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誰かの英雄

英雄ってどんな人のことだろう?

ナポレオンとか、ジャンヌダルクとか。これまでたくさんの英雄たちが歴史を作ってきた。これから先の歴史もこんな人たちが作っていくんだろう。

私は、英雄のことを「誰かを救える人」だと思っている。先述した面々は国を救った人であり、そのスケールは桁違いであるといえる。

さて、私は22歳になった。ジャンヌダルクであれば既に全てを成し遂げた後だ。

私は英雄になれているか。

誰かを救える人になれているか。

考える必要もない。NOだ。私はまだ学生で、親の力がないと生きていけない。お年玉まで貰ってしまった。ありとあらゆる面からみて、私は人を救うどころか、自分の身を立てることすらできていない。

こんな私でも、いつか誰かの英雄になれるのか。

どんな形であれ、誰かを救えるのか。

そういったことを考えてるうちに、同い年の有名人がでてきた。箱根駅伝を走るのは全員下の学年になった。続々と活躍して英雄になっていく同い年。大学を卒業し、社会に出て働き始める同期たち。「自分は遅咲きなんだよ」と言い聞かせつつ、どこかで焦りを感じずにはいられない。

ナポレオンと比較するなんておこがましいほどの存在の私だが、その規模は問題ではないのだ。

別に国を救うような英雄になれなくても、誰かのピンチに駆けつけて問題を解決するようなヒーローでなくてもいい。ただ、私の家族を、友達を、好きな人を、私自身を助ける英雄になりたい。今まで私を導いてくれた皆に、恩返しがしたい。

まだまだ道は長いけれども。自己満足かもしれないけれども。余計なお世話かもしれないけれども。

私はあなたの英雄になるんだ。

どこかからあなたを救ってみせる。

いつか。きっと。


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