陰キャでもAIとならストレスなく英会話できる時代がやってきた。英語学習アプリ「Speak」の登場。
私の英語能力は、ここ数年に渡るNetflixでの厳しいトレーニング(またの名を娯楽)によってリスニング能力が改善した結果、
Reading > Listening > Writing >>>>>> Speaking
という状態になっている。
使わなければ上達しない、は当然のことで、自分の惨憺たるSpeaking能力とそろそろ向き合わねばと思いつつも、いつまで経っても取り組む気力が湧かない。
なぜならSpeakingは4領域の中で一番嫌いだからだ。ReadingやListeningは自分の好きなトピックを選べるので、習慣化するのはそう難しくないが、英会話には相手が必要であり、自分の好きなことだけ喋るオタクスタイルのコミュニケーションはできない。
そして何より、ほぼ初対面の人間と、さほど興味のないトピックについて会話をするというのが苦痛だ。
私は極端な内向型の陰キャである。フルタイムの仕事で疲れ切ったあとに、「よーし知らない人とどんな話題でもいいから話すぞー」とはならない。知らない人と喋ることは仕事と同じくらい苦痛であり、心身を激しく消耗する。
一時期、「スキマ時間でいつでもできる」というのが売りのオンライン英会話をやっていたが、人気の講師と会話しようとすると予約が必須になり、予約をすると数時間前から憂鬱と緊張が高まってくるのを感じていた。
結局、そのオンライン英会話も長続きしなかった。私が本当に必要だったのは、予約不要のフレキシビリティさではなく、対人コミュニケーションのストレスが発生しないことだったのだ。
そんな折、何度か噂に聞いていたAI会話アプリが日本でも利用できるようになったとの記事が目に入った。「AIと会話するアプリ」というのは他にもいくつかあるらしいのだが、このアプリはchat GPT と同じAIを使っているため、ほかと比べ物にならないほど恐ろしく精度が高い。
chat GPT の素晴らしさはすでに私も体感済だった。仕事でも活用が始まっていたし、プライベートでも調べものを相談することが増えていた。何も知らないトピックについて、ベースラインを理解するという観点においては非常に素晴らしいツールである。「いかがでしたか?」で締める低品質なキュレーションサイトが数年以内に絶滅する可能性は高い。
そして不思議なことに、AIとの会話は対人ストレスを感じないのだ。機械に喋りかけているのだから独り言と変わらない、ということかもしれないが、他にも考えられるのは
・親切で礼儀正しくなければならない
・言葉遣いに気をつけて、相手を不快にさせず誤解されないようにしなければならない
といった対人コミュニケーション特有の無数の緊張を求められる要素が、AIだと「モデルの性能」という非人間的な表現に置き換えられるからだろうか。
そしてAIは人間ではないので、最低賃金を下回っても問題ない。このアプリはオンライン英会話のサブスクリプションよりはるかに安かったので、とりあえず申し込んでみることにした。
検討過程でクチコミを調べて際に見つけたこのtweetはSpeakの良さの8割くらいを捉えられている。
唯一違うのは英語初心者の域を脱した陰キャにとって英語で話すという行為は恥ずかしくはない、ただ人と喋りたくないだけである。