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2023年11月1日、日本株式市況


日経平均
日経400

<9504> 中国電力 1051.5 +110.2
急伸。前日に上半期決算を発表、経常利益は1619億円で前年同期685億円の赤字から大幅黒字に転換。通期予想は従来の1000億円から1500億円に上方修正した。前期実績は1068億円の赤字だった。第1四半期決算発表時に続く上方修正。年間配当金も従来計画の10円から30円にまで引き上げた。卸電力市場価格の下落、燃調期ずれ影響の拡大などが上振れ要因。一段の業績・配当計画引き上げも想定される状況に。

<6080> M&Aキャピ 2220 -500
ストップ安比例配分。前日に23年9月期の決算を発表、営業利益は74.5億円で前年同期比23.3%減となり、従来予想の90.3億円を大きく下振れる着地に。24年9月期は81億円で同8.8%増を見込むものの、23年9月期の従来予想を下回る水準であり、高い成長期待などが後退する状況になっているとみられる。成約件数の減少、中期的な戦略投資の拡大などが前期の減益要因に。

<9201> JAL 2688 -76
大幅反落。前日に第2四半期決算を発表、7-9月期営業利益は599億円で前年同期比2.1倍、旅客需要の回復に加え、国際線単価の上昇、LCC事業の損益改善などが要因。通期では従来の1000億円から1300億円倍に上方修正し、年間配当金も従来計画の40円から60円に引き上げた。ただ、上方修正値は市場コンセンサスの1350億円程度にまでは届いておらず、増配も想定の範囲内。目先の出尽くし感が先行した。

<6503> 三菱電 1921 +243.5
急伸。前日に第2四半期決算を発表、7-9月期営業利益は748億円で前年同期比60.8%増となり、市場予想を30億円強上回ったとみられる。通期計画は3300億円、前期比25.8%増を据え置き。FAシステムなどは低調であるものの、自動車機器などは足元で収益が改善。円安効果なども下支えとなっているようだ。ここまで株価の調整ピッチが速まっていたこともあり、底堅い決算確認で見直しの動きが進む状況に。

<6526> ソシオネクスト 13480 -940
大幅続落。前日に第2四半期決算を発表、7-9月期営業利益は85.7億円で前年同期比76.2%増となり、市場予想線上で着地した。一方、通期予想は従来の225億円から290億円に上方修正したが、第1四半期の進捗状況から上振れは想定線。市場コンセンサスは300億円超の水準であったとみられ、出尽くし感が先行したようだ。なお、為替前提など保守的な要素は強いとも受け止められる。

<2914> JT 3662 +141
大幅続伸。前日に第3四半期の決算を発表、7-9月期の為替一定ベースの調整後営業利益は2412億円で前年同期比8.2%増、各セグメントともに順調に収益が拡大している。通期予想は従来の7300億円から7640億円、前期比5.0%増に上方修正。全てのセグメントを上方修正しているもよう。配当計画は今回据え置かれているものの、順調な業績推移をポジティブに捉える動きが先行。

<6954> ファナック 3806 +153
前日比変わらずを挟んで大幅反発。前日に第2四半期決算を発表。7-9月期営業利益は339億円で前年同期比24.4%減、前四半期比では小幅な増益に。通期予想は1183億円から1219億円に上方修正した。直近で株価が一段安となるなど、業績の下振れ懸念が高まっていたとみられる中、見直しの動きが優勢となったようだ。なお、受注高は前四半期比で小幅に減少、ロボット事業が低迷しているもよう。

<6920> レーザーテック 27180 +1975
大幅反発。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は103億円で前年同期比20.8%増となり、ほぼ市場想定通りの着地となった。低採算案件の計上で利益率は低下したが、今後は低採算案件も一巡するもよう。SiC向けの強い需要が継続しており、下期に向けては需要の高まりが期待できるようだ。半導体関連の一角として決算リスクも意識されていたとみられ、サプライズ乏しい決算で買い安心感が優勢の展開に。

<6857> アドバンテス 3590 -225
大幅続落。前日に第2四半期決算を発表、7-9月期営業利益は210億円で前年同期比51.3%減となり、市場予想は20億円程度下振れた。通期予想は従来の1050億円から800億円にまで下方修正した。コンセンサスは会社計画並みの水準だった。販売回復の遅れが要因となっており、回復時期は来年度後半にずれ込む見通しとされている。来年度のコンセンサスもやや切り下がる状況とみられる。

<6981> 村田製 2747 +269.5
急伸。前日に第2四半期決算を発表、7-9月期営業利益は888億円で前年同期比19.1%減となったが、前四半期比では77.2%増となり、700億円強の市場コンセンサスも大幅に上振れた。通期計画は従来予想の2200億円から2700億円に引き上げ、2550億円程度の市場予想を上回るもよう。北米と中国メーカーのスマホ生産が回復し、在庫も適正水準に引き下げられている。


きょうの東京市場は空売りの買い戻し一色に染められた相場だったが、そのなか個別で輝きを放ったのは言うまでもなくトヨタ自動車<7203>である。午後1時55分に注目の23年4~9月期決算を開示した。最終利益は前年同期比2.2倍の2兆5894億2800万円と急拡大し、同時に24年3月期通期の予想も上方修正、従来予想の2兆5800億円から3兆9500億円(前期比61%増)に大幅増額した。これは事前コンセンサスも大きく上回る水準で、過去最高を大幅に更新する。

 半導体不足などサプライチェーン問題解消に伴う自動車生産の回復、車両の機能向上に合わせた販売価格改定(値上げ)、そして何といっても為替の円安進行は同社にとって鬼に金棒となった。これまでの今期想定為替レート(通期)は1ドル=125円である。実勢との差は26円強もあり、国内製造業の中でも利益に対する為替感応度が頭抜けて高い同社にとって、これは無双の武器となっている。

 当然ながら株価もポジティブに反応し、決算発表直後に6.3%高の2752円まで上値を伸ばし、10月12日につけた戻り高値(ザラ場ベース)を上回る場面があった。PERでいえばまだ14倍に過ぎず、時価は十分に追撃可能だが、個人投資家の戦略としては同社の周りを回っている「惑星」の方に照準を合わせた方が実践的だ。

 改めてトヨタ系の自動車部品会社に注目してみたい。同グループの中核銘柄で自動変速機世界トップのアイシン<7259>や、燃料噴射装置など動力源の流体制御で実力を発揮する愛三工業<7283>、自動車内装で使う合成皮革で高い競争力を有する共和レザー<3553>、エンジン部分の軸受け・ダイカストメーカーで電動化製品にも強い大豊工業<6470>、骨格プレス部品やマフラーなど排気系部品のほかバッテリー冷却プレートなどでも実績を重ねるフタバ産業<7241>、そしてトヨタを販売先にプレス部品やバルブ製品を手掛ける太平洋工業<7250>などを継続マークしておきたい。ただし、高値には飛びつかず、あくまで押し目買いを念頭に置く必要がある。


1日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続伸した。終値は前日比742円80銭(2.41%)高の3万1601円65銭と、この日の高値で引けた。上げ幅は今年2番目の大きさ。前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇した流れを引き継いだ。外国為替市場で1ドル=151円台まで円安・ドル高が進み、輸出関連株に採算改善を見込んだ買いが入った。日銀が金融緩和姿勢を当面続けるとの見方も投資家心理を強気に傾けた。

日銀が前日の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を決めた。ただ、微修正にとどまり、市場の想定ほど金融政策の正常化に前のめりではないと受け止められた。イベントを無難に通過し、売り持ち高を膨らませていた海外ヘッジファンドなどの短期筋が株価指数先物に買い戻しを入れたようだ。財務省の為替介入が10月はなかったことが分かり、円買い介入への過度な警戒感が後退したことも外需株の買い安心感につながった。

東証プライムの売買代金は概算で4兆8360億円。売買高は19億4396万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1308と、全体の約8割を占めた。値下がりは328、変わらずは22銘柄だった。


1日の国内債券市場で長期金利は上昇(債券価格は下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.005%高い0.955%で取引された。日銀が10月31日まで開いた金融政策決定会合で長期金利の1%超えを容認する姿勢を示し、金融政策が正常化に向かいつつあるとの見方が改めて広がり売りが出た。一時は0.970%と2013年5月以来、約10年5カ月ぶりの高水準となった。

午後には買いも入り、相場の下値は堅くなった。日銀は午後、臨時の国債買い入れオペ(公開市場操作)を実施した。応札倍率は残存期間「3年超5年以下」が4.22倍、「5年超10年以下」が2.58倍だった。市場では「金利上昇に対する一定の抑制効果がみられ、無難な結果だった」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジスト)との評価が聞かれた。

新発5年債利回りは前日比0.015%高い0.480%と2011年4月以来、約12年7カ月ぶりの高水準をつけた。20年債利回りは0.015%高い1.735%、30年債は0.020%高い1.895%とそれぞれ2013年7月以来の高さとなった。40年債利回りは0.015%高い2.130%をつけた。

国内債の先物中心限月の12月物は前日比7銭安の143円68銭で取引を終えた。



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