【DIG THE DESIGNER special】vol.2 NONAME produce せんざきさん<転職編>
こんにちは、デザミツの長島です。デザミツと、姉妹サービス「PLAY THE DESIGNER(以下、PTD)」との連動企画【DIG THE DESIGNER special】。未経験や異職種からデザイナーとなって活躍中の“あの人”に、自分なりの学習方法や、転職・就職における経験談をお聞きするインタビューシリーズです。
第2回は、人材業界から未経験でデザイナーとして転職し、「毎日クリエイティブ」でも話題のせんざきさんにインタビュー。デザミツ公式noteでは、キャリアカウンセラーのツモマーも加わり、後編となる<転職編>をお届けいたします。
▼前編<学習編>はこちら▼
■非デザイナーとして見てきた経験を活かしたポートフォリオ作り
ーー<学習編>では毎日クリエイティブやデザインの学習についてお聞きしてきましたが、ここからは転職について教えてください!せんざきさんは新卒では人材業界に進んでいますね。もともと人材業界に興味があったのでしょうか?
せんざき:正直当時は「仕事」というものについてあまりピンときていなかったんです。普通の四年生大学だったこともあり、就職といえば総合職か営業職、ぐらいの認識。でも先輩を見ていると「仕事が嫌い」という雰囲気ばかりで、もやもやしていました。「人生ほとんど仕事なのに、そんなのでいいの?仕事つまらなくていいの?」と。それで、仕事を楽しくすることが出来たらいいなと思い、人材業界に就職することにしました。結果的に、色々な仕事や働き方に触れられたのは良かったですね。
でも人材業界って、私が就職したような大きな会社だとある程度オペレーションが決まっていて。「人のことどうこうの前に、自分が楽しくない!」と思ってしまったんです。それで、転職を決めました。
ーーまずは自分が楽しめる仕事を、というのは大切ですよね。前編では業務で多くのポートフォリオを見ていたとお聞きしましたが、転職に向けて自分のポートフォリオはどのようなものを用意しましたか?
せんざき:業務で様々なクリエイターさんのポートフォリオを見ていましたが、けっこう雑に作っている人が多くて。スクショを貼っただけの人と、きちんと作っている人とではっきり別れていました。当時私はデザイナーではなかったので、中身のクオリティ以前にポートフォリオの作り自体のクオリティに目がいっていましたね。実際、企業側でもデザイナーが見るとは限らないので、その時点で切られてしまう可能性がある。「ぱっと見た印象で、仕事が出来そうか」って大切だなと、毎日ポートフォリオを見て思っていました。大切なのは、思いやりです。
ツモマー:理想的なポートフォリオは、誰が見てもいいように順序だてて作っているもの。もちろん何かしら賞を取っているなら、作品の画像をドン!と載せるだけでも伝わるかもしれないけど、そういう人は狙いが違う可能性が高いです。一般的な仕事が欲しいわけではなく、ある限られた条件の仕事しか受けないようにしていたり。でも世に出ているポートフォリオって、そういう人のものが含まれているし、むしろ目立っていたりする。だからといって、誰もが真似するべきものではないですよね。
■「デザイナーとして幸せに働けること」を軸にした転職活動
ーー転職時の会社選びは、どのようなことを条件にしていましたか?
せんざき:「デザインを嫌いにならない会社に入る」と絶対に決めていたんです!人材業界から未経験でデザイナーに転職するのに、今回だめだったら次がしんどいな、と思って…。人材業界がだめで、総合職や営業職も受け付けない、事務も楽しくない。それでデザイナーもだめとなったら、この先やばいな!と(苦笑)。2度目の挫折は精神的にキツくなるはずだとわかっていたので、「絶対に楽しくなる場所に行こう!」と決めていました。
それを軸に、いくつか条件を書きだしました。私が挙げていたのは、「ブラック企業ではない」「自分の好きなテイストが作れる」「人数がそんなに多くない」など。それ以外の条件はいったん気にせず、とにかくデザインを嫌いにならないことを目標に転職活動をしました。今振り返っても、本当にそうしてよかったなと思っています。
▼転職軸に関するせんざきさんのnote▼
ーー軸を決めると、自ずと条件が見えてくるものですよね。決めたあとはどのように動きましたか?
せんざき:やっぱり何事も情報収集ですよね。本を読んだり、UdemyやProgateなどを触ってみたり。転職も、そうした「自分に必要なもの」を調べるところから始まっていると思っています。知り合いに聞くのも、ネットで調べるのも、まずは自分に必要な情報が何なのかを明らかにするところからがスタート。今転職を考えている方は、そこをちゃんとやってみてほしいなと思います。
ツモマー:「いいなと思う人が紹介するものなら全部買おう」というのは間違いで、それが自分にとって有効かどうかを調べないといけないですよね。例えば、「ある人がコーディングは必要って言ってたから、とりあえずやる」といった話をよく聞くけど、正直ポジションやシチュエーションによって違うので、必要ない場合もあります。それを自分で判断するのは難しいところではありますが、とにかく自分で調べようと行動できると、そこでの失敗なども積み重なって、血肉になって、自走できるようになっていくものなのかなと。
ーーせんざきさんは、自身の転職時の過程などもnoteにまとめていますよね。
せんざき:書くときには、「過去の自分が知りたかったこと」を書いています。「自分が転職の準備を始めた時に、今から書く記事があったら、もう少し上手くできたはず」のことを、きちんと整理された状態で書く。なぜなら、自分の過去と同じような状況の人ってたくさんいると思っていて。
根本には「仕事を楽しくしたい」という想いがあります。私はデザイナーになって仕事が楽しくなったし、同じようにデザイナーになれば仕事が楽しくなる人がもっとたくさんいると思う。人材業界という仕事柄、デザイナーになるための情報を私はもともと持っていたので、情報が少ない人に届けばいいなと思って書いています。私だけの力で届けるのは難しいけど、私みたいに情報を出す人が増えたらもっとよくなるはずです。
■転職活動時に適性を感じたディレクターの領域へ
ーーせんざきさんは、今後の自身のキャリアについてはどのように考えていますか?
せんざき:デザインという大きなくくりの中でいうと、今自分は「好きなこと」「求められていること」「出来ること」が全て重なるところにいると思っています。でも、デザインの中でもWEB、ロゴ…etc.と細分化されていますよね。私はコーディングを諦めた人間なので、デザイン方面で行くしかない。ただデザイン1本でいくのは怖いので、少し上流の工程まで出来るようになっていくべきかなと思っています。それは「好き」というより、需要があることがわかっていて、出来るようになるべきところだとぼんやり見え始めていて、それに対して自分も「面白そうだな」と興味が生まれている、という状態ですね。
ツモマー:自分も同じ感覚です。元々は広告系がメインだったけど、今後UIデザインが来るということを踏まえて、インハウスでUIを鍛えようと振り切りました。広告やブランドデザインは個人の仕事としてやることもできますしね。
今のように上流をメインにした働き方をしていてよかったことでは、何か作らないといけない時に、アサインされているデザイナーもいるけど、自分もアートディレクターとして関与できること。究極的にはデザインが好きだし、考えるだけだとバランスが崩れてしまうから、軸足は上流に置きながら、デザインもするという感じです。
せんざき:私は転職時によくディレクター向きだと言われましたが、まあ自覚はあって。当時はデザインを作る部分をやりたいという気持ちの方が強かったのですが、現在はディレクションの領域にも入っていきたいなと思っています。実際、デザインを作る段階で、上から降りてきたものに疑問を感じることもあって…。ディレクションの段階でデザイナーとしてもうちょっと出来ることがありそうだなと思っていて、そこにもっと踏み入りたいですね。
ツモマー:せんざきさん、UI/UXの方とか興味ありますか?
せんざき:気持ち的には表現のコミュニケーションが好きで、属に言うブランディング方面に行きたいんですけど、UI/UXが気になっている部分もあるんですよね。自分が作る時にディレクターが作った構成のボタンの文言が気になったり(笑)。もしかしたら、そういう方向の仕事が増える可能性はあるかもしれません!
ツモマー:10年あれば、4つぐらいの軸のスペシャリティを持つデザイナーも出てくるだろうと思っています。僕も武器を作っておかないと(笑)!
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Interview&Text:Shiho Nagashima
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