リヒャルト・シュトラウス:上演機会の少ないオペラ4作を雑に紹介

今日はリヒャルト・シュトラウスの誕生日(1864年6月11日生)なので、全15作のうち、多くのひとが聴いたことがないであろう、上演機会の少ないオペラ4作を雑に紹介(後からちょいちょい書き足す予定)。春に上演された『平和の日』は知名度高いと見做して除外しますw。これらの対訳×分析ハンドブックは、どう逆立ちしても採算が合わないので出せないでしょう(涙

『グントラム』(初演:1894年・日本未上演)

シュトラウスが(助けを得つつ)自分でリブレットを書いてます。タンホイザーとパルジファルを足して二で割ったような筋書き。1934年に改訂版作成(上演:1940年)、ワーグナーに少しでも近づくべく頑張ったのに、規模が大きすぎて歌手が歌いきれないという現実的な理由で、いまなおもっとも上演されない(号泣。悲しすぎて、ガルミッシュの自宅にはこの作品のお墓まで作っちゃったという。シュトラウスの自虐ユーモアセンスは素晴らしいです。

『灯の消えた街』(初演:1901年・日本未上演)

皆の鼻つまみ者・魔法使いクンラート。怒った魔法使いは、市の灯りをすべて消してしまう実力行使に出ます。困った皆を救うため、市長の娘ディームートが身を挺して…、という、これもワーグナーまんまな筋書き。でも誰も死なないハッピーエンド。『ばらの騎士』『アラベラ』のセクシーな場面の先駆けがここで聴けます。

『エジプトのヘレナ』(初演:1928年、日本初演:2004年)

トロイア戦争の後日譚。妻ヘレナに裏切られた夫メネラス。ふたりの仲直りの過程を描きます。あらゆるオペラの中で、しゃべる貝が出てくるのはこれだけ、という噂もw。第2幕の劇的展開が弱いせいか、ホフマンスタールがかかわった6作品の中ではもっとも上演されず、さすがにちょっともったいないなあと思います。第1幕の夫婦の二重唱、第2幕冒頭のヘレナのアリアはかなり迫力ありますよ。

『ダナエの愛』(初演:1952年、日本初演:2006年)

最近ザルツブルク音楽祭および東京二期会で上演されたので、少し注目度が上がったか?これもまた、大神ジュピターに言い寄られつつも、妻ダナエと夫ミダスが自身の本当の気持ちを見出します。シュトラウス・オペラに、亀裂の入った夫婦関係を修復する話が多いのは偶然ではありませんが、論じると長くなるのでまた別の機会にw。第2幕まではオペレッタ的に軽いのに、第3幕がずっしり重くって、否応なしに作られた時代(WWII終結直前)の雰囲気を感じさせられます。

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