもって、社会と経済の基本としなければならない。

『イノベーションと起業家精神』1985年版 日本向け序文より

この提言について、
ドラッカーが現代の日本の企業に対して、
今ならどんな助言をするでしょうか?

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