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【デザインで働きはじめたら、やっぱりワクワクの連続】 はじめてのクライアントワークのお話。
はじめに
みなさんこんにちは。
デザインで株式会社の藤井です。
弊社のイケ兄こと、野口さんの執筆記事、すごい勢いで「スキ」されていますね。
その圧倒的な実力差にボコボコにされている気分です(笑)
私事ですが、デザインで株式会社に入社してから4ヶ月ほど経ちました。
5月のGW開けから少しづつですが、クライアントワークにも参加させていただけるようになりまして、7月後半から8月前半に掲出がありました。
具体的には、
7月22日から「渋谷PARCO 2022 A/W NEWLOOK」キャンペーンが、
7月中旬からは「中小企業から日本を元気にプロジェクト」が、こちらもみなさまが目にする各種広告媒体で掲出されてました。
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さて、今回の記事は僕の初のクライアントワークを通して感じたことや、デザイナー/アートディレクター1年生として得た学び、共に製作に携わった雑誌PLEASEの編集発行人であり、アートディレクター/フォトグラファーの北原徹さんのデザインに向き合う姿勢などを共有していきたいと思っています。
デザイナーを目指す人にも、そうでない人にも、そして同じデザイナー1年生の見えない同期の皆さんにもこの記事が少しでも役に立つことがあればとても嬉しいです。
もし弊社にご興味があれば、是非本記事へのコメントや僕のインスタにDMをください!!
撮影までの準備期間
【概要】弊社は、雑誌「PLEASE」の編集発行人でありアートディレクター、フォトグラファーでもある北原徹さん(PLEASE Co.,Ltd.)と渋谷PARCOとのコラボレーションによる2022年秋冬ファッションキャンペーンのクリエイティブにデザインで向き合いました。モデルは毎号PLEASEを飾るモトーラ世理奈氏に、北原さんがスタイリングするのはCOMME des GARÇONS GIRL。というこの布陣は雑誌「PLEASE」のアートディレクションの世界観を各メディアに定着しました。
本プロジェクトがスタートしたのは4月上旬。渋谷パルコと北原さんで全体のイメージを固める作業を幾度もしたそうです。弊社の参加は5月初旬で、打合せをする機会が設けられたのは6月の頭でした。
5月の段階である程度北原さんのフォトイメージの方向性が渋谷パルコと共有されていたため、イメージが膨らむ参考資料を集めたり、ビジュアルの掲出予定媒体をまとめた一覧表など先行してまとめていました。
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打ち合せでは、北原さんがフォトグラファーとしてイメージするビジュアルの世界観と、今回のスタイリングになる、COMME DES GARÇONS GIRLをスタイリングする北原さんのイメージと具体的な画角をすり合わせながら、先輩アートディレクターの齊藤がその場でクライアント側に提出するラフスケッチを描きました。
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打合せ後に齊藤から、「画のイメージを会話で練り上げている打合せでは、しっかり共通認識を持つために手描きラフでもいいからその場で一旦カタチにすることが大事」と言われたのが強く印象に残りました。
相手の話を理解しながら、同時にイメージの共有を進めるために手も動かす。自分もそれができるようになるためにひとつずつスキルアップしていきたいと思いました。
打合せから撮影当日まで
打合せも終わり、撮影日も確定したところで、次にやるべきことは撮影したビジュアルが、媒体ごとに実際どのような見え方になるのかを関係者と共有できるようにすることです。
カンプで作成したラフスケッチや、それに近しい仮のイメージを使用して実際のレイアウトサイズで検証し、どのような印象になるのか想像がつく資料をつくります。
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緊張感のある撮影当日
打合せから1週間後の6月7日に、渋谷PARCO内のスペースを使用して撮影を行いました。
北原さんの撮影スタイルにはとても衝撃を受けました。
このビジュアルで用いられている多重露光は、もともとの写真をPhotoshop等で後から加工したものではなく、実際に1カットで2回シャッターを切って撮影しています。
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モトーラさんの立ち位置や、身体の向き、シャッターを切るタイミングなどを北原さんが細かくディレクションしていました。PLEASEの誌面でもコラボレーションを重ねている二人の阿吽の呼吸と、互いの信頼感を感じました。
撮るべき画をしっかりと押さえられているか
媒体が横長であったり、縦長であったり、さまざまな矩形があることが予めわかっていたため、現場でもアイデアは生まれ、臨機応変に撮影は進みます。写真はそれぞれのメディアに合わせながらトリミングを考えたり、撮影予定カットの撮りこぼしがないかを常に意識しながら、現場でコミュニケーションを取ります。
かと言ってガチガチにそればかり気にしているとクリエイティビティーが落ちてしまうので、その瞬間の現場の雰囲気を感じ取りながら、どうコミュニケーションするべきかを常に考えていました。
撮影カットごとにフォトグラファーとコミュニケーションし、ディレクションしたり、フォトグラファーの意向を汲み取りクライアントに伝えたり、それらを端的に言語化していくことは、手を動かすのとは全く違う脳みそを使っている感じがします。
撮影後から納品まで
撮影のあと北原さんと共にセレクトした候補写真をクライアントに提案し、最終的に使用する写真を決定します。
使用する写真が決まったら、レイアウトに必要なタイポグラフィーを含むデザインの検証です。
ビジュアルの世界観を引き立てるデザインを最初は限定せずに複数方向検証します。
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そもそも、本プロジェクトは、渋谷PARCOが今期のシーズンビジュアルにおいて雑誌「PLEASE」の世界観とコラボレーションしたいというところからスタートしたため、2022 A/W NEW LOOKの文字組みには、デザインスタート時には北原さんのポップなイメージのアートワークもありましたが、自ら却下されました。
紆余曲折の末、PLEASE色を強く押し出そうということになり、北原さんが特に愛する書体のひとつBodoniを採用し、雑誌「PLEASE」で実践している、フォトグラフィーとタイポグラフィーの佇まいのみで勝負するデザインを考えていきました。
結果的に、Bodoniという欧文書体を使用したシンプルなタイポグラフィーを使用することにしました。PLEASEのアートディレクションの特徴である、文字の縦置きも随所に出しました。
※撮影の後には通常レタッチ処理も付随してくるのですが、そこは今回の記事で割愛させていただきます。
ひとつ例外を付け加えると、横幅8mにおよぶ横位置の写真は今回の企画のスタート段階から北原さんが一枚絵に拘ったことがあります。
今まではタイポグラフィーだけの黒地の面との掛け合わせで、一枚絵は前人未到のチャレンジでした。
何度も齊藤さんと北原さんがやりとりをしていたが、なかなかうまく行かず、ふたりの判断で写真のセレクトも変更し、クライアントを説得したのち、北原さんが超横長のサイズに合わせて、モデルの位置移動をさせることで一枚の写真にしていきました。
デザインの方向性が決まった後は、どこにどのように要素をレイアウトするのかを詰めていきます。
媒体ごとに違うレイアウトでも、全体としてのトーン&マナーが揃うように、また使用される媒体によって情報の優先度を入れ替えたりなど、見た人に適切に情報が伝わることを意識してレイアウトしていきます。
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最後は入稿用のデータを仕上げる工程です。
媒体が大きいものがあると、写真の解像度の問題を解決していかなければなりません。ここでは割愛させていただきますが、「実データ」と「アタリデータ」というものの存在を初めて知ったり、解像度の調整や、適切なデータ作成、入稿データ作成の方法、トラブル防止の留意点など、先輩にご指導いただきながら進めていきました。
初めての色校正
印刷会社に入稿後、色校正が届きます。イメージした色合いになっているかを確かめる重要な過程です。
一口に印刷と言っても、版を作ってのオフセット印刷なのか、オンデマンド印刷なのか、加えて紙の種類によっても最終的な仕上がりが変わります。
気になる点があれば、赤字を入れて印刷会社にお戻しし、調整していきます。
同世代のモデルさんを前にして感じたこと
今回のモデルは北原さんとの交流も深い、モトーラ世理奈さんが担当してくださったのですが、僕の方がいくつか歳は上ですが、ほぼ同年代と言ってもいいモデルさんと一緒にお仕事ができてとても貴重な経験でした。
他の撮影でもそうですが、今までメディアを通して見ていたタレントさんと一緒に作品を作り上げていけるのはとても刺激になります。
どのような業界にいても同世代の活躍はとても嬉しく、それと同時においていかれないように常に一歩先を見てアクションして行かないといけないなと身の締まる思いになります。
最終的なタイポグラフィーの調整を弊社で実践
タイプフェイスをただベタで打っていくと細部がガタガタしていてまとまりのある感じに見えません。数値上は同じサイズになっていても、見た目での印象が異なるため、細かく調整して行きます。
例えば、「/」の部分は、AとWの間に収めてしまうという北原さんのアイデアをはじめ、弊社内でも文字のディテールを調整していきました。
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AfterのものはBeforeよりも、調整されたものはより印象が研ぎ澄まされ、だれていない感じがあります。
このような微細な調整と、検証、それを繰り返して行くことでひとつの作品のようにつくり上げていくというのをこの時期に経験できたのはとても貴重でした。
おわりに
インターン時代も含めて、入社してから最初から最後まで通して関わる案件はこれが初めてでした。
ワークフローはもちろんのこと、撮影での振る舞いや、クライアントへの説明の仕方、それに伴う資料作り、学んだことを挙げればもっとありますが、実際、手を動かすこと以外でも学びの多い案件になりました。
また、北原さんとのお付き合いはかれこれ3年ほどになりますが、ほとんどお酒の席でしかご一緒する機会がありませんでした。
撮影時、モトーラさんを前にして、夢中でシャッターを切り、良さそうなカットを撮影できれば、子供のように瞳をキラキラさせて周りに共有する北原さんを見ていると、せっかくクリエイティブを生業にしているのであればこうでありたいなと思いました。
ジャンルは違えど、それが好きでこの業界に身をおいている以上、その一番根幹である「何かをつくるって楽しい」という気持ちを純粋に育んでいくことを忘れないようにしていきたいと思いました。
さて、今回も引き続きとても長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
もし少しでもタメになった、感情に響いたなら「スキ」していただけると大変嬉しいです。
せっかくなので、伸び悩んでいる僕の前回の記事も宣伝させてください。
もし、もし、まだお時間がありましたら、こちらも読んでいただけるととても嬉しいです。
それでは、また次の機会に!
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