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拾遺家紋怪異譚「紋霊記」

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家紋には人の心が宿るという。 紋師と呼ばれる男と謎の少女と謎の猫がとりまく家紋と怪異の物語。 「紋霊記(もんりょうき)」 家紋をテーマとした小説。オムニバスでおくる家紋のお話。
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2020年9月の記事一覧

『紋霊記』その伍「家紋と京都と阿吽」no.05

キミが始まりなのだとしたら、僕は終わりなのかもしれない。 永遠なんて存在しないからね。 「本当に私にも視えるようになるんでしょうか。。。」 京都市内のとある路地奥にある京町屋をリノベーション(そんな気取った言葉ではなく、最近の言葉で言えばDIYした程度)した事務所「家紋相談事務所」。 二階建ての古い民家。取って付けたような雰囲気でしかないその一階が事務所である。 築80年と、そこそこ古い町屋であらゆる場所が痛んでおり、直せるところはなるべく直した、その程度のDIYである。悩