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F=ma力学を活かすって何?〜岡崎市の和食店「魚信」さんのコロナ経営奮闘物語18〜(7月29日)

突然どうしちゃったのよ!?以下の続きです。

 「だから、第2波だよ。キツイよ〜」と西田さん 

そこで、今日は経営回復基調だった流れが一気にキャンセル増へと持ってかれちゃったのはなぜか、あらためて考えてみました。

なぜ魚信の4連休回復作戦が頓挫してしまったのか

 要するに、この世は物理の法則が様々なことを決定しています。物理の法則とは、ニュートン第2法則 F=ma  です。

 F(力)とは m(質量)と a(加速度)の積です。

 岡崎市民が感染不安を感じる力=F1 の方が、魚信さんが主張する「安心ですよ」、という力=F2 よりも相当大きくなっていたんですね。

 F1>F2となっているから、お客様の心の中にある魚信へ来店する意思力よりも、今回はやめとこ、というキャンセル決定力、の方が大きくなったということなんだと思います。 

経過を見ていきましょう。

 7月中旬、市内には、もう落ち着いた、大丈夫、という気持ちと「感染症疲れ」もあり、外食や旅行を楽しもう、という空気感がありました。

 それが一変したのが、7月18日〜22日に報道された某YouTuberによる岡崎市内での感染症拡大事件です。

読売新聞さんも

これによって、愛知、山口の観光地、特に山口県の錦帯橋周辺や神社まで次々に「営業自粛」や「検査実施」に追い込まれ、GoToどころではなくなりました。

特に岡崎市民の不安力が高まったのは、市民が頼りにしている愛知県警「岡崎署」で感染者が多数生じたことでしょうか。

報道が危機を叫べば叫ぶほど、自宅待機していた方がいい、という心理的な「F 1=力」の方が、魚信さんらが発信する「もう安心ですから、外食OKよ」という「F2=力」よりも相当大きかった、ということです。

 もちろん当日、ご来店くださったお客様も多数あったわけです。特に25日(土)は自粛後最高に近い来客数だったとか。

 不安なくご来店くださったお客様よりも「コロナ怖いからキャンセルしよ」というご予約のお客様の方が多かったため、400食もの大量の食材ロスとなる事態を招き、皆様にご支援ご協力を賜っている次第です。誠に面目なくそしてご支援くださっている皆様、誠にありがとうございます。

既に半数の100セットを超えるご注文支援を頂戴しております(7月29日午後9時現在)。残り100セット、何とぞご支援のほど、引き続きよろしくお願いします。

F=maって?

 前述したように、この世は「物理の法則」が様々なことを決定しています。今回のように人の心理も、この物理の法則から逃れることはできません。

それがニュートン第2法則 F=ma  です。

 F(力)とは、 m(質量)と a(加速度)の積です。

 この「F=ma」というニュートン第2法則を社是にしている会社が名南製作所さんです。

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1975年に発刊された「不思議な会社」(鎌田勝 著)は、ベストセラーに。

創業者の長谷川克次社長は、そのユニークな経営ぶりが注目を集め、多くの企業・団体から講演、企業見学が絶えない会社となり、業務に支障をきたすほどとなったそうです。

 同社の経営が参考になった、と語る人の中に、ある著名経営者がいます。

 全国のトヨタ自動車ディーラーで14年お客様満足度No1受賞するネッツトヨタ南国(高知市)創業者の横田英毅さん。

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 1980年にネッツ南国(当時、ビスタ高知)創業に当たり、「「F=ma」の名南さんは参考にさせていただいた」とおっしゃっておられました。

どうしたら、以前のようにご来店いただけるようになるのだろうか?打開のアイデアはあるのか?

「残念ながら、本日もキャンセルの電話が止まらない」と西田さん。

感染症拡大、第2波だ、と報道が広がっています。特に今回は、まさにお膝元、地元の岡崎で感染者が出ており、自宅待機となっている警察官もおられる。とある高校からも感染者が出た、というデマも横行するほど。

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コンサルタントの竹内謙礼さんが言われるように(この図は、こちらのHPから→  https://president.jp/articles/-/37102 )

つまり、今の岡崎市民は、上図でいうところの「感染が怖い」 1、2の層が増えている、と言えるのかもしれません。

しかし、魚信さんから見ると、

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岡崎市民には良識のないなどという2、4の方などいない。岡崎市民は皆良識があって、感染が怖い人と怖くない人という、 1と3の層のお客さんがいるだけだ、

という理解です。

↑ 上の記事にあるように今は様々な報道で少しヒートアップしているせいで、 1の「感染が怖い」という市民が増えているだけ、と考えているのです。

ですから、良識のある岡崎市民の皆さんがコロナの致死率や愛知県内での死者数の推移という数字を冷静に見つめ直せば、

より、

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愛知県の数字は、死者数35。直近では7月22日に1名亡くなってはいますが、県内の日本人とは?言えないようです。なぜなら、こちらの

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7月30日愛知県発表のデータからみると、7月に入ってのクラスターで亡くなった方はゼロなのですから。

これらの事実に基づいて、冷静に冷静に観察すれば、検査件数が増えているだけで、死者数はインフルエンザよりも肺炎よりも少なく「コロナなど恐るに足らないものだ」という事実に早晩立ち戻るものと信じています。

そこで、F=ma理論です。

現在は、F1=感染症が怖い、F2=恐るるに足らぬ、とすると、

 魚信さんにとっては、不本意ながら「感染症が怖い」と信じるF 1の力の方が、「恐るるに足らない」という事実を見るF2の力よりも大きいのです。

つまり、F1>F2、となっています。

ですが、F(力)は、m(質量) x a(加速度)です。Fを大きくしようとするなら、mの質量を大きくするか、aの加速度を大きくする、あるいは、その両方を大きくする必要があります。

魚信さんで言えば、mを増やすとは、物理的なものを増やすこと。店数を増やす、露出を増やす、社員を増やす、味方を増やす、設備投資する、みたいなことになろうかと思います。これはなかなかすぐにはできることではありません。

すぐにできることは、a加速度を上げることです。加速度を上げる、ということは、どういうことか。「不思議な会社」から引用すると次のとおりです(78頁より)。

努力すれば必ず成長する。力を加えれば、必ず加速度を生じ、スピードが上がって幾。努力し続けることが大切で、努力に時間をかけたものが、その人の立派なエネルギーとなる。ドンドン、スピードが上がるので、外から押したのではついていけなくなる。そこでエンジンのごとく自分の内部から力を加え続けなければ、すぐにくたばる、他人の助けで即ち外から加速しても長続きはしない。よく注意して思うに、生まれてこのかた、この長く力を押し続ける体験がほとんどないので、我々はこの法則を認めることが容易ではないのである。手から離れたボーリングの玉を、走っていってうしろから押してみると良い。

自分の内部から力が加わる。つまり、自発的な社員の行動変化です。言われて動くのではなく自ら動く。そうすると、どうなるか。「1を知って、10を知る」のように、生産性を高める、とか、他よりも素早く行動する、情報発信の頻度を増やす新メニューの投入、新しいことを始める、店内の掃除をきっちり行う、などによって、店内が「活気」づきます。「気」が良くなります。元気が出る場所で食事すると、自分も元気もらえるような、そんな気がします。加速度=店に勢いがつく、いうことです。

 社員の自発性が高まり、お店の「加速度」が上がれば、同じ店でも雰囲気が変わります。社風が変わります。勢いが出てきます。明るい空気感があるお店は、お客様を惹きつけるます。その自助努力は大切です。

 もちろん、今回の感染症の影響は、一中小企業が声を高らかに叫んだぐらいでは、多くの大衆が信じていることを短期間でひっくり返すことは難しいでしょう。数十億円広告費をかけて宣伝しても難しい。

ならば、どうするか?

次に心理学です。

人は変化に直面すると、人の心はある特定の移行曲線「トランジションカーブ」をたどります。(以下リンク先参照)

このカーブにしたがって人の心は変化するものだ、と知っていれば、適切な対応が取れるものです。

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 例えば、「がん」を医師から宣告されたときです。

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心理学者や説によって、拒絶→抵抗→探究→やる気、という4プロセスだったり、絶望→変化→再適応、という3プロセスだったりしますが、この心の立ち直り力のことをレジリエンスというらしいですね。

いずれにしても 最初の衝撃から1週間〜早くて3週間で病気と共に生きていく心の準備が整う、と言われています。

 良識ある岡崎市民の皆さんも、今は少しパニック的な反応で、宴席キャンセル、という行動をとられていても、3週間ほどで冷静に、感染症と共に生きていく、という現実を受け入れることとなるんだ、と分かっていれば慌てることはありません。

 もちろん魚信さんは医師ではないし、病気を治す処置はできないけれど、この感染症にあたり、前述の心持ちは、名医のように、お客様に寄り添うことが大切と感じます。

 「お客様の不安になるお気持ち、本当によくわかります。私も同じです。怖いですね。そこで、うちのできるだけのことをしよう、と、オゾンはじめ様々な店内安全対策をしています。社員の安全も、お客様の安全にも配慮して、こうした対策のもと、営業させていただいています。正直言って、自分達も、わが店から感染症が出た、とか、かかっている人が立ち寄った、ということから広がる風評被害が怖いです。でも、私たちは、食で市民の皆さんを幸せにするという使命感で営業させていただいています。現在でも十分ご安心して店内でお食事していただけると思いますが、落ち着いたら、またいらしてくださいね。待っていますよ」

そんなメッセージを発信していくことによって、今は利用できないけれど近いうちに必ず、という気持ちをお客様が持ってくださると嬉しいですね。

で、結論は?

1、お客様を信じて、岡崎市民を信じて、今は、お客様の心の回復レジリエンスを待つ。

2、来店くださったときに気持ちよく接客できるよう清掃、ホスピタリティ向上、新メニュー開発など改善に努める

3、店内のFの力を強めるために、加速度=社員の自発性、実力が発揮できる職場環境を整える。

そんな取り組みから突破口が生まれるものと思います。

そして、最後にもう1つ、ニュートン第3法則があります。

作用があれば、反作用も同じだけ返ってきます。キャンセルが増えても、その分注文の件数は同じだけ返ってくる。正く援助すれば同じように正く反応するものです。それが「作用反作用の法則」という自然の法則です。今日もお元気で!




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