俳優さん向け「人間観察」のススメ。
俳優にとって「人間観察」は大切ですよね。
だって俳優は「他人を演じる」仕事なんですから。「自分を演じる」のが仕事のアイドルとかとは違うわけです。他人のことをよく知っておく必要があるわけです。
そのために一般的に推奨されるのが「人間観察」なのですが・・・オーディション等で「趣味は人間観察です!」とか元気よく自己紹介する俳優さんてホント多くて、そんな彼らに対して「じゃあいつもどんな人を観察するんですか?」という意地悪な質問を投げかけると、大抵しばらく考えた後に「電車の中で・・・酔っぱらいとか・・・」という悲しい答えが返ってきます。
なぜ俳優さんは酔っ払いを観察してしまうのでしょうかw。
そして人間観察の意味とは何なのでしょうか?
人間。 誰もがつねに何者かを演じていて、その演じる様を観察するのはそれはそれで面白いのですが、それよりも面白いのはやはり無防備に本心をさらしてしまっている姿です。
たとえばコロナ騒動でトイレットペーパーや食料品など買占めが流行っている今、スーパーのレジの長蛇の列に並んでいる人々を観察するとよいですよ。
まずお客さんの持っている買い物カゴを観察します。(お行儀悪くてスミマセンw) どんな感じの人のカゴにはどんなモノがどんな量入っているのか。そしてその人の服装や髪形、雰囲気を観察して、普段どういう生活をしているのかを推測する。そしてその人の立ち姿がどんな感じなのかを観察する。
で、ここからが大切なのですが・・・
その人の目を見てください。
目の表情を観察するのです。
人はレジに並んでいる時、だいたい無防備に表情をさらしてしまっています。 なので観察してください、彼が、彼女が何を見ているのか・・・どのように世界を見ているのか。
その人の目で世界を見ることが出来たら・・・大成功です。
もちろんそれは観察というよりも想像や連想に近いものなのですが、俳優に必要な「人間観察」とはそのようなものだと思うのです。
その人のまなざしを演じることが出来たら、それは今の世界を描写することになるでしょう。
そしてもしその演技を見事に撮影することが出来たら、それは「いま」をとらえた素晴しい映像になるでしょう。
「人間観察」の極意とは、人の表情や声色や立ち居振る舞いを見て憶えることではなく、その人が見ているものを知る・見る・・・その人と短い時間だけでもシンクロすることだとボクは思います。
みんなが疲れて、たくさんの人がパニックになりやすくなっている今。 俳優さんはそーっと、こっそりとそんな人間観察をしてみてください。
世界が変わって見えますよ!おためしあれ!
小林でび <でびノート☆彡>