POINTBREAK
海を感じるために釣りをしつつも、どこか満たされない日々を送っていた28歳の頃、レンタルビデオ屋でふと目に止まった映画があった。"ハートブルー"(原題は"Point Break")という1991年製作のアメリカ映画だ。週末楽しむために数本借りる映画の中の一本に何となく加えた。これが人生を変えるとは予想だにせずに。
ハート・ブルー [DVD] https://www.amazon.co.jp/dp/B000E1KMG2/ref=cm_sw_r_cp_api_i_pw-iEbWYHCT3K
古い映画なので多少ネタバレ覚悟で書くけど、とにかくオープニングの映像で僕はノックアウトされた。これがまさに僕が求めていた海との距離だった。いくら釣りをしても縮まらなかった海との距離が縮まる可能性がまさにそこにあった。
ちなみに、この映画のサーフシーンは、これまでにもいろんな映画やサーフムービーを見てきている中でも、ダントツでサーフィンのエッセンスが凝縮されています。
この映画の主人公は、キアヌ・リーブスが演じるジョニーユタなのだが、どう考えても僕らの心は、故パトリック・スウェッジが扮する犯罪者のボーディーに釘付けになる。禅的な視点でサーフィンに打ち込み、社会のシステムに対するアンチテーゼとして銀行を襲うボーディー。エリート優等生だったジョニーユタも、ボーディーの投げかける実社会システムに対する問いや、精神論としてのサーフィンに感化され、自分が歩んできた道や未来のゴールが本来の自分が望むものではなかった事に気付いていく。
この映画には沢山の名言が散りばめられているのだが、僕がサーフィンをやろうと心に決める事になったセリフがある。
ジョニーユタは、おとり捜査のためにサーフィンを始めるのだが、そのためのサーフボードをサーフショップで購入するシーンがある。もろにヤッピーな、髪の毛もバシッと決めたスーツ姿で店に現れたジョニーユタ、これはocean tribeから見ると自分達と正反対の生活圏に属する"丘の人間"の象徴なので、店員はジョニーを茶化すのだが、買ったばかりのサーフボードを抱えて店を出ていくジョニーユタの後ろ姿に向かって店員が祈るように呟くのだ。
Surfing is a source
to change your life.
やるしかないと思った。30歳になる前にやり残した事は、これしかないと確信したのだ。。
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