金属質のやさしさ
ぴろぴろぴろろ。
ぴぴぴぴろろろ。
頭の中で、色が弾ける。光が心を打ち付けて、0時で止まった時計の針が、つむじをまっすぐに抜けていく。
音、に反応して生きている。
光、に反応して生きている。
それ以上はないし、それ以下にはならない。
反応すべき刺激の数々を、美しさとして感じとれる私は幸福だ。
たたたたたたた。
たたたたたたた‥
しん、と街から光が消える。
ふっ、と静寂が訪れる。
秩序が消えて、現実が残って、人差し指には小さなささくれがあって、少し気になる。
音も光も届かないところで、生きていく。
刺激がなくても、幸福でなくても、美しくなくても、生きたいと思う。
‥ぴろ。
いいなと思ったら応援しよう!
![あくび侍@日常のこじつけと、非日常の筋立て。](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/8216305/profile_1919040dc5bde35d41bcda3cf2ec7ec4.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)