小・中学生向け スタンフォード大学d.school仕込みのデザイン思考ワークショップ
3月30日と4月3日に小・中学生向けスタンフォード大学d.school仕込みのデザイン思考ワークショップを開催しました。ZOOMを利用した1時間30分のオンライン開催で、日本、アメリカ、シンガポール、マレーシアに住む子供たち24名が参加しました。
d.schoolのプログラムをアレンジ
スタンフォード大学のd.schoolは、2004年にスタンフォード大学の研究所が開講したデザイン思考に特化したプログラムです。今回は、小・中学生向けに身近な注射を題材とし、絵を描く(プロトタイプ)ワークショップにアレンジしました。
Stanford AI Labに客員研究員として在籍し、Stanford d.schoolの「From Play To Innovation」クラスを受講した西村悠さんを中心としたデザイン思考研究室のメンバーが7名がファシリテーターとして参加しました。
デザイン思考とは
d.schoolが提唱するデザイン思考は、人間中心の問題発見、問題解決の考え方で、①人の気持ちになって考える ②まずやってみて相手の反応をみて改善します。
「人の気持ち」に注目し、何をすれば良いか?の問いを考える例で、ゴミを捨てたくなる海外のゴミ箱や、早くて簡単なiphoneのアプリのクイックプロトタイピングの作り方を紹介しました。
共感と問い立て
ブレイクアウトルームを利用して、3−4名の子供に1人のファシリテーターがつきました。デザイン思考の考え方に沿って、写真を見ながら子どもの注射への不安を解消するアイデアをブレインストーミング形式でどんどん出して、Jamboardに貼っていきました。
共感フェーズでは、子どもが注射を受ける時、どんな気持ちかを考え、選んだ「気持ち」から、問いを作りどうすれば解決できるか考えました。
共感フェーズで、写真の男の子の気持ちを子供たちに代弁してもらうのも面白かったです。また痛いは痛いでも気が紛れれば良いのか、痛みそのものをなくすべきなのか?各グループで深堀しました。
アイデアを絵にする
d.schoolのデザイン思考の根幹でもあり、このワークショップの特徴でもありますが、5分間でアイデアを絵に描きました。自分の描いた絵をグループで共有し、どうなったらアイデアがさらに良くなるか議論しました。
同じグループメンバーからの指摘を受けて「それは気がつかなかった」、「そういう考えもあるね」と子供同士で話をしているのも興味深かったです。
アイデアをすぐ形にして反応を見ることは、将来起業する際や新製品を考える時にも役に立ちそうです!
注射針を細くして映画を見ながら注射する
注射をした子には楽天ポイントがもらえる
上記以外にも面白い例が沢山!
参加者からの感想
考えるのが楽しかった。みんなと一緒に話す機会ができて良かったです。
色々な人の考え方を知ることが出来て良かった。また違う問題で色々意見交換をしてみたいと思った。
デザイン思考は初めてでした。みんなと話し合えて、共感できるのが良かったです
自分の考えをしっかり聞いてもらえて、たくさん伝えることができて良かったです
意見が出なかった時は自分の経験を思い出してみるといいと友達が言っていたので「確かにそうだな」と共感しました。「まずやってみる」は日常生活でもやくに立つと思うので失敗を恐れずに何事にも挑戦するということは改めて大切なことだと思いました
答えが一つだけとは限らなかったからです。たくさんの意見が出てそんな意見もあるんだなと思いました。
自分と違う意見の人がいたが、意見が違うことに嫌な気分にはならなかったです。
1グループの人数が少なかったのでたくさん意見を言えました。ファシリテーターもとても面白い人でした。
保護者の感想
学校や近所では出会えない様々なバックグラウンドの方々と意見を交換することで、娘の視野も少しずつ拡がってきたように思います。
私も側で聞かせて頂きましたが、どんな意見もジャッジせず受け止めて頂いたお陰で、のびのびとみんな意見を出していたように思えました。デザイン思考、日常生活でも意識していきたいです。
ファシリテーターの感想
デザイン思考に沿って子供たちが課題解決に取り組み、色々なアイデアを発表してくれたことが良かった。自己紹介を行ったことで、グループで信頼関係が生まれ良い雰囲気で議論ができた
大人が考えつかないような奇抜で面白いアイデアが沢山でてきた
テンポの良い進行で時間通りにワークショップが終わった。次は違う課題や対面でプロトタイプを作成するようなイベントをしてみたい
(執筆:Pan Asia Advisors 岡村さとみ)
参考ページ:
<デザイン思考研究室>
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