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ランプシェードをデザイン+つくってみた
昔、LIVING DESIGN というデザイン誌で「Design It Yourself」という特集がありました。当時は学生だった自分は、この内容に強い影響を受けて、今でも自分で考えて自分でつくることを大切にしています。
というわけで今回は、ランプシェードをDIY (Design+Do)しました。
1.カタチから入る
今年のはじめに、勤めている会社が経営統合で社名が変わってしまったのですが、前の会社のロゴデザインは気に入っていました。なくなるのが悲しいので、何かのモチーフに使ってみたくなりました。
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6角形なので幾何学模様で組み合わせれば、平面パターンにも多面体パターンにも応用できます。僕はもともと工業デザインがベースなので、立体で多面体の構成をつくってみることにしました。
2.構造(接合方法)を考える
6角形のフレームを、それぞれどうやってつなげるか?がこのデザイン案を構成するすべてなので、スタイリングではなく素材や接合方法などの設計案から考えます。
まず、ワイヤーに当たるものはストローを使うことにしました。軽い・曲がりにくい・加工しやすい・安い、が理由です。加えて穴が空いているので、何かを刺したり通すことにも使えそう。最近は紙ストローもあります。
接合部ははじめ、3Dプリンターを計画しました。3Dプリンターは型の制約がない自由なカタチがつくれる利点がある一方、大きなものや表面の仕上げにはあまり適しません。その代わり、接合部のような、地味だけど構造が関わるようなカタチや、3次元的なカタチをつくるのにはピッタリです。(量産かどうかの観点はここでは抜きにして)
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ただ、いざ設計を考えてみると難しそうで、ちょっと腰が重くなってしまって制作を放置していたところ、小学生だった娘が、学校で習ったストローに糸を通すつくり方で早速立体をつくっちゃいました。
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なるほど、やり方いろいろあります。3Dプリンターは諦めて、別の方法を探すために文房具屋さんに行って、最終的には次の方法に出会いました。
3.試作してみる
ストローをハサミで切って、直径3mmのパンチ穴を開けます。
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次にストロー同士を先割れピンで止めます。(最近の若い人は先割れピンなんて知らないのではないだろうか)まずは、カタチが成り立つ基本の3角形をつないでみます。
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5つを1つのピンで留めるのも厚さ的に何とかOK。今度は立体でできるかどうかチャレンジ。カタチが崩れにくい3角形だけで構成した正12面体でつくってみます。
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結構しっかりしてます。ピンがはみ出した部分もそれほど気にならない。白と金の組み合わせは自分の好みではないけど、Hipstarな雰囲気があって悪くはないかも?(後に黒の紙ストローを見つけました、たぶんこっちの方が合いそう)
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つくっていくうちに、ランプシェードになるんじゃないかと思って、電球に固定してみました。まあまあいい感じです。では、いよいよ6角形のロゴをモチーフにしたカタチで組んでみます。
4.複雑なカタチで構成してみる
まずは平面でロゴを組みます。5角形と6角形で1つのユニットになるので、3角形と同様に組んでいきながら、徐々に立体的にしていきます。
すべて組んでしまうと、まんまサッカーボールっぽくなって、これはあまりイケてない。かつ、正12面体と違ってカタチが安定しません。
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なので、崩れても気にならないよう、一部を(自然に)外してみました。全体感つかんでから、会社のロゴをパターンとして組み合わせます。重なりが多いところはさすがにギリギリだけど、まあ何とかつくることができました。最後に電球部分のところを固定して、取り付けます。
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32面体になるとカタチがゆがんでしまうので、計画よりシッカリした仕上がりにはならなかったです。でも、紙ストローと先割れピン(材料費は計800円くらい)だけで構成したわりには、デザインした感がでました。
ただ紙なので、固定して使うときはシリコンスプレーなどの加工が必要かなと思われます。(オフィスで一瞬つけてみて、このあと外しました)
5.まとめ
特別な工作機械や加工をしなくても、自分でデザインして自分でつくれる方法はいろいろあります。0からすべてをデザインする必要はなく、あるものをうまく活用してみることで、自分でも考えていなかったようなデザインができるかもしれません。
素材は紙と木材中心に、ハサミでも切れるような加工しやすいものを使うといいでしょう。あとは接続できるパーツを100円ショップ・文房具店・ホームセンターなどで見つけてみましょう。
デザインでも、最近はデジタルが主流になってきたことがあり、現物をもとに手を動かす機会は減りましたが、たまにはこういうこともやって、バランス感覚を整えておくように意識してます。
次回は行動経済学カードの進捗が報告できるかもです。
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