21日火曜日です。今日の #ドラッカー #365の金言 テキストは、1983年「フォーブス」誌掲載の記事「 #シュンペーターとケインズ 」より。1994年発行『 #すでに起こった未来 』の72ページに収められています。
ドラッカーは、利益とは何かについて、こう記しています。
それは、労働者から盗まれた「剰余価値」ではありません。逆に、それは労働者の雇用と労働収入の唯一の源です。またイノベーションによって既存資本は時代遅れとなり陳腐化され、損金計上されるため、利益はビジネス存続と成長のための再投資の原資と考えるべきだ。
たとえ今、儲かって利益が出ていても、将来は役立たずとなる。だから、イノベーション投資し続けなくてはならないということでしょう。
例えば、IBM。
90年代、企業の基幹システムは、IBMらの大型コンピュータで動かしていましたね。そのIBMも現在ではメインフレームなど、ハードウェアを売っていた時代から大きく変化し、クラウド上でシステムを構築し、サービスやコンサルティングとして稼ぐ時代にシフトしました。
2010年以降の売上高はグラフを見る限り、好調とは思えません。特に、ここ2年はクラウドサービスをキンドリル社に分社化したせいか、半減のままです。
では、2019年に分社化したクラウドサービスのキンドリル社が好調か、というと、そうとも言えません。
2019年度に比べ、2024年は4,000百万米ドルもダウンしていて、AWS(Amazon)との厳しい競争にさらされ、こちらも苦戦が伺えます。
もちろん、IBM社も変化の激しいIT業界で、いったんは覇者として君臨した時代があり、イノベーション投資もおこなってきたに違いありません。
にもかかわらず、97年をピークに30年後の現時点では、新興勢力のAWS(Amazon)に後塵を配してしまっているのは、どうしたことか。
栄枯盛衰を感じざるを得ません。
2015年に発刊された『倒れゆく巨像』はそのヒントなのでしょう。
本書のレビュー欄の1つは痛烈だ。
2年前には、利益第一主義へのアンチテーゼ的に伊那食品工業の言葉を引用させてもらった。
しかし、そうも言ってはいられない。
すでに多くの経営陣の中には、「イノベーション投資を怠れば、次世代での食い扶持を失ってしまう」と危機感で溢れている。ましてや人口減少時代なのだから、国内市場を主に活動している企業は年々市場が縮小するのを、肌で感じざるを得ない。
高齢を理由に廃業・転業する中小企業も少なくない。
明日の食い扶持はどっちだ?