【家紋】製作依頼が増えてきた?
さて、本日は家紋製作依頼の家紋を納品致しました。
どんな紋をどんな経緯で製作させて頂いたかは今回は許可を頂いていませんので、紹介は差し控えます。
依頼者のプライベートな事でもあるので、勝手にはなかなか出来ないですね。
機会があればnoteやYouTubeで紹介したいとは思いますけれど。
元々、そんなに家紋製作の依頼が多いわけではありませんが、コロナ渦になってから依頼が以前より増えているような気はします。
やはり「おうち時間」が増えて、家族話す機会や、そもそも家族や一族(親族)の事を考えるような機会も増えたということでしょうか?
家族との時間が増える事で「家族を大事にしたい」と思う方が増えたのかな?とも思います。
つまり意識的かどうかは分からないのですが、やはり家紋は「家族」を意識する上で、日本人にとって大事な物なのではないかなと思う訳です。
依頼パターン1:「家紋が無い」
「家紋が無い」から新しく「家紋を設定」したいという依頼が実は多いです。
日本人なら誰でも家紋を持っている、とも謂われることもあるのですが、実際そうではありません。
家紋はやはり封建時代の象徴でもありますので、やはり地位のある家、つまり名字を持つ家にしか本来はありませんでした。
とはこれはあくまでも「公」の話し。
公以外で家紋を持っている人たちもたくさんいました。その他では家紋ではなく個人の紋や洒落紋(遊び紋)として持っている人もいました。
それと農民は持っていなかったとも謂われていますが、実際は持っていた家も多かったようです。
明治に入って、名字は義務化されますが、家紋はそうではありません。
明治になって家紋を持つことが可能(勝手に使ってもおとがめもないです)になったとはいえ、家紋を持つということは何かしらに入れる必要があるので、ある程度生活に余裕が無いと家紋を持つことは不可能です。
というより、家紋を持つという事まで意識出来ないです。
家紋に入れるものの代表格としてはやはり「着物」や「墓石」でしょう。
これらは高額商品です。やはりお金が無いと家紋を持つことは出来ないという悲しい現実はあります。
家紋が爆発的に増えていくのは戦後です。近代化を目指す中、呉服業界は予め紋章を入れた着物の販売を行い始めます。
これを購入することで、着物に入れられた紋章が購入者の家紋となっていくケースは多かったです。そして着物に入れられた紋を墓石にも入れていくという事になっていき、その家の家紋として定着していったということです。
実際、このケースの家がかなり多いのでは無いかと私は考えています。
つまり、着物や墓石を持つことが無かった家は恐らく、現在も家紋が無いはずです。
着物はともかく、墓石は家紋を入れる事はオプションですので、可能な限り安く済ませたという家には家紋は入っていない可能性もあります。
このようなケースで「家紋が無い」という家は結構多いように思います。
そして家紋が無いという家の中に多いケースは「帰化」した方々でしょう。
このケースはナイーブな問題でもありますので、個々の家によっても事情が(当たり前ですが)違います。
依頼パターン2「家紋が嫌い」
実はこれかなり多いです。
「ありきたりの紋だから嫌だ」
という方が非常に多いです。これは「十大紋」を使用している方に多いです。
特に「桐」「片喰」「鷹の羽」などに多い気がします。
これらは先ほどにも触れた、紋が入れられた着物を購入した結果それが家紋となったというケースの家の可能性が高いです。
どのような経緯でその家の家紋になったのかどうか不明であることが多く、「分からないし、嫌いなので」ということで別の紋にしたいということが結構多いです。
とはいえ、もう3世代目とか4世代目とかのケースも多いので、すでに家紋であることに違いは無いです。
紋は「継承」されればその時点で家紋となります。
もしかしたら初代の方は何かしらその紋に思いがあったかもしれません。
ですから、その思いがある可能性もお話をして、説得することもあります。
またはモチーフを変えず、例えば「片喰」であれば、片喰の変化系の何かを選んで貰ったりすることもあります。
また、その方の趣味趣向や生き方などをお聞きし、それに相応しい意匠を選んだり、場合によってはデザインすることもあります。
パターン3「結婚を機に」
これも比較的多いです。
結婚という新しいスタートを切るために、両家の家の家紋を合体させて新たな紋を使用していきたいという依頼です。
個人的にこの依頼が1番好きかもしれないです。
「幸せ」という想いを形作ることのお手伝いが出来るのですから。
私が出演したTVがYouTubeに上がっていますが、こちらもそのケースでした。
是非一度ご覧下さい
これら以外にもパターンはありますが、大まかにはこれらが多いです。
現代では着物や墓石以外の物でも簡単に家紋を入れられます。
私は家紋は先祖の想いを形にして現代に継承してきているもの「お守り」であると考えています。
経緯はどうであれ、今、家紋を所有しておられる方は少なからず自分以前の誰かの想いを受け継いでいます。
家紋を現在持っておられない方は今から始められます。
どれだけ古い家にも始まりはあります。
その始まりが「今」ではダメだということは絶対にありません。
家紋を新しく持ちたい
家紋を作りたい
家紋をかえたい
このように思っておられる方、いつでもご連絡ください。
お手伝い致します。
こちらの動画も参考にして頂ければ、と思います。
是非ご覧下さい。