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疲れたら動いた方が良い?

 「何でも楽してはいけない」というのが信条なので、この夏もうちわと扇風機でしのいでいる。そうしていると、朝になると体が水を欲しているのがよくわかる。その時に考えたことを書きます。「これは血液が濃くなっているのではないか」と。血液中で最も多い細胞 (細胞核はないですが) が赤血球であり (ナント 1ml 当たり約 10 億個!)、この流れが最も影響を受けるのではないかと。
 血流が滞る状態として良く知られているのがエコノミークラス症候群で、長いこと同じ姿勢でいると、血液の循環が悪くなり、血液が固まりやすくなる (= 血栓ができやくくなる ) 危険性があるということです。対応策としては、水分摂ったり、動きなさいと。このエコノミークラス症候群と似た状態は、夏場の睡眠時 (水分を摂らずに動かない状態が続く) に起きうるのではないか。子供と違って年を取ると寝ている時に動かなくなる傾向があると思うのだが、これは加齢によって血栓ができるリスクが高まっていることを意味する。
 一方、赤血球は炎症によって固まりやすくなる (赤沈という現象)。ものの本には、赤血球はマイナスに荷電していて、そこに炎症で増加する免疫グロブリンなどのプラスに荷電している物質が赤血球を架橋させ、凝集しやすくなるということです。赤沈が高値となる病態としては、急性炎症、自己免疫疾患、白血病などが挙げられています。ここで注目したいのは、ストレスや加齢によって炎症状態が慢性化するということです。つまり、私たちの生活で避けられないストレスや加齢によって、体感として現れないレベルで微小な血栓・赤沈現象が起き、その蓄積として「何か疲れやすくなった」という体感が現れてくると考えられるからです。
 以前に脳梗塞治療薬の研究をしていた時に、高齢者の脳を MRI でみると、微小な梗塞巣が数多く見つかるということを知りました。健康な多くの高齢者に、脳梗塞で倒れて入院するレベルではない微小な脳梗塞が起きていることを示している。同じことが脳に限らず全身の組織 (微小循環の場) でも起きていると考えることは自然ではないでしょうか。これら全身の微小な梗塞巣の蓄積が「年を取って疲れやすくなったなあ」につながると考えずにはおれません。
 ここでの思索の結論としては、ストレスや加齢はなかなか除去できませんが、「疲れやすくなったなあ」と感じたら、「水飲んで動きましょう」ということですね。かえって疲れそうな気もしますが・・・

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