経済の崩壊は教育の崩壊‥‥ベネズエラの悲しい現実がよくわかる写真。
上の写真は、ベネズエラ北部のカラボボ州にある高校の教室の中。学校に行っても生徒はごくわずか。
ベネズエラでは小学校も、高校(中学と高校は一緒)も、大学も、公立の学校は軒並みこうした状態にあります。
ベネズエラ人に尋ねたところ、こうなったのには理由が2つあると言います。
1つは、経済が崩壊したことで教師が十分な給料をもらえず生活できなくなったため、学校を辞めたから。残った教師も学校に遅れて来たり、また来なかったり(授業は当然なし)‥‥といったありさま。
去っていった優秀な教師らは国外で働いたり、自分で商売を始めたり、ベネズエラ国内の鉱山で金を掘ったりしているそうです。
教師の月収はだいたい40~50ドル(5900~7400円)。これでは到底、暮らしていけません。教師の仕事なんてまじめにやってられない気持ちは痛いほどわかります。
ちなみに金は1グラム50ドル(約7400円)で売買されています。金を掘りに行けば1カ月250ドル(約3万7400円)ぐらい稼げるとのこと。
2つめの理由は、勉強しても意味がない現実を生徒が悟っていること。経済が崩壊したベネズエラでは、高校や大学を卒業したところで仕事にありつけません。仕事がないゆえに、国民のおよそ4分の1(約771万人)が難民となって国を出ていきました。
学校へ行く代わりに生徒は路上でモノを売ったり、鉱山で金を掘ったりしているそうです。
一部の大学は実験用具をはじめ価値が付く物はことごとく盗まれ、機能不全どころか廃墟のようになっています。
経済の崩壊は教育の崩壊。悲しき現実。
ベネズエラでは来年、大統領選挙があります。独裁色の強いマドゥロ政権が倒れるとは現時点では考えにくいですが、だれが勝っても、ベネズエラにとっては暗い未来が続きそうです。子どもたちの前に立ちはだかる過酷な人生。
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