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忠実?非忠実?「デザインスプリント」のプロトタイプ
プロトタイプの重要性
アプリやWebで本当に役立つユーザー体験を提供しようとすると、ユーザーインタビューの実施と、新しいアイデアを形にしたプロトタイプの作成が非常に重要になってくる。実際、Google Venturesによる問題を解決のフレームワーク「デザインスプリント」においても4日目にプロトタイプを作成し、5日目にユーザーインタビューをするとしており、全体の約半分をその2つの作業に充てているのだ。
プロトタイプの作り込み
しかし、デザインスプリントを実施するたびに僕らの頭を悩ますのが、プロトタイプをどこまで作り込むかという点である。作り込めば作り込むほど正しいフィードバックが得られるという意見もあるが、その制作にかなりの量の時間と工数を割かなければならなくなる。
2,3時間で作った手書きのペーパープロトタイプでも確認できることのために、2,3日かけて忠実なプロトタイプを作る必要はない。簡単なプロトタイプで済むなら多くの作業量を節約できるのだ。
そんなわけで、作り込んだプロトタイプの良い点、悪い点、作り込まれていないプロトタイプの良い点、悪い点をまとめてみる。作り込んだプロトタイプを高忠実性プロトタイプ、作り込んでいないプロトタイプを低忠実性プロトタイプと呼ぶこととする。
低忠実性プロトタイプの良い点、悪い点
良い点
・作業量が少ない
・ユーザーから正直な感想を得られる
・コンセプトの確認ができる
・誰でも作ることができる
悪い点
・実際のアプリに近い感覚を得られない
・ユーザビリティの確認ができない
・インタビュアーの進行に依存する
どんなユーザーもある程度の年齢に達していれば、しっかり作成したプロトタイプに否定するような意見を言ってしまっては悪いと考える。だからこそ汚いラフスケッチで作られたプロトタイプのほうが正直な意見が得られやすいのだ。
高忠実性プロトタイプの良い点、悪い点
良い点
・実際のアプリに近い感覚を感じられる
・ユーザービリティの確認ができる
・インタビュアーの進行に依存しない(リモートでも実施しやすい)
悪い点
・作業量が多い
・作業者が限定される
・ユーザーから正直な感想を得難い
・小さな作成漏れがユーザーを戸惑わせる
結論
つまり、今回のユーザーテストで確認したいものが、ユーザビリティに重みが置かれていれば、高い忠実性のプロトタイプが求められ、アイデアのコンセプト自体に重みが置かれているなら、低い忠実性のプロトタイプでも問題ないのである。
基本的にユーザーインタビューからプロトタイプ作成の流れは、なんども繰り返していくもの。1つのアイデアに対して、ユーザーインタビュー行ってフィードバックをデザインに反映し、アイデア自体の有効性が確認できるたびに、少しずつ忠実性を高めていくべきだろう。繰り返すからこそ初期のコンセプトの確認の段階では極力作業量の少ないペーパープロトタイプにするべきなのだ。