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エルで働くライターの日記

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エルで働く日々のこと、エルで働く人のこと。 「らしさをつくる」会社の「らしさを綴る」日記帳です。
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#ブランディング

エルのミッションと行動指針(2025年版)

「エルの行動指針を、あらためて言語化したい」 社長からそんな相談を受けたのは、今年に入ってすぐのことです。エルには「ミッション・ビジョン・バリュー」自体は存在しているものの、対外的には出していませんでした。 相談の背景には、昨年から加速したエルの変化がありました。制作会社からブランディングデザイン会社へ。「Webつくれます、グラフィックできます」ではなく、「いま必要なクリエイティブを、一緒に考えます」へ。時代に合わせ、提供価値の幅を広げつつあるなかで、それをどう発信してい

松本PARCO 閉店前ビジュアルが公開されました

みなさん、あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 2025年最初のライター日記は、松本PARCO 閉店コピーの続報です。 1/14(火)、松本PARCOで働くスタッフを起用したビジュアルがローンチされました。 ここに、以下のコピーを採用していただいています。 あの頃のわたしが、 まだここで、 きみを待っている気がする。 ビジュアルに採用されるにあたり、あらためて松本PARCOに足を運び、いろいろなことを考えました。 たとえそこにあ

変わりたいほうへ、変わっていく 2024年の振り返り

もう一年終わり…!?と思う時期が、今年もやってきました。 街もこころなしか忙しなく、年末仕様になりつつあります。 昨年末の記事の結びで、自分はこんなことを書いています。 2024年は、エルにとって大きな「変化」の年でした。 時代の変化に向き合いながら、エルらしく変わっていく方法を、みんなで考えて動いてきた実感があります。今年最後のライター日記では、メンバーと一緒に、エルの一年を振り返ってみます。 2024年 変わったことAIとの共存・共創 AIの話題がホットだった一

「こだわり」を、安心して語ってもらうために

クライアントと話していると、ときどきそう言われることがあります。 とんでもない! 話したいだけ、話してください。 私たちはいつも、そう思っています。 エルはブランディングデザインを主軸に、クライアントの事業を支援する会社です。どんな「らしさ」を、誰に、どう伝えるかを一緒に考え、必要なクリエイティブをご提案しています。そのためには、クライアントとの対話がとても大切です。 とはいえ、初対面の人から急に「なんでも話してください!」と言われても、「よし、話そう」とはなかなかな

思い出の場所に、恩返し 松本パルコ閉店前コピー続報

このたび、松本パルコの閉店前ビジュアルに、自主制作コピーを採用いただけることになりました。 きっかけは、こちらのnote。昨年秋、松本パルコ閉店に寄せて書いた記事でした。 今日はこの場を借りて、ことの顛末をお話したいと思います。 きっかけ長野県松本市にある松本パルコは、2025年の2月に閉店が決まっています。1984年の開業以来、さまざまな人が集い、新たな価値が生まれ、多くの方から愛されてきました。学生時代を松本で過ごした自分にとっても、とても思い入れのある場所でした。

エルのブランディングは「らしさ」によって愛されること

「こちらはエルさん。長野のホームページやさんだよ」 あるクライアントが、エルを第三者に紹介してくれたときのことばです。 「そうか、この方にとっては、エル=Web制作のイメージなのか」。 客観的にエルがどう見られているか、あらためて理解できた瞬間でした。 エルは創業以来、時代によって媒体を変えながら、「らしさ」を表現するクリエイティブを提供してきました。2024年9月で49期目になります。ここ数年は企業理念やCIなど、より深層部分からデザインする仕事が増えてきています。昨今

エルの広報活動をご紹介します(2024年版)

ふと気になったので、みなさんに聞いてみます。 『デザインスタジオ・エル』と聞いて、どんなイメージを抱きますか? エルを知っている/知らないにもよりますし、エルのWebサイトやSNSを見たことがあるかにもよると思います。いずれにせよ、問われたとき頭に浮かんだイメージが、みなさんにとっての「エルらしさ」です。 私たちが思うらしさと重なるところもあれば、異なるところもあるかもしれません。この両者の「らしさ」を重ねる一助になるのが、広報だと思っています。 エルは昔から、広報に力

AI時代の広報を考える 人間に残るものはなんだろう

AIの存在により、多くの会社が変革期を迎えています。会社として、クリエイターとして、AIとどう向き合いどう生きていくかが、日々問い直されています。 私は最近ずっと、人間に残ることはなんだろう、と考えていました。AIによって数秒で書き出される文章を眺めながら、「人間が書く」意味はなんだろう、と。仕事の仕方も変わりつつあるなかで、かなり悩んでいたのが「広報」の在り方でした。 このnoteも、エルの広報のひとつです。「エルで感じたことを、エル目線で、等身大のことばで伝える」を軸

これからの時代 「デザイン会社」の提供価値はなんだろう

最近エルには、「AIの部屋」というトピックグループができました。AIについての話題を、自由に共有する場所です。 日々変化が目まぐるしいAIの話題。「こんなこともできるのか…」と驚きつつ、これからの時代、デザイン会社としてどのような価値を提供していけるだろうか、と考えてしまいます。 エルは、もうじき創立50年を迎える会社です。 オフィスには、大先輩が残したノートや資料、制作物がたくさん残されています。どれも、ものづくりへの愛情や、熱いこだわりを感じるものばかり。時間が経って

あなたらしさの見つけ方

「らしさ」について考えるとき、ときどき思い出す景色があります。幼いころ、新幹線の窓から見た東京の夜景です。 おびただしい数のビルがあり、たくさんの窓にはぽつぽつと光が灯っていました。その一つひとつの下に、誰かが生きている。それぞれの生活があり、人生があり、笑ったり泣いたり、怒ったり喜んだりしている。そして私は一生かけても、そのすべての光と交わることができない……そう思ったらなんだかすごくさみしくなって、でも、見える景色はとてもきれいで、わけもわからず泣きたくなったことを覚え

あなたにしか、言えない言葉を。

制作の過程では、「なにか」を「ことばで定義する」ことがよくあります。「なにか」とはデザインコンセプトだったり、企業理念だったり、コピーだったり、いろいろです。 そのためにクライアントと対話していると、主に「プラスイメージのことば」が飛び交います。 優しい。明るい。誠実だ。真面目だ。 ときどき、「ありきたりなことばになってしまいますが…」と謙遜される方がいらっしゃいます。 しかし、ありきたりなことばでは「らしさ」を表現できないのでしょうか。私はそうは思いません。大切なのは、

「いい体験」をしたことは、いつか思い出す

最近、心に残った体験先日、エルのオフィスに、バルミューダのトースターがやってきました。秋のオフィス改装に向けて、新しく購入したものです。 社長曰く、「本当においしくトーストが焼けるんだよ」とのこと。それなら早速試してみよう!と、本社メンバーで使ってみることに。私にとっては、初めてのバルミューダ体験でした。 用意したのは、食パン一本にバター。それから、チーズやハム、チキンやレタスなど、パンに合いそうなものたちです。 まずは、王道のバタートースト。食パンを分厚くスライスし、そ

大切な思いを、大切に届けたい。

日々クライアントと向き合うなかで、「思いの届け方」についてよく考えます。 生活していると、「誰かの思いによって心を動かされる」ことがたくさんあります。つり革広告を見て、旅に出たいと思ったり。ブランド理念に共感して、サービスを選んだり。Webサイトを見て、お店に行きたくなったり。こんなふうに心が動くのは、誰かが思いをかたちにして届けようとしてくれたからであり、それが、自分の心に届いたからです。 届けたいことを、届けたい人に届ける。それは当たり前のようでいて、とてもむずかしい