【浮雲のあんちょこ】プロジェクトのコンセプトを作ると少し幸せになれるかもしれない話
どうも、浮雲です。
先日、コンセプトに関連する【あんちょこ】を書いたのですが、その流れでもうひとつ。
※先日のnoteはコチラ
私はどちらかというと「これを作るから俺についてこい!」という「カリスマ」タイプのディレクターではなく、「みんなの力をあわせていいもの作ろうぜ!」という「ファシリテーター」タイプのディレクターです。
そのため、よりチームワークが大切になってくるのと、各メンバーが自律的に、かつ同じ方向へ向かって動けるように環境を整えることが重要になってくると考えています。
そのために行っている工夫のひとつが、以下で呟いていた「プロジェクトのコンセプト設定」になります。
なおこのtweetではコンセプトのことしか書いてないですが、正確には
1.プロジェクトのコンセプト設定
2.コンセプトの達成要件と優先度付け
の2本立てになります。
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1.そもそもなんでそんなことをするのか
もちろん、必要に駆られたのではじめたわけなんですが。
チームでゲーム開発を行う場合、ある程度企画の方向性が固まって、チーム編成のコアメンバーがそろった段階で「キックオフミーティング」を行います。
そこでは、ゲームの企画書を用いてゲームの説明と、そのゲームを開発するプロジェクトについての説明を行わけです。
そうなった場合に、「どういうゲームを作るか」とは別に、「このプロジェクトの成功とはどういう状態なのか」をチーム全体の共通認識として持つ必要があると考えているのですが、これが「ゲームのコンセプト」だけだとうまく説明できないなぁとずっと思っていたわけです。
2.ゲームのコンセプトとは別物?
「ゲームのコンセプト」は、「どういうゲームを作るのか」の共通認識を持つという意味で、もちろん開発チームに向けても重要な情報なわけなんですが、それによって完成したゲームは「ユーザーに届けるため」のものです。
対して、「プロジェクト」はそのゲームを完成させるための手段のようなもので、ユーザーに見えることは基本ないものですが、開発チームにとってはこれから取り組む業務内容にダイレクトで関わる部分の話です。
そのため、伝えるべき内容が似て非なるものだったり、ゲームの面白さなどに直結しない内容だったりすることも少なくありませんでした。
なので、面倒だからすぱっと分けて伝えることにしたわけです。
シンプル・イズ・ベスト!
2.プロジェクトのコンセプト設定
ゲームのコンセプトとは異なり「プロジェクトのコンセプト」を伝えるための目的は、主に以下のものになります。
・プロジェクトとしてのゴール
→開発したゲームがクリアすべき目標の明確化
・プロジェクトチームとしてのゴール
→開発チームや組織としてどういう状態になることを目指すかの明確化
これは例えば、こういうものになります。
・プロジェクトとしてのゴール
→全世界で100万本のセールス
→年間通して月商1億円を達成
・プロジェクトチームとしてのゴール
→マルチプラットフォーム・多言語開発が可能な体制の構築
→少人数でイベント実施・コンテンツアップデート可能な体制の構築
見てもらったらわかるように、ユーザーにはなんの関係もない内容です。
しかし、これが実現できていれば、ユーザーにとっても面白いゲームやサービスが実現できるはずの内容なので、プロジェクトにかかわる人間全員が共通認識として持つべき内容という意味では、まさしく「コンセプト」と言えます。
ただし、こういう「お題目」的なものだけを掲げていても、実際に何をどうすればいいんだという話になるので、あわせて具体的に目指すべき目標や開発方針として「達成要件」に分解し、その優先度付けも行うようにします。
3.コンセプトの達成要件と優先度付け
この「達成要件に優先度を付ける」という考え方は、「The Four Keys」と呼ばれる「ディズニーリゾートにおけるSCSE」がヒントになりました。
「SCSE」とは、ディズニーリゾートで働く各キャストが守るべき行動基準の頭文字を、優先順位順に並べたものです。
その内容は以下の通り。
Safety(安全):安全な場所、やすらぎを感じる空間を作りだす
Courtesy(礼儀正しさ):“すべてのゲストがVIP”との理念
Show(ショー):あらゆるものがテーマショーという観点
Efficiency(効率性):安全、礼儀正しさ、ショーを心がけ、さらにチームワークを発揮
例えば、ショーの途中で事故が発生したような場合。
この「SCSE」が定められていることにより、ショーを続けるべきか否かの判断が必要になっても「安全が最優先なので即座にショーを中断する」という判断を、誰に指示されるまでもなく全キャストが自分で判断し、行動を開始できるようになります。
同様に、お客様に対しての礼儀を欠いたとしても、大きな声や分かりやすい誘導の仕方で、安全確保に努めることが可能になるわけです。
チームメンバーが少ない場合は、密にコミュニケーションを取りながら進めることも可能ですが、数十人規模になると実質不可能です。
そうなった場合に、目指すべき方向がブレないように、また誰かの指示がないと動けないという状況を作らないように、
・行動基準となる「達成目標」を定めておく
・基準同士がバッティングした際に迷わないよう、優先順位を定めておく
この2つがとても重要だと考えています。
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今回は「プロジェクトのコンセプト」と「コンセプトの達成要件と優先度付け」について書きました。
特に「達成要件と優先度付け」に関しては「大目標を中目標にかみ砕いて整理する」ような話なので、いろんな場面で有用な考え方だと思います。
実際、私は自分自身のタスクを整理するときなんかにも意識してたりしますので、使えそうだと思ったら試してみてもらえればと思います。
それでは、また。
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