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問題解決よりも大事なこと。7月10日 Exploiting Success 成功の新展開

#7月10日  
#Exploiting_Success
#成功の新展開

#ドラッカー #365の金言

#チェンジ・リーダーとなるには問題を餓死させ
#機会を太らせなければならない


 変化を成功に結びつけるための最善の方法が、成功の追求である。もちろん問題を無視しえてはならない。深刻な問題には真剣に対処する必要がある。しかし、チェンジ・リーダーとなるためには、機会に焦点を合わせなければならない。問題を餓死させ、機会を太らせなければならない。
 そのためには、小さな、しかし根本的な変更が必要である。問題を列挙したこれまえの月例報告の最初のページの前に、新しい第1ページを加える。売り上げにせよ、利益にせよ、予想以上に成果をあげた分野に焦点を合わせたページである。そして、問題の検討に投じていたのと同じだけの時間を、それら新しい機会の検討に割く。
 チェンジ・リーダーとなるためには、機会に人材を割り当てることが必要である。そのための確実な方法の一つが、一方で機会を列挙し、一方で有能な人材を列挙することである。機会の重要な順にそれらの有能な人材を割り当てていく。そのよい例がソニーだった。同社はこれまで、大小とりまぜ、成功のうえに成功を重ねることによって、多様な事業で世界のリーダーとなってきた。

(『明日を支配するもの』)

ACTION POINT

#月例報告には
#売上げにせよ
#利益にせよ
#予想以上に成果をあげた分野に焦点を合わせたページを毎月用意してください

#最も有能な人材のリストを用意しておき
#彼らを機会に割り当ててください

本日のテキストも、1999年刊行『明日を支配するもの』からの引用です。そして、本書には、 #チェンジ・リーダー なる聞き慣れない単語が出てきています。

 変化はコントロールできない。できることは、その先頭に立つことだけである。(中略)急激な構造変化の時代にあっては、生き残れるのは、自ら変革の担い手、チェンジ・リーダーとなる者だけである。
 従って、このチェンジ・リーダーとなることが、あらゆる組織にとって、21世紀の中心的な課題となる。チェンジ・リーダーとは、変化を機会としてとらえる者のことである。変化を求め、機会とすべき変化を識別し、それらの変化を意味あるものとする者である。

同書、82ページより

 今日のような乱気流の時代にあっては、我々は、自ら変革の担い手=「チェンジ・リーダー」となるしかない、とドラッカー。具体的には「第3章 明日を変えるのは誰か」の92〜94ページから。

 この、 #問題解決よりも機会発見 、という言葉は、ドラッカーが60年近い前に発表した『創造する経営者』に記された金言です。

 2、企業の成果は、「問題」を解決することによってではなく、「機会」を開発することによって得られる。 
「問題(problem)」を解決することによって得られる望みがあるのは、「正常性」の回復だけで、当該企業の成果達成能力の妨げとなっていたものが取り除かれるのがせいぜいである。成果そのものは、「機会(opportunity)」を開発することによってのみ得られるものであるのは、間違いない。

 3、成果を得るには、資源を「問題」に対してよりは、「機会」に対して配分しなければならない。
 
言うまでもなく、「問題」を全く無くしてしまうことはできない。しかし、できるだけ数少なくすることはできるし、また、そうすべきである。
 経済学者は、企業における「利潤(益)の極大化」について、大いに語っている。これは、数知れないほどの批判者が指摘してきたように、非常に曖昧な概念なので、意味がないほどである。しかし、「機会の極大化」と言う概念は、起業家的な仕事についての意味ある、全くのところ正確でも定義なのである。「機会の極大化」と言う定義は、能率(efficiency )と言うよりは効率(effectiveness) の方が、企業においては本質的に重要であるという、意味合いを含んでいる。つまり、すでに決まった仕事を正しく果たすには、どうしたら良いかと言うよりは、これから果たされるべき当を得た仕事を発見し、それらに対して資源と努力を集中するには、どうしたら良いかが、経営者にとって適切な問い方なのである。

『創造する経営者』15〜16ページ(1964年版)


 最近は、コンサル案件でも問題解決ばかりでした。実際は、機会発見、見込み客を集める方が成果につながります。問題を先送りせよ、とは言いませんが、成長分野や見込み客の発見に少しの予算と資源を割いてみてはいかがでしょうか。

今日を変えていこう。愛を込めて。

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