勝てていたあなたの会社が直面する超スピード社会にどう対応すべきか? 1月14日 The Managerial Attitude マネジメント的視点が鍵
14日火曜日です。今日の #ドラッカー356の金言 は「 #新しい社会と新しい経営 」(1949年発刊 日本語版は1957年初版)より。ドラッカー全集 第2巻 5章 #産業秩序の問題 : #工業社会 #経営者的態度の要求 183~189ページより。
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日本の産業の強みは、企業規模のかかわらず、働くすべての方々の「人の強み」「人間力の強み」です。今日の提言は、1957年に日本語版が発刊された『新しい社会と新しい経営』に記されたものです。
前述の通り、未来工業創業者の故山田会長がおっしゃていたのは、「なんだかんだ言っても、儒教の教えが浸透しとる間は従業員教育は大丈夫」。
山田氏の言う儒教の教えとは、リーダーの「徳」によるマネジメントであり、マネジメントが「十思」に従う姿勢を実践することで、従業員や社会が「長幼の序」を守り、マネジメントに従っていくことを理想としたわけです。徳の優れた君主がいれば、小人(大衆や組織)が付き従っていく。小人が付き従っていかず、逃げていき、組織が弱体化するのは、君主(リーダー)に徳が足りないからである、とする教えです。
この考え方は、今でも多くの伝統的な企業や政府・政党が明示しないまでも、裏の理屈としては採用している考え方のように感じます。
しかし、一旦、支配権を得てしまうと、驕りが出て、志から外れた行為が繰り返されます。すると、人々が平和と安静を望んでいるのに課役が止まず、人々は疲弊・困憊しているのに、支配者の無駄で贅沢な仕事は止みません。国の衰亡は、常にこれによって起こります。
これは戦後日本でも同じで、戦前の無能で愚鈍な軍部が敗戦で崩壊して、戦後民主主義の社会が歓迎されましたが、いつの間にか、公共投資や海外投資からのキックバックなどの汚職は著しくなり、政治不信が叫ばれるようになり、国民は政治への失望からか、総選挙の投票率はどんどん下がり続けています。
現在も与党自民党・公明党ら政党・政治家の汚職や裏金によって国民の支持率が落ち、与党だけでなく立民・共産までも進める無駄で贅沢なNPO関係の仕事やら男女共同参画などに防衛費よりも巨額の公費が投じられ、人々は平和と安静を望んでいるのに可処分所得はどんどん減らされ、課役は止まず、むしろ、課役が増え続けているところに、さらにインフレで人々は疲弊・困憊しているのに、行政の無駄で贅沢な仕事は止みません。今の自民・公明を与党とする体制は、末期的と指摘されるところです。
企業でも、無能な一族で支配されていた会社(例えば、某大手製紙会社など)から経営陣が一掃され、新しい経営陣が任命されると、従業員は、新しい経営者に期待し、将来に夢を託して、皆が新しいリーダーのもと、一丸となって苦境を乗り越えよう、と結集するから、苦境を脱するのは、予想していたよりもそう困難ではありません。
楽ではないものの、前経営者の遺した悪癖を1つ1つ克服していくのも、また従業員にとっては、やりがい、生きがいが感じられるため、V字回復に至る企業も少なくありません。ただ、問題は、一旦目標に到達したあとです。それを守成していくことはしんどいのです。
某製紙会社の場合:
1、企業業績
2011年9月16日、事件発覚前後の2期赤字決算となるも、13年2月28日前会長の控訴棄却で懲役4年が確定した13年度から当期利益は黒転し、以降、23年3月期まで10年連続黒字となりました。
しかし、一旦目標に到達した緩みもあったのか、原油価格の高騰など想定外のインフレの影響でしょうか、原価率が73%から83%近くと10ポイント近くも高騰。23年3月期には347億もの巨額赤字。以降厳しい舵取りが続いています。25年3月期(予)もインフレによる原価率の上昇の影響を受け、営業利益20%減と厳しい見込みです。
2、株価推移
プロスポーツの世界でも、連覇が難しいのは、そう言うわけでもあります。一旦優勝という目標達成すると、チームは解体。新チームでゼロから、というものの、緩みや驕りから自滅してしまいがちです。
ただ、長年、業界をリードしてきたリーダー的存在の企業や組織は、その難しい「守成」を続けています。彼らは、一度トップに立ったから、と言って驕ることも緩むこともなく、常に顧客に向かい、多くの関係者からの声に耳を傾け、私利私欲を優先した贅沢などせず、改善やイノベーション投資を怠らず、より良い製品・サービスの提供に努め続けています。
さて、ドラッカーが記していたのは、個人の強みの集積は、個人の総和よりも大きな組織の強みにすることがマネジメントの役割であるとしたものである、と言うこと。
つまり、
「1個人+1個人=2個人」よりも
「1個人+1個人<1組織」になるように、個人の強みを、組織の強みとなるようマネジメントは経営していこう、と記していたと思います。
例えて言えば、2024年のLAドジャースのようなチームです。MVPトリオ、と呼ばれたスーパースターのベッツ、大谷、フリーマンの3選手がリーダーとしてチームを牽引し、シーズン勝率1位。さらに、ポストシーズンを勝ち抜き、ワールドチャンピオンへと駆け上りました。
彼らの組織力の強さは、個々人の強み、即断即決の判断をドジャースというチーム組織の勝利に繋げるべく貢献したことにあります。
日本企業や組織は、これまで、個々人の強みを殺して、チームに同化させて、マネジメントの指示命令に忠実に動かすことで国際競争に勝利してきました。典型的な例は、1964年東京五輪の女子バレーボールチームです。大松監督のもと、彼の指示命令に忠実に動く「職人」のような選手を配置して、純度を高め、ミスを減らすチームづくりで勝利してきました。
しかし、現場が即断即決が求められるほどスピードアップした現代では、「職人」を仕込んで純度を高めるやり方は、時間もコストもかかり、非効率とされた上、指示命令に従うだけで、柔軟に判断に欠ける人が集まる組織は競争に勝てなくなりました。
個々人の個性を殺すのではなく、活かして、チーム全体の戦略を即実行活用するのが、現在のトレンド、と言えるでしょう。
LAドジャースが個々の選手の長所を活かし、強敵ヤンキースの弱点が守備と走塁にあることを突いて勝利したワールドシリーズは、その象徴とも言える戦いでした。
ということで、
「チーム一丸」という言葉は同じでも、
没個性にした、かつてのマネジメントではなく
対戦相手の弱点を知り、個々人の強みを活かすチーム戦略が
短期戦では功を奏すると考えられます。
期末まで残り2ヶ月半、残り期間、チーム戦略でやっていきましょう。