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ALGS、大して知りもしないのに意見吐くならお前もやる側になれ

また我らがAPAC NorthがALGSの歴史を塗り替えてしまった。

世界大会への切符を賭けたマッチポイント形式のRegional Finalsが昨日開催されたが、試合数はRF史上最長タイとなる13試合、マッチポイント点灯チームは最多となる16チームにまで上り、公式配信の実況解説による「さすがにそろそろ終わるやろ…」といったムードが何度も覆される様はよくできたエンタメだった。
とはいえ約8時間にも及ぶ観戦はあまりにカロリーが高い…

今回のプロリーグにおける最推しチームであるFENNELはすでに世界大会進出を確定させており、私は前回世界大会敗退後に奮起して実力を伸ばしてきたHAO、そして言わずもがなYukio擁する人気チームRIDDLE ORDER、競技古参パス使い788が初の世界を見据えるDOSKOI INPACTを主に応援していた。
しかしながら結果としては長丁場を通してペースを掴み切れなかったRID、マッチポイントを早期に点灯させるもチャンピオンチャンスを取りこぼしてしまったDSKが敗退。応援したいチームは増えるばかりで、世界大会進出枠が9枠に増えても決してめでたしめでたしで終われないのはALGSの悲しき定めか。

最終総合順位

それどころか、split1の地域&世界王者であるCrazy Raccoon(元REJECT WINNITY)も下位からの逆転優勝を果たしたSTRIDERZに順位を抜かれ惜しくも世界大会進出を逃すという波乱の幕切れとなった。
また、初戦からRIDが確保していたポジションに他チームが複数回に渡り無茶とも捉えられかねない凸をしてコメント欄が荒れたり、一般的に世界では勝てないと評される尖ったクリプト構成が蔓延する環境と化したりと良くも悪くも話題に事欠かなかった印象だ。
RF直前ではGHS ProfessionalやCR⇔RC等のロースター及び移籍問題が取り沙汰されたりもした。それだけに、今回優勝したSRZのメンバーは2年以上前から固定で着実に下積みしてきたという経歴がむしろ輝かしく思える。

こうした経緯もあり、リスナーの熱量の裏返しと言えば聞こえは良いが、今回は特にコメデターが大量発生したRFだったのではないだろうか。
リアルタイムで応援している選手やチームが理不尽な目に遭うのは当然フラストレーションが溜まる。それをコメント欄やSNSで表明することも個人的にはアリだとは思うが、不満の対象に誹謗中傷をぶつけるのはさすがにNG。
とりわけ論外なのは知ったかぶりの批判だ。前述した RIDへの凸の件は同一チームから繰り返し発生したということもあり一部の過激ファンからのバッシングがヒートアップしていたが、うち数回は相手側の視点からすれば弱気なピークをしているエリアへのトライや他に選択すべき手段が残されていない割り切りのファイトに過ぎないこともあったかもしれない。逆に RIDが凸をみすみす許すほど弾き下手だったのかと言われるとそうでもなく、警戒に割くリソースが薄まっていたタイミングで不意にファイトが発生してしまったようにも見えた。その上でファイトを返すことができなかったのも事実。
つくづくバトロワというものは1対1に留まらずチームが無限に影響し合い不確定要素を生むがために、練習してきた実力を発揮する機会すら奪われ敗退することもある残酷なゲームだ。
ファイト一つにも様々な意図や偶然が絡むのだが、結果として両者不幸になったことで十把一絡げに「バカ凸」と片付けるのはあまりに短絡的なコメントだろう。そもそも公式視点で得られる情報も選手には当然存在しないのだから仕方がない部分はある。
RIDを応援していた私はコメント欄と同じようにひとしきりキレながらも、そのことを思い返し互いの選手の苦悩を察して居た堪れない気持ちで試合を眺めていた。

さて、コメデター批判をする割にお前も偉そうな口利いてんなと思われそうだが…それは何を隠そう、私自身も一応競技シーンの端くれであるからだ。(ここから怒涛の自分語り)

実はこのYear4のsplit1終わり頃から、Discordのとある競技シーン観戦鯖でメンバーを募ってプロリーグの予選にあたるチャレンジャーサーキット(CC)に出場していた。
とはいえ私は一般アラサー社会人であり、練習面では仕事と用事の合間に有志団体ESCLのスクリムへ週3回前後参加するのがやっと。ここ最近ではランクマも休日以外ほとんど回していないくらいだ。
元々LPマスターなので素のスペックが高い訳でもなく、最高目標は1日目の3ラウンドを勝ち抜き2日目の準決勝に進出すること。ぶっちゃけプロリーグやLCQへの昇格は目指していない。
それでも競技未経験なりに真摯に反省会を重ねてプロの見よう見まねでムーブやコミュニケーションを試行錯誤してきた。練習の成果が身を結んでか、直近のCCではラウンド3の総合11位という結果を出し、目標達成まであともう少しのところまでメキメキ成長を遂げている。

あと4ポイントで準決勝進出できていた

中入り主体のチームで僭越ながら自身がメインIGLを務めさせてもらっており、個人的に苦手なミクロやファイト以外のコールを担いムーブを決めているので、いかにムーブで事故らないか、エリアコントロールを維持できるかは自身の責任が大きい。
実際、件のCCでも強豪ひしめくロビーでワールズエッジの安地を読み外しつつもエピセン東のバスから展望へとヘイトを逸らしながらムーブし塔上をキープしてチャンピオンを獲得できたときの快感は筆舌に尽くし難いものがあったし、それだけに6試合通してポイントを盛りきれず最終試合でボーダー潰しの初動被せにやられあと一歩で準決勝進出を逃したときの悔しさもひとしおだった。

理解していたはずだが、やはり経験の浅さが響く大会だった。

そんなこんなで、今年も残すところあと2週のみとなったCCに向けて引き続き練習をしている。
競技はもちろん楽しいことばかりではなく、スクリムで全試合初動ファイトになったときは「日中働いてきた後にわざわざ何やってんのやろ…」と虚無になるし負けたらたまにガキがチャットで煽りにくる。ロビーによっては減りが早すぎてそもそも練習できる環境にないこともあるし、やっぱりバカ凸はある。
それでも競技に身を投じようと思えたのは、日頃楽しくALGSを視聴している自身がただの一リスナーに留まらずプレイヤーとしても体験してみたくなったから。そして、競技の酸いも甘いも知ることでまたリスナーとして以前よりも一層と解像度高くALGSを味わうことができるから。コメデターがキレるような場面も「あぁ~わかるよそうなっちゃうよね~大変だよね~」となる。悪く言えば後方腕組み彼氏面だ。
CCで自分たちを踏み台にして勝ち上がっていくチームが決勝やプロリーグの配信に載ったりするとそれだけでストーリーができて面白いし、後はついでに活動してきた内容が巡り巡って競技シーンのほんの1mmでも人口拡大・底上げに繋がれば…とも思ったりする。

それはプレイによってだけでなく、こうして競技の魅力を私なりに発信することでまたどこかのリスナーが一人でもこの沼に足を踏み入れてみようと背中を押すきっかけになれば競技者冥利に尽きる。
観戦してるだけで熱くなってしまうコメデターならなおさら競技を実際に体験してみて楽しめない訳がない。
スクリムもCCもタダやし出るだけ得やからはよ来い!


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