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1月1日 リーダーの真摯さ

#ドラッカー #365の金言 #リーダーの真摯さ #組織の精神はトップから生まれる #ヘッドハンティングされたならば先方のトップの人となりを見てください #仕事は真摯な人たちとしてください #真摯ではなく誠実という安冨歩説を取りたい #IntegrityOfCharacterの訳はかつての高度経済成長期ならば真摯で合っていたけれど現代は人間性或いは人としての誠実さの方がしっくりくる

大好きな一冊がこちら「ドラッカーと論語」安冨歩 著。

今朝のタイトルにある「真摯さ」という訳がいきなり問題に。原文は ”integrity of character”

上田氏がエッセンシャル版で ”integrity of character”  を「真摯」=仕事の取り組み方に真面目、という訳をとっていたことに対して、ドラッカーの本意は、人格的な真面目さ、なのでは、と指摘した安冨氏。しかし、上田氏の「真摯」という訳でなければ、これほどまでに「マネジメント」をはじめとするドラッカー著書が多くの日本企業に受け入れされなかったのでは、と安冨氏は指摘する。

確かに「真摯」とは、

まじめで熱心なさま

であり、「誠実」とは、

私利私欲を交えず、真心を持って人や物事に対するさま。

同じまじめでも、前者が仕事の取り組み方、に対して、後者は、人格に関することと記す安冨氏の説は鋭い。

というのも、現代日本は「立場」が支配している社会だからである。この立場イデオロギーに沿って活動するためには、オリジナルのドラッカーではやっていけないのである(ドラッカーと論語 238頁)
考えてみれば良い。日本の組織において、もし誰か本気でドラッカーを読んだら。ドラッカーの教えに従い、自分の人格の完全性と統合と一貫性とを守り、思想・信条・原則を重視して仕事をすると、いったいどうなるだろうか。その人は、ほぼ確実にトラブルの連鎖を起こして、総スカンを喰らうことになる。そして「わがまま」だと言われ、袋叩きにあって窓際へと放逐されてしまうだろう。日本の組織において成功をおさめるには、自分自身をさておいて「立場」に相応しい振る舞いをする必要がある。いやむしろ、自分自身の考えや信条や信念や原則や関心や興味を、積極的に棄てて掛かることが、何よりも大切である。そうやって、自分を捨てて仕事に一心に取り組む人を、「真摯」だというのである。これが日本社会の立場イデオロギーであり、そうしなければ、人々の尊敬を集め、経営者として成功することはあり得ない。そういう真摯な立場主義者の集積によって初めて、日本の組織は機能する。それは会社に限ったことではない。(ドラッカーと論語 238-239頁)

元旦一発目、そして、まだタイトルの一単語に触れただけなのに、これだけの論が噴出する。ドラッカー恐るべし。そして、ドラッカーの訳1つをとって、日本社会を動かす原理・真理に迫る安冨氏の洞察力恐るべし。


安冨氏は、日本をとりまく社会変化によって、これまでの上田訳の「真摯さ」で仕事を進めてきた日本型の組織運営スタイルは賞味期限切れ、と指摘する。だからこそ、これからは「論語」に基づいてドラッカーを読み、解釈することで、ドラッカー本人が伝えたかった思想に触れられると上記の2冊で述べておられる、と。

さて、高度経済成長時の日本は47年ほど前の1974年に終焉、現在は、ステークホルダー重視の経営、経営者の人格はもとより、はたらくスタッフ含めて人間性を大切にしよう、社員幸福の追求こそ良き組織に繋がる、という人間の成長への理解が進んでいる。そんな2021年、あらためて「リーダーの真摯さ=誠実さ=人間性」を考え直す機会となった。今年1年間、本書を通じて、自らの”Integrity in Leadership” を磨いていければと思います。

今年もやっていきましょう。


  


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