精神が崩壊するGPS監視
GPSや盗聴器など、探偵ならではの道具は多々ありますが
個人的にはこれらの特殊機材は、銃やナイフなどの武器と同じものだと考えています。
使い慣れている者にとっては効力を発揮しプラスに働いてくれますが、使い慣れていない者にとっては、逆に自分を傷つけるモノとなり得るのです。
例えばGPS。
基本的に浮気調査で使ったりしますが、探偵は使い慣れていますし第三者というのもありますので、目的の為に「情報を収集する」という使い方ができます。
しかし、相談者さんの中には、自分でGPSをレンタルし、夫ないしは妻の車両に装着し、監視する方もいます。
それをやってしまうと、非常に恐ろしいことが起きます。
始めは、自分が「浮気をしているのかどうか?」を把握したいという気持ちだけでGPSをチェックしますが
段々と「ここは何?!何故ここに行くの?」
「本屋行くって言ったのに打ちっぱなし行ってる」
「家事もせずカフェにずっといる」
など、「浮気調査の疑い」とは関係のない動きにまで注目するようになります。
さらに実際に浮気をしていそうな動きがあった場合は、現場に乗り込んでいくというケースも。
これでは何の解決にもなりません。乗り込んだ後に、自分の要望を通すのは困難です。
相手は警戒するし、GPSをつけていたこともバレる。そして証拠は無い。
泥沼の戦いが始まります。
現場に乗り込むまではいかない方は、1分に1度GPSをチェックするという「ノイローゼ状態」になる方も多いです。
なにをしていても、とにかく気になる。
常に監視するようになってしまい、自分の頭の仲は「パートナーは今どこにいるのか」で埋め尽くされ、発する言葉もおかしくなってきます。
精神が崩壊するのです。
これは大げさに言っているのではなく、もう僕も何十人もそうなってしまった方を見てきました。
それほど恐ろしいものなんです。
始めは、浮気されているから、自分に有利な証拠や事実を集めようと思っただけなのに、便利すぎて逆に足元をすくわれて窮地に陥ってしまう。
まさに、使い慣れていない銃を所持することは逆に自分に命を縮めることになるのと同じです。
そうならない為には、やはり監視はプロに任せるのがいいでしょう。
精神的にきつくなってしまった相談者さんがいらっしゃった時は、初めに僕がすることは、GPSを自分で見れないようにして、監視は僕に任せてほしいと伝えることです。
調査を任せてくれるのであれば、配偶者の浮気に関することは全て僕に丸投げしてくれと言います。
これをやると、本当に1週間ほどで相談者さんの声色と顔色が明るくなっていきます。
これからGPSや盗聴器を使おうと思っている方は、要注意です!