創業6周年を迎えたので、これまでのことをゆるっと振り返ってみた。成長期編(3話/4話)
こんにちは。海パン社長です。
渋谷から湘南にオフィス移転をし、ウェルネス経営を目指す海パン社長が、私たちのテーマ「世界でもっとも人生に寄り添う企業」を実現するために、日々試行錯誤していることや、ベンチャー企業のリアルな日常、これからの働き方について発信しています。
このマガジンはジェイエルネスのリアルな日常をお見せする裏番組みたいなもので、見る人が見たら「そんなこと言っていいの?」みたいな内容を嬉々として発信していく露出狂日記だと思ってください。
さて、創業6周年ブログを始めてからもう1ヶ月が過ぎてしまいました。(4部作とか言って豪語したことを今更後悔しています。)
今回は''成長期編''を振り返っていきます。
この成長期編は、2ndPASSという事業をリリースしてから2年目に当たる2018年から2020年までの約3年間についてです。
今まさに事業が成長している方やこれから起業する方にとって、反面教師として学んでもらえたらと思います。
成長期編なのに、なぜ反面教師なの?
と思われるかもしれませんが、その理由は最後まで読んでもらえればわかります。
オフィス拡大移転
前回のブログの通り初年度7000万円で着地をした2ndPASS事業は、メディア出演後の戦略もはまり右肩上がりで成長を続けます。
立て続けにテレビ取材を受けた後の施策として、大きく分けて3つ実施しました。
(1)ブランド価値の言語化
まず初めに取り組んだのは、たくさんの人に知ってもらえるタイミングだからこそ「我々は〜〜〜のために存在していますよ」というブランド価値の言語化でした。
流石に人気番組に3本立て続けに出たとなるとアクセス数などは爆増していましたが、お問い合わせされた方とお話をしていると、どうやら我々のことが正しく伝わっていないかもしれないという課題を感じていました。
そこで、Webや紙を含む全媒体のコミュニケーションを刷新するために、2ndPASS初となるブランドガイドライン(のようなもの)を1ヶ月ほどかけて作成しました。基本的に樗澤が一人で進めていたのですが、その横では爆増するお問い合わせに篠原が一人で対応をしていたのを覚えています。
(2)HP、LP、SNSの刷新
作成したブランドガイドラインをもとに、ホームページやSNSアカウント、LPなどのウェブ媒体と、パンフレットやリーフレットなどの紙媒体を一気に刷新していきました。
ただ、ここで大きな課題に直面します。
当時は自社ホームページなどの整備が追いついておらず、ポータルサイトなどに掲載をしていたので、デザインやコピーの変更に思いのほか時間がかかってしまったのです。
また、そのやりとりの中で初めて気がついたのですが、顧客がどこ経由でサイトに訪れているのか?などの基本的な情報が取得できない状態でした。
(今考えたら本当に当たり前のことを知りませんでした)
そこで、ようやく自社ホームページなど一式の開発に着手しました。
(3)投資どころの決定
なんの知名度もない創業期では「トレーナーでもないお前がトレーナー養成なんてふざけてる」と言われ、急激な成長をすると全く我々の思惑とは異なる形でブランドイメージが伝わってしまったり、ということを経験することができました。
だからこそ見出せた投資どころが、下記の2点でした。
①2ndPASSというブランドを正しく伝える
②2ndPASSがもしかしたら間違っているかもしれない
打ち手として主にやったのは、先ほど出てきたWEB周りの整備と直営のパーソナルジムをOPENさせることでした。
特に後者の決断は結構大きなもので、人手がとにかく足りていない状況だった中でパーソナルジム事業に2人のリソースを割くことはかなりの痛手でした。
それでも、トレーナーの教育機関として「今、本当に求められるトレーナーとは?」というテーマに現場で向き合わなければ、2ndPASSが目指すトレーナー像を描くことができないと思ったからです。
その結果、大企業でいうところの研究開発チームのような具合で、プロダクトの検証をし続ける機能を2ndPASSに実装することができました。
全国16校舎・提携ジム700店舗へ拡大
この決断をした直後の2018年の年明け頃から、2ndPASSに対する周囲の理解が少しずつ変化していったのを肌で感じ取っていました。当時は「きっと、2ndPASSの覚悟を皆様が受け取ってくれたのかもしれない」なんて思っていたのを覚えています。
そしてありがたいことに、理念に賛同してくださる方々のご協力のもと、今では全国16校舎まで増やすことができました。
また、人材支援・経営支援をさせていただく提携ジムが全国700店舗以上となり、本当に多くのフィットネス事業者の方々とお取引させていただけるようになりました。
成長期の落とし穴
参宮橋という街に、僕の大好きな喫茶店があります。そこでたまにお会いする70代の社長さんがある日こんな質問をしてきました。
『君ね、人生には3つの坂がある。その3つの坂はなんだと思う?』
僕が答えに迷っていると、その社長が嬉しそうに教えてくれました。
『それはね、上り坂と下り坂、そして「まさか」だよ。』
サービスリリースして2年後の2018年は年商約2億円で着地をすることができ、順調に事業が成長してくれていました。
しかし2019年からの2ndPASSは、まさに喫茶店で出会った社長さんの言葉とおり「まさか」の連続でした。
提携させていただいたジムさんとの法的手段による契約破棄や業務委託先との金銭トラブル、そして新規スタートさせた事業の撤退など、思い出すだけでも気分が悪くなるようなことばかりが立て続けに起こりました。
様々な機会損失を考慮すると、合計4000万円ほどのマイナスを生み出してしまったと思います。
ただ、理由は火をみるより明らかでした。それは起業する時に決めた4つの自分ルールを僕が忘れてしまっていたことです。
特に新規事業の撤退については顕著で、ユーザーが求めているというよりは「俺もやりたい」「あったらいいな」の観点で始まってしまっていたなと猛烈に反省していますし、今でも本当に悔しい気持ちになります。
組織は経営者のうつし鏡
意思決定をする僕自身が大事なことを忘れてしまっているくらいですから、当然組織も成長していきません。気がついた頃には、それぞれの役割を全うするだけの個人事業主の集まりのような集団になっていました。
僕の未熟さのせいで、会社を去る決断をさせてしまったメンバーの顔を思い浮かべると、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
本当にごめんなさい。
そして絶対に、最高の会社にします。
その頃改めて、組織というものは経営者のうつし鏡なんだなと確信しました。
幸いにも個々人の努力によって2ndPASS事業の業績が大きく落ち込むようなことはなかったのですが、そこにやってきたのが新型コロナウイルスでした。
緊急対応が組織を延命させた
新型コロナウイルスによって訪れたフィットネス業界の危機的状況については、この業界に身を置く方なら誰もが一生忘れないような出来事だと思います。
同じく2ndPASSも緊急対応を取らざるを得ませんでした。具体的に取り組んだ内容や結果については別の記事で詳しくまとめているので割愛しますが、不幸中の幸いでこの緊急対応が組織の寿命を延命させたのだと思っています。
しかし、当然延命措置が一生効力を発揮するわけではありません。
組織崩壊の兆しが見え始めてから現CHROどうにか組織を立て直し、今のジェイエルネスがあります。
詳しい内容についてはこちらの記事で詳しくお話ししています。
サッカーは2−0で勝ってる時が一番危ない
実は3歳からずっとサッカーをしていたのですが、劇的な逆転勝ちをするときはいつも決まって2点差でした。逆も然りで、2点差で勝っている時ほど流れを持っていかれる恐れがあります。
つまり、圧倒的な勝利を決定づけるまで油断はできないし、少しでも「勝てるかも」と思った瞬間に負けが確定します。
県大会の常勝チームは全国制覇を目指すチームであり、全国大会の常勝チームは世界目線を持ったチームであるように、ゴール設定が全てだということです。
これをビジネスに置き換えると「もう我々がいなくたって大丈夫だね」と言えるくらいに世界中の悩みを解決するまでは、1秒たりとも初心を忘れてはならないということだと思います。
そうでないと、人生の3つ目の坂を味わうことなるかもしれません。
これから起業する方や今まさに事業が成長している方、もしくはそういった環境に身をおいて働いている方々にとって、反面教師的な学びになることを願って公開させてもらいました。
少しでもためになった!と思う方は、ぜひイイネで教えてください。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
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<次回予告>
振り返りブログはかなり長編になってしまいそうなので、読みやすいように4話に分割させてもらうことにしました。
次回は第二創業期です。ぜひ、お楽しみに!