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2023年10月24日、日本株式市況


日経400


Chart


Volume value


Map Index
Map Nikkei

<6594> ニデック 5995 -705
急落。前日に第2四半期決算を発表、7-9月期営業利益は556億円で前年同期比7.6%増となったが、第1四半期602億円との比較では減益となり、市場コンセンサスの570億円程度も下振れた。e-Axleの開発投資強化などによって、車載グループの営業利益が前四半期比で半減した。今後の業績を牽引すると期待されている車載事業の落ち込みをネガティブ視する動きが優勢に。通期業績計画は据え置いている。

<9107> 川崎船 5003 -213
大幅続落。モルガン・スタンレーMUFG証券では投資判断を「イコールウェイト」から「アンダーウェイト」に格下げ、目標株価も3100円から3000円に引き下げている。海運業界全般的に、第2四半期決算発表後が利益確定の好機と捉えているもようであり、大手3社ともに「アンダーウェイト」評価としている。さらなる株主還元強化は想定しづらいなどと判断のようだ。同社株に関しても割高感が際立ってきたとしている。

<6526> ソシオネクスト 14770 +460
大幅反発。自動運転システムなどに使う次世代自動車向けの半導体チップを開発すると前日に発表。同社として初めて、3ナノメートル品と呼ぶ最先端品の設計・開発に取り組むことになるもよう。TSMCに製造を委託して2026年から量産を開始するようだ。中期的な業績拡大に貢献していくものとして期待材料視されている。なお、本日の半導体関連株は全般的にみて、SOX指数下落もあって売り先行の展開にはなっている。

<2222> 寿スピリッツ 1958 -59
大幅続落。前日に上半期業績予想の上方修正を発表した。営業利益は従来予想の41億円から66億円に引き上げた。市場コンセンサスは62億円程度。第1四半期の大幅増益決算、並びに、同期間の売り上げ状況などは発表済みであることから、ポジティブサプライズは限定的。足元は株価下落が続いていたことで反発のきっかけにつながるとの期待もあったが、当面の出尽くし感が優勢となった。

<7581> サイゼリヤ 5920 +270
大幅反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では投資判断を「ホールド」から「バイ」に格上げ、目標株価も3700円から7000円に引き上げている。中期的な海外成長と国内収益性改善ポテンシャルを評価するとしている。今後の外食業界においては、インフレによる生活防衛的志向が進み、価格の安い同社の客数増が期待できると考えているようだ。将来的には値上げの余地も十分にあるとしている。

<9010> 富士急 4235 +230
大幅反発。前日に上半期業績予想の上方修正を発表している。営業利益は従来予想の36.9億円から48.9億円、前年同期比2.5倍の水準に引き上げ。国内レジャー需要の回復に加え、インバウンド需要の急回復を受け、運輸業、ホテル業などで利用者が順調に推移したもよう。動力費・光熱費、宣伝広告費などの減少も上振れ要因となっている。需要期の順調な収益拡大を確認で、見直しの動きへとつながる格好になっている。

<4887> サワイグループHD 4590 -46
反落。沢井製薬が前日、九州工場で製造する胃潰瘍や急性胃炎向けの後発薬において、厚労省に提出した承認書とは異なる方法で品質試験をしていたと発表している。4月に不正が発覚、特別調査委員会を立ち上げて先週末に報告書を受け取ったもよう。2015年以降、不正が続いていたようだ。使用期限内の製品は回収し、健康被害が出るものではないとしているが、今後の信用力の低下が警戒される格好に。

<6191> エアトリ 1807 +151
大幅反発。東海東京証券では投資判断を新規に「アウトパフォーム」、目標株価を2960円としている。広告投資の蓄積によりエアトリブランドが確立していること、海外航空券の予約にも強みを持っていること、「エアトリプラス」の浸透で航空券プラスアルファの販売が強化されていることなどを評価。「広告投資フェーズ」から「利益回収フェーズ」に移行しており、今後の業績拡大には期待が持てるとの見方。

<9629> ピーシーエー 1071 -55
大幅続落。前日に上半期決算を発表している。営業利益は10億円で前年同期比17.8%増となっているが、7-9月期は5.7億円で同5.9%増と増益率は鈍化する格好になっている。価格改定やクラウドサービス利用者の増加などで売上高は順調な推移が続いているほか、前四半期比では大幅な増益となっているものの、業績上振れ期待などは高かったとみられ、サプライズ乏しい決算に出尽くし感が優勢の展開へ。

<1789> ETSHD 683 +58
大幅続伸。風力発電施設の大口受注を獲得したと発表。大手風力発電デベロッパーより、大型風力発電プロジェクトにおける特別高圧変電所建設工事を受注した。受注金額は10億7100万円で、完工日は25年6月を予定している。これにより、23年9月期の受注額は114億7900万円となり、前期比2.4倍の水準となる。23年9月期売上高見込みは70.7億円の水準であり、24年9月期以降の業績期待が高まった。


それでも東京市場は正直、楽観できない地合いといえる。目先的に日経平均は3万1000円近辺で売り物を完全に吸収した形だが、方向感が定まらないなかも徐々に息苦しさが増しているような相場だ。紙飛行機が風に煽られ一時的に浮いたようにみえても、風が過ぎ去れば再び万有引力に抗えず高度を下げていくような、反転への期待を持たせながらジリジリと含み損を広げさせる油断のならない相場つきにも見える。

 堰を切ったような急な下げが来れば、それはそれで買い向かうチャンスともなるが、今のどっちつかずの相場ではなかなか底が入りにくい。リバウンドがあっても、そこは戻り売りに凌駕されるまでの短い自律反発の時間帯に終わる。きょうの午前中は、「グロース市場を中心に個人の信用枠を使った押し目買いが際立った」(ネット証券マーケットアナリスト)という。確かに後場のプライムやグロース市場など全体相場の切り返しを見る限り、時宜を得た個人投資家の立ち回りは見事ということになるが、それは半日というフレームで切り取った相場の軌跡に過ぎず、大勢トレンドという観点で底が入ったようには見えない。

 24年3月期上期(23年4~9月)は企業の決算は良好との見方が、市場関係者の間で強気相場の根拠となっている。しかし、現実は一筋縄ではいかないようだ。上期好決算の先陣を切ったはずのニデック<6594>がいきなり売りの洗礼を浴びた。同社が前日取引終了後に発表した24年3月期第2四半期(23年4~9月)決算は最終利益が前年同期比22%増の1060億8100万円と同期間として過去最高を更新した。しかし、事前コンセンサスにわずかに届かなかった。また、EV向け駆動装置の中国での販売が思わしくなく、販売目標の下方修正が強く嫌気された。株価は10%を超える急落で一時6000円台を下回り、一気に年初来安値に直行という半ば暴力的な下げに見舞われた。「この内容でここまで売り叩かれるのでは、好決算先取り狙いの決算プレーは、投資手法としてあまりにも割に合わない」(中堅証券ストラテジスト)という声が出るのもうなずける。

 今月下旬から来月中旬にかけて、日米での企業の決算発表本格化を背景にマクロからミクロの視点に評価対象が移行し、好決算がマーケットを上向かせるという見方が市場筋の間でも少なくない。だが、個別に決算サプライズがあれば買われるが、全体観としての風向きはアゲンストのまま変わらない可能性もある。マクロ面で降って湧いたのが、強いとみられていた米経済の失速懸念だ。

 この日の市場では債券にショート戦略をとる2人の「ビル」が話題となっていた。資産家で債券投資家として知られるビル・アックマン氏は米国債へのショートポジションを解消したことをSNSで開示した。債券を買い戻すということは、今後は金利が低下方向に向かうという読みが働いている。「一見して株式市場にポジティブな思惑をもたらすようにも見えるが、これは米国の景気後退リスクを織り込んだうえでの投資行動であり、鉄壁の信頼があった米経済の揺らぎが株式市場の波乱要素となる」(ネット証券アナリスト)という指摘がある。また、PIMCOの共同創業者で債券王の異名を持つビル・グロース氏もSOFR(担保付翌日物調達金利)先物を購入したことを明らかにしており、「これも急速な逆イールド解消を予期した投資行動で、米国でのリセッション懸念が再び取り沙汰されることを見越している」(同)とする。「米国の自動車ローンの延滞率増加は1994年以来約30年ぶりの水準であり、消費意欲減退は今後加速する可能性がある」(同)とし、水面下で疲弊している米経済の実勢に警戒感を募らせる。

中東情勢や米国政治不安などに加え、EMS(エレクトロニクス機器の受託製造サービス)世界最大手、台湾・鴻海精密工業(ホンハイ)傘下の富士康科技集団(フォックスコン)に対し、中国当局が税務当調査に入ったと伝わり、中台関係の悪化も懸念材料として台頭してきた。外部環境は引き続き予断を許さない状況となっており、後場も決算関連などに手掛かりを見出すこととなりそうだ。

24日の東京株式市場で日経平均株価は4営業日ぶりに反発し、前日比62円80銭(0.20%)高の3万1062円35銭で終えた。日経平均は前日までの3日続落で1000円あまり下落しており、短期的な自律反発を見込んだ買いが優勢だった。米株価指数先物が日本時間午後の取引で堅調に推移したことも投資家心理を下支えした。ただ中東情勢の緊迫化や米金利動向の不透明感から積極的に運用リスクを取る動きは限られ、日経平均は下落する場面もあった。

政府が11月上旬にもまとめる経済対策で「所得税を定額で4万円減税し、住民税が課税されない低所得者世帯に7万円を給付する案が浮上している」と日本経済新聞電子版が報じた。市場では「国内消費にとって一定の支えになるとの思惑から、小売株などへの買いにつながった可能性がある」(国内証券)との見方もあった。

東証プライムの売買代金は概算で3兆7241億円。売買高は14億8470万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1091、値下がりは507銘柄、横ばいは61銘柄だった。


住友商事<8053>タイに新倉庫、消費拡大で需要増、来年5月稼働

サワイGHD<4887>沢井製薬、抗潰瘍薬の品質試験で不正、自主回収進める

九州電力<9508>JERAと協業、エネ安定供給・脱炭素実現へ

王子HD<3861>欧の包装資材市場に参入、フィンランド社買収

洋エンジ<6330>製油所発生のCO2、メタノールに直接合成、コスモと共同検討

住友商事<8053>東北大と黄リンのリサイクル製造研究、半導体向け

三菱重<7011>水素ガスタービンの実証施設稼働、製造から発電まで一気通貫

平田機工<6258>関西工場刷新、EV用電子部品の生産ライン製造

日揮HD<1963>苫小牧埠頭など3社で、ペロブスカイト太陽電池を実証

グリッド<5582>鉄道向けSaaS開発、車両運用を最適化

ソフトバンク<9434>ルワンダで5G通信、HAPS活用

キヤノン<7751>廃プラからCNT、3-5年後の量産実用化目指す

帝人<3401>帝人フロンティア、ポリエステル繊維をキロ10%値上げ

レゾナック<4004>脱炭素加速、30年に水素発電設備を稼働

住友不<8830>インドで大規模再開発、795億円投じムンバイに用地取得

三井不<8801>京大発新興と住宅用ペロブスカイト太陽電池活用で共同研究


24日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは前日を0.020%下回る0.840%に低下(価格は上昇)した。日銀は同日、臨時の国債買い入れオペ(公開市場操作)と共通担保資金供給オペ(同)を実施し、金利上昇を抑制する姿勢を示した。これが債券買いを誘った。

23日の米長期金利が低下したにもかかわらず、日銀の政策修正観測が根強いため、朝方の長期金利は前日から横ばいの0.86%で取引が始まった。

日銀による臨時の買いオペでは、応札額を落札額で割った応札倍率が「5年超10年以下」で2.88倍、「10年超25年以下」で2.59倍といずれも前回18日の臨時オペを下回り、売り意欲の後退を示した。午後には幅広い担保を裏付けとして金融機関に資金を供給する「共通担保資金供給オペ」も実施した。

日銀は9月の基調的なインフレ率を捕捉するための指標を公表した。物価の刈り込み平均値は前年同月比3.4%上昇に加速した。


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