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物理的な対処と、心の対処

✤これは2018年5月24日に公開した記事(再編)のアーカイブです

今回はデトックスにあたり必要な2種類の対処のうち、「心の対処が必要だ」と強く感じたエピソードについて書きます。

人前である程度普通に振る舞える、もしくは普通に見せかけることに慣れてしまっている毒親環境下の皆さまは、ぜひ。

物理的な対処を頑張りすぎた私


現在一緒に暮らしている人がいます。その人は、私の親が何らかのパーソナリティ障害を持って毒を盛ってくることを理解してくれていて、何事かあったときにはとても助かっています。

助かる、といっても何かしてもらっているわけではなく、私がどうにもならず相談したとき、毒が行き渡っていない人なりの意見をきちんと言ってくれるので、私が勝手にそう感じています。


最近、親への対処を物理的な面で具体的にしていこうと、様々な機関に問い合わせ、手段を準備していました。

かなり手段も固まっていたのですが、あくまで補助的に他の手段も検討すべく意見を求めてみました。すると、

「すでに十分手段が集まっているのに、なぜ追加でほかにも手段も検討しているのか?考えうるすべての可能性を潰すためにひとつひとつ手段を用意していたらキリがない。どんなに考えても実際に何が起きるか分からない。やりすぎだ。付き合いきれない。」

と言われ、とても驚く結果に。

それだけでなく、「そういう考え方って、他のところでもやっているんじゃない?周りの人はついていけないよ、それだと」と言われたのです。

衝撃でした。
指摘された通り、万全を期したくて考えられる全てを準備しようとしていました。
この一件だけで他のことまで決めつけられた、と感じて、最初はひどく悲しい気持ちになりました。
でも指摘された考え方について、その後何度も反芻して考えてみたのです。

他のことでやっていたかどうかはやっぱりわからないにせよ、親が次の行動を起こすと怖いという、「恐怖心」や「不安」を潰すために頭をフル回転させるのは、今に始まったことではなかったのです。ずっと昔から、下手したら10年以上、日々やってきたことでした。

現実は何が起こるか分からない。起きたときに何かが出来るように、と心の準備は必要でも、ありとあらゆる手段を用意するのは現実的ではない。
やっとそれが何度も考えて腹に落ちたのでした。

そして自分の思考プロセスの異常さも、少しわかるようになったのでした。

心の対処を怠ってきた私

このままじゃいけない。
他のことでどの程度こういう思考プロセスの影響が出ているか分からないけれど、自分ひとりのことでは済まされない。
現に自分と一緒にいる人に、そう感じさせてしまっている。

初めて、自分が長年親から受けた影響の数々を本気で削ぎ落とす作業が必要だと実感した瞬間でした。

ちょうどこの頃カウンセリングに数回行ったところだったのですが、最後のほうでこんなことを言われていました。

「物理的な対処も必要だけど、あなたの心のケアも必要に感じます。きっとご自分では気づかないくらい、たくさん傷ついてこられたはずです。」

私はそのとき、表面的に何を言われているか理解しても、これは一般論であって、今私に心のケアは必要ない、そう思っていました。もともとカウンセリングに行ったきっかけも、物理的に対処が必要なほど親からの攻撃に困っていて、対処法を知るためだったのであり、なおさらでした。

でも今、カウンセラーの方のおっしゃった意味がよくわかります。両方やっていかないと、本当の意味でデトックスは出来ないということなのです。

自分の中の自分を見つける
今までこんなことを親にされてきた、言われてきた
本当はこういうことがしたかった
あんなこと言われなければこういうことにはならなかった


こういうことをじっくり振り返ることに意味を見出さなくなりつつありました。もちろん、やりすぎても意味はないですし、やり方次第では周囲にもとても迷惑を掛けます。(掛けました。)また、これが第三者に伝えるための事実確認と経過の整理としてやるのであれば、必要な振り返りです。

しかし、

「あなたがこんなことをしなければ、
私たちはこういうことを言わなくてすむ、罰を与えなくてすむ」
「お前が悪いから反省させなければいけない、
罰を用意しなければいけない」

長きに渡りこういうことを言われ続けると、それが「本当に悪いことだったのか」ではなく

「怖いことを言われないためにどう動こう?」
「罰を下されないためにはどう動けばいいか?」

ばかり考えて、それに向けて一生懸命対策を考える毎日を送る。
この思考プロセスをいったんリセットしてみないと、「自分の中の自分」が何を言っているのか、聞こえないのだと気づいたのです。

「自分の中の自分」が見えないまま生きると、「自分以外のすべて」で自分が作られたままになってしまう。親元で暮らして毒を飲み続けていれば、「自分以外のすべて=親」で自分が作られた状態が出来上がってしまう。

これに気づいていない段階でこのブログを「毒親デトックス」と名付けましたが、皮肉にも、最近の気付きから「自分の中の自分」を見つけるには物理的にも、心の面でもデトックスが必要だと明らかになりました。

この「自分の中の自分」を見つけることや、「『自分以外のすべて』で自分ができているという錯覚」については、以下の本ではっきりと重要だと気づきました。
毒親本では有名な田房永子さんの本の「#8 自分の中にこそ自分がいる」とここ最近の考えとがリンクして、心底納得いっています。


この記事にたどり着く方はすでに読んでいる可能性高いくらい、有名な本です。こういう視点で大切さが伝わるといいなと思い、言葉を引用させていただきました。漫画でわかりやすく、コミカルなのに重要なところもきちんと押さえていて、とても良い本です。

私の「『自分の中の自分』を見つける」作業がどうなっていくか、についてはまた今後の記事で扱っていこうと思ってます。


Photo by Asdrubal luna on Unsplash


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