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要注意な就職率という言葉

みなさん、こんにちは。今日は統計についてのお話です。就職率って知っていますか。現在、コロナショックで来年の就職率が下がると言われています。よく、就職率と聞くと「最近はいいんでしょ」って思うじゃないですか。平成31年度の就職率は97.6%と言われています。そこで、文部科学省の学校基本調査から個人的に定義した就職率を算出しました。そうすると、就職率は平成31年度で88%です。

ではなぜ、差異が生じるのか。それは就職率の考え方が違うからです。ここを見に来ていただいている多くの方は就職率の分母が卒業生全員と思っていますよね。では実際はどうなのかというと、就職率とは就職希望者に占める就職者の割合。になります。次に、就職希望者の定義について説明します。文部科学省によると、『卒業年度中に就職活動を行い、大学等卒業後速やかに就職することを希望する者をいい、卒業後の進路として「進学」「自営業」「家事手伝い」「留年」「資格取得」などを希望する者は含まない。』となっています。重要なのは、留年です。留年といっても単位取得ができなかったという方もいらっしゃいますが、就活が上手くいかなくて、留年する方もいるかもしれません。このことから、真面目に就職活動をしていても3%の確率で就職できないということになります。また、この調査の調査日は一般的に入社日と称される4月1日です。このことから、もう一度述べますが、1年間、たゆまぬ努力をしていても3%の確率で就職できないということになります。

ここまで分母の話をしましたが、次に分子の話です。就職率の調査分子にあたる就職者が全ての人が正規雇用と思いますよね。これも間違えです。非正規雇用も含むと書いていますので、アルバイトも含むこともできます。

そこで、私が正規雇用のみの就職率というのを算出しました。

まず、以下のデータはE-STATよりダウンロードし作成しています。

次に、求め方を以下の様にしました。

(就職者-進学者しながら就職している者)+就職準備中+進学準備中+一時的な仕事に就いた者これを就職予定者とします。これを分母とし、分子は正規雇用にします。そして、*100をして求めました。

就職率

この結果、卒業後正規雇用になれるのは100人中88人です。

でもこれって今は全員大学に入れるからでしょ。っと思っている方のために国立を参照ください

就職率 国立

国立大学ですら平成31年度で85.9%です。難関とされる国立大学を卒業してもこの数字です。これはもはや社会問題といっても過言ではないのでしょうか。

しかも図を見れば分かりますが、理系=就職率が良いという考え方は甘いです。

このことから就職活動をなめていると大変なことになります。

そして、これを機に自分の人生設計を考えていただけるとありがたいです。

最後に就活生のご健闘を祈ります。

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以下は参考ソースです。

学校基本調査について

厚生労働省 平成31年3月大学等卒業者の就職状況を公表します。

文部科学省における大学等卒業者の「就職率」の取扱いについて(通知)






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