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ゴミを横目に街を往く

散歩しているときに空のペットボトルが転がっているのを見つける。人差し指と親指で摘んで、近くのコンビニまで歩く。ゴミ箱に放り込んで、そのまま立ち去る。

こういうことをすると、概ね気分がいい。ゴミを増やされたコンビニの人は喜ばないかもしれないが、その他の人にとっては善行とされることだからだ。街は綺麗になるし、なんとなく胸もスッとする。誰か見てないかな、なんて思ったりして。

しかし、これが5個も10個も転がってたらどうだろう。一つや二つ拾ったところでしょうがないし、かといってゴミ袋を家から取ってきて美化運動だ!なんて気にもならない。

だから僕は駅前に落ちてるコーヒーの缶やらストロングゼロやら、タバコの吸い殻やらを無視する。
ないもののようにスルーして、今日も帰路につく。

思えば、僕の態度は何事に対してもこんな感じで、身近な、ちょっと手や口を出せば改善するような不条理には目を向ける癖に、日常や人生の一部をベットしなければならないような大きい問題には決まって、閉口して背を向けてしまうのだ。

誰だってそうだから、と、開き直るのも癪だ。
とりあえず明日は、ビニール袋を持って出ようか。

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あくび侍@日常のこじつけと、非日常の筋立て。
常に前よりダサい語りを心がけます。