「高校生シリコンバレー派遣留学プログラム~ワールド寺子屋~」 Day3:フィールドワーク、学校、起業家セッション
2024年3月16日~25日は10年後か、20年後か、はたまた50年後かに私の人生の転換点として認識されることだろう。私は早稲田大学とNPO法人EdFutureが企画、運営する「高校生シリコンバレー派遣留学プログラム~ワールド寺子屋~」に参加した。これは私が初めて異国の地を踏み、風を感じ、変容していく過程を記した随想録である。自己の観察は殊に重要であるが、概して他者からの視点とは大きく異なるものである。故に、いずれ訪れる人生の節目で、岩に断たれる水となることを厭わない、そんな心構えの一助になればわざわざ振り返った意味もあるというものだ。プログラムの主旨については以下のサイトを参考にされたい(初回の記事より引用)。
本来のプログラムでは午前中も学校であったこの日、バディの学年がSATという日本でいう大学入学共通テストを受ける関係でフィールドワークに変更になった。ただ位置づけとして同じというだけで全く異なるものであるから誤解なきように。その影響かアラームは7時頃に設定していたのだが、目覚めたのは9時頃であった。というよりも、締め切った部屋で寝ていたのだが、ホストマザーがノックする音で目が覚めた。アメリカでは子を起こすにも寝室には入らないようだ。他の参加者2人と合流して最初にThe Stanford Dishに向かう。ホストの家から徒歩5分の距離にある自然公園だ。舗装された急坂を上る。アメリカであっても坂は後ろ向きでのぼるにこしたことはない。緑地というよりも緑土というほうが適切な原っぱにリスや鹿が駆ける。パロ・アルトを一望でき、世界第二位の面積を誇るスタンフォード大学の大きさがわかる。
次にホストファザーが勤務するスタンフォード病院へ。彼は放射線医学の教授で世界トップクラスの医者・研究者だ。初めに研究棟を訪れ、放射線医学についての節目を受けた。医学用語を英語で理解することは困難を極めたが、スライドを使っての説明はわかりやすかった。その後、研究室やMRIなどの機器の部屋も見学させていただいた。その後病院へ。周囲もそうだが、外観、内観ともに病院には見えない。外には噴水のある公園やモニュメントがあり、エントランスもホテルのようだ。鬱屈が晴れるような場所で、治療にも終末医療にも適しているといえる。
私がこの留学で訪れたのはヘンリー・M・ガンハイスクール。この学校はパロアルトにある2つのパブリックスクールの内の一つで、学力はアメリカ全土でもトップレヴェルである(アメリカには高校入試がないため明確な偏差値などは存在しない)。近辺はエンジニア等として移住してきたアジア人が多く、人種が多様に混ざり合う地区でもある。カリフォルニア州の平均年収はアメリカの平均よりも日本円にして200万円ほど高く、生徒の親の多くもスタンフォード大学教員、経営者、Google・Apple社員など高所得だ。同行は1992年にカリフォルニア・ディスティンギッシュド・スクールというカリフォルニア州教育委員会が最も質の高い教育を行う学校に与えられる賞を受賞している。
ランチの後、学校の図書館の裏にあるテラス(?)で起業家セッションを受ける。この日は山内さんと石神さんに話を伺った。内容については述べないが、話を聞いたのち、我々の質問にも熱意をもって回答してくださり、貴重な経験となった。
日本語教室はアニメの掛け軸やグッズがところせましと並ぶ。授業で印象的だったのは授業の初めにおりんの音を合図に「黙想」をすることだ。本来の意味とは違うが、とにかく生徒は目をつぶる。約3分ととても長い。テストを見せてもらったのだが、内容は単語、英訳、日訳、長文問題など日本の英語教育と近しかった。教材は先生が独自に作成したもので、日本語教育というのはアメリカで浸透していない。学んでいる生徒は日本にルーツを持つ生徒かアジア系がほとんど。1年生から4年生(14~18歳)が一緒に授業を受けるが、4年生の日本語力には驚かされる。
授業後はホストマザーとコストコへ。日本国内のコストコを訪れたことがないので比較はできないが、食材や酒類、衣服、電化製品が倉庫のように並ぶ。大きさに対して野菜は少なく、フルーツの方が圧倒的に多い。初日に食べたハンバーガーとポテトのセットは約10ドルであったが、ローストチキン(1羽)は約5ドルであった。
家に戻ると午後6:30頃に夕食。通常はこのぐらいに食べるそう。私は本来、午前11:30頃に昼食を、午後5:30頃に夕食を食べるから少し遅いと感じていたが、ほかの参加者からすると早く感じたらしい。アメリカ人(私の家庭)の野菜摂取量はとても少ない。またルーツによるところは大きいが、調理法の多くが「焼く」である。その後は午前1時ごろ就寝。少し疲れが出始めたか、、。
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