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十年目の味噌づくり〜さいごの頼りは「自分の手」
一月の終わり、この時期恒例の手づくり味噌を仕込みました。
ふりかえれば作り始めて今年で十年!
十年作り続けようやく、暮らしの中の行事のひとつとして定着した感じです。
その味噌づくりの中で一番大変なのは
“茹でた大豆を潰す“ こと。
一度に作れる量は茹でる時の鍋の大きさからすると、仕上がり約5キロ分で使う大豆は1キロです。
たったこれだけ?と思われるかもだけど、これが茹であがった時には大鍋二杯分と聞けばその量が想像できることでしょう。
まだまだ慣れない作り始めの頃、「これ使えばいいよ」と味噌づくりの先輩からブレンダーを貸り
てありがたく使わせてもらったこともありました。
だけど毎年借りるわけにもいかず、翌年にはわが家用にフードプロセッサーをお迎え。
新しい家電にワクワクしながら、スイッチを数回押すだけで見事に粉砕され喜んでいたのも束の間、あまり大きくない容器には一度に少量しか入らず、砕いたらボウルに移してまた投入、を繰り返すこと十数回…
少しでもラクになるように買った道具だったけど二年使ってみて味噌作りには適してないのかもと思えてくる始末。
そして次の年は、漬物用の大きなビニール袋を用意して茹でた大豆を全部入れ、かなり抵抗があった〝足で踏み潰す〟を初体験!
これも中々大変で、潰しきれなかった袋の端に追いやられた大豆を(ここは手を使って)真ん中に寄せ、めったに使わないお菓子用の綿棒を転がしたりつついたりして潰していました。
年に一度のことだからその一日を集中して挑めばいいことだけど、やっぱり少しでもラクしたい!そんな訳で去年はついにハンドブレンダーを購入してしまいました。
こちら、当初先輩から借りたBRAUNのブレンダーシリーズで、お菓子作りはもちろん大根も簡単におろせることも決めてとなり迷わず決断。
鍋の中の大豆に直接ブレンダーのヘッドを押し当てると、それはそれはおもしろいくらいに砕きながら同時に潰した状態にまでしてくれます。
そうそう、これを待ってた!
これまた嬉しくなり鍋の中の大豆を順に潰していると、本体部分が熱くなっていたのでここで一旦ストップ。
しばらく他の作業をしながら熱が冷めるのを待ったけどそれが中々冷めず…
ピンチヒッターとしてポテトサラダを作る時のマッシャー使うことにしました。
そのあとも数回はブレンダーを使い、熱くなったらまたマッシャー…そんなことを繰り返し後半はずっとマッシャーだけで残りの大豆を潰すことになりました。
両手でマッシャーの柄をにぎり、押し潰すこと30分以上!
余談ですが次の日は両腕がしっかり筋肉痛になりました 笑
潰し終わった大量の大豆と先に作っておいた塩切り麹を混ぜ合わせる時に使うのは、例の漬け物用巨大ビニール袋。
中に手を突っ込み手のひら全体で思いっきり捏ねる、こねる、捏ねる…
(この作業は特に大事なので念入りに、おいしくなるよう心を込めて)
考えてみると、塩切り麹を作る時にも塩と麹をしっかり混ぜる、麹の塊をほぐしたり粗塩の粒を潰すのも指先の感覚に全集中しています。
手を使うこと
指先の感覚に従うこと
味噌作りには機械だけではできない作業が最後の最後まで盛り込まれていて、容器の蓋を閉める直前まで「自分の手」がいちばんの頼りになります。
これこそが、暮らしの中の「手しごと」のひとつではないでしょうか。
十年前のわたしには、こんな風に感じる時が来るとは想像もしていなかったです。
じつはこの日、1回分の5キロを作ったあと引き続き追加で5キロを仕込むことができました。
今までは二日間を要していたので準備も洗いものも×2回、これが当たり前となっていた。
一日で10キロ作ることも初めての事だったけど、達成感も味わえて疲れもあまり感じなかったです。(筋肉痛はがんばった証拠)
10キロを仕込む中でも反省点や気づきもあったので、来年は段取りも見直しさらに要領よく作業できるよう、一日10キロ仕込みを定番化させていきたいです。
以前に書いた味噌づくりの記事が今もたくさんの方に読まれているようでとても嬉しいです!
ほんとうにありがとうございます🙏✨