4月12日 Fake Versus True Leaders 本物のリーダー
おはようございます。今日も #ドラッカー #365の金言 からスタートしていきましょう。
本日 #4月12日 のテーマは
#Fake_Versus_True_Leaders (ニセモノのリーダー vs 本当のリーダー)
そして、金言は、、、
#1939年当時 、 #人々にできたのは望み祈ることだけだった。
拙著『「経済人」の終わり』もチャーチルに言及していた。敬意をもって扱っていた。今読み返してみるならば、私自身、チャーチルがリーダーシップをとることを願っていたことが明らかである。少なくとも私は、ルーズヴェルトの側近たちのように似非リーダーに期待したことは一度もなかった。
だが1939年には、チャーチルは可能性の一つにすぎなかった。70歳に近づきつつある無力な老人だった。熱っぽい口調にかかわらず、あるいはそれゆえに聞き手を退屈させる現代の預言者カッサンドラ、野にあっては偉大かもしれないが、2度破れた敗者にすぎなかった。今日振り返ってみるならば、1940年にいたってなお、ミュンヘンの男(チェンバリン)がダンケルク撤退とフランス陥落により首相の座を降りたあと、チャーチルが後継者と目されていなかったことには信じられない思いがする。
実に、1年後の1940年におけるチャーチルの登場こそ、『「経済人」の終わり』が望み、祈った道義的政治的価値の意味を確認するものだった。だが1939年当時、人々にできたのは望み祈ることだけだった。リーダーシップの欠落、信念の欠如、そして価値観と原則をもつ人物の不在、それが当時の現実だった。(『「経済人」の終わり』1969年版序文)
ACTION POINT
#直面することを避けてきた脅威にはどのようなものがありますか 。
タイトルのニセモノのリーダーとは誰か。そして、本物のリーダーは誰か。
1939年当時、独裁主義・全体主義国家を代表するリーダーとして、ナチスドイツのヒトラー、ソ連のスターリンが健在。
一方、全体主義側のリーダーに対して、自由主義・民主主義側のリーダーは、英国にはナチスに妥協を続ける弱腰のチェンバレンと怠け者と言われた米国大統領ルーズベルトしか居なかった。
それが、「1939年の欧州には、独裁者とニセモノのリーダーしか居なかった」というドラッカーの表現だと思います。
彼が本物のリーダー=チャーチルが英首相として表舞台に登場するのは1940年5月10日だからです。
ズデーテン危機
ところで、1939年ナチスドイツがポーランド侵攻し、第2次大戦が始まる1年前の1938年、チェコスロバキア解体させたナチスの侵略行動「ズデーテン危機」がありました。
“まずオーストリア併合によって勢いづいているズデーテン・ドイツ人にドイツ本国から大々的な支援を送り、自治運動を展開させた。さらに宣伝機関によって「圧迫されているズデーテンのドイツ人」という宣伝を国内に流し、ドイツ世論をも勢いづけた。しかしチェコスロバキアはドイツの動きを察知すると軍の動員を行う強硬姿勢を見せた。ドイツ国防軍の見通しも慎重であったため、ヒトラーは一旦侵攻を見送った。しかし、この事で小国チェコスロバキアがヒトラーに勝利したという新聞報道が各国で行われ、ヒトラーをチェコスロバキア問題への対応に駆り立てることになったという観測もある[1]。ヒトラーは戦術を転換し、チェコのベネシュ大統領個人を、「ドイツとチェコの障害になっているのはドイツ人の民族自決権を認めようとしないチェコ側の態度である」とした恫喝的演説を繰り返した。さらに、「事態をこのまま放置しておけばヨーロッパ中がチェコの頑迷の巻き添えを喰らうことになる」などと、ラジオと映画をフルに使って恐怖を煽り立てた。そのためズデーテン危機は欧州の重要な問題となり、ヒトラーが対チェコスロバキア宣戦を行うという観測が強まった。“
この後、どうなったか。
ズデーテン地方は、イギリス、フランス、イタリア、ドイツの首脳が出席したミュンヘン会談にて、ドイツ系住民が多数を占めるズデーテンの自国への帰属を主張したドイツのアドルフ・ヒトラー総統に対し、イギリス・フランス両首脳は、これ以上の領土要求を行わないことを条件に、ヒトラーの要求を全面的に認め、1938年9月29日付けで署名された。
英チェンバレン首相のナチス独ヒトラーへの妥協がその後の戦乱拡大につながった、というのが現代の評価です。
なぜなら、実際、ズデーテン地方を割譲されたチェコスロバキアは、国民が諦めムードとなり、分裂、民族紛争が絶えず、翌年ナチスドイツに侵略併合されてしまったという歴史があるからです。
さて、この1938年のナチスドイツ・ヒトラーがチェコスロバキアへの恫喝、ズデーテンのドイツ系住民への圧迫に対抗する、という名目での対チェコスロバキア侵攻、侵略という流れは、最近あなたも見た覚えがあるのでは???
1938年ナチスドイツのズデーテン地方侵攻併合と2022年ロシアのウクライナ侵攻との共通点
そう。まさに同じ理屈で2014年クリミア侵攻して以来、8年間ウクライナを攻撃し、そして、2022年2月24日にドネツク州・ルハンシク州に住む親ロシア系住民がウクライナ人のネオナチからの保護を名目に侵攻したロシア・プーチンによる侵略です。
それ以前に、チェチェン侵攻、シリア侵略など、2000年以降、米政権がロシアの行動を問題視せず、問題視したとしても、妥協し続けてきたことがナチスに英が誤ったメッセージを送ったが如く、これまでロシアに誤ったメッセージを米国が送ってきたことになり、それがウクライナ侵略、という今回の出来事にまで拡大されたのではないのかな??。
84年前の歴史は「ミュンヘン会談」の結果、チェコスロバキアがどうなったか、すなわち、現在のウクライナ侵攻の結果を予言しては居ないだろうか?
で、84年前はこうなりました。
チェコスロバキアは要塞線やシュコダ社の軍需工場をはじめとする工場地帯を失い、ドイツに抵抗する力を無くした。1939年3月にはドイツの策動により、チェコスロバキアからスロバキア、カルパト・ウクライナが独立。スロバキアはドイツの保護国に、カルパト・ウクライナはドイツの同盟国ハンガリー王国に編入された。残ったチェコもドイツの要求に屈し、併合された。
もちろん、全てが歴史の繰り返しとなる、という訳ではありません。我々は歴史から学び、新しい未来をつくる力があるからです。
ですから、今回のロシアの侵略行動をみても「ロシアも悪いけど、ウクライナも悪いよ」みたいな意見には賛同できません。なぜなら、ロシア軍が他国領土であるウクライナ国境を超えて侵攻し、武器を持っていないウクライナの政治家や一般のウクライナ人を虐殺している事実を見ていないからですし、現在のロシアの行動を肯定することは、かつてのナチスドイツの行動を肯定するのと同意ではないでしょうか。
どんな理由であれ、虐殺、民族洗浄、は許されることではありません。ここは誰しもが揺らぐことのない人類不偏の価値観ではありませんか。
こちらの記事によれば、
ロシア国営メディアRIAノーボスチは、ウクライナ国民=ナチス国民。だから、非ナチ化、根絶のためにはウクライナ民族の全滅を肯定する論調となっています。
ロシアがこの論調を根拠にウクライナ攻撃をしているとしたら、たとえウクライナの首都キーウ攻撃からは一旦撤収(4月6日現在)としても、体勢を整えて、あらためて攻撃をするでしょうし、ウクライナ人をウクライナ領土から追い出すまで戦争は終わらないということになるでしょう。
ネオナチとレッテル貼りさえすれば、異民族は絶滅させても良いという論理を良いとできるのでしょうか?
日本にとって、「対岸の火事」と思えるようなウクライナ戦争ですが、こんな発言もあり、
ロシアの拡張主義への対策を整え、最悪の事態が訪れないよう準備する必要があります。
今日のACTION POINTは難しく、そして、重要です。
#直面することを避けてきた脅威にはどのようなものがありますか 。
戦争や巨大な国家に対して、出来ることは限られています。そして、声を上げることによって、ファイリングされ、今後の人生に不利益なことが起こってほしくないと誰もが思うものです。
ですから、ドラッカーがナチスに対して行なったように、現実を直視し、フェイク情報に惑わされぬよう「民間防衛」から始めたいと思います。今日を変えていこう。愛を込めて。