インターンが感じたACTANTの特徴
ACTANTでインターンをしている岩渕です。この記事ではインターンの目線で、ACTANTの特徴を紹介したいと思います。
働き始めて感じた1つの大きな特徴は、ACTANTはスタートアップのエージェンシーですが、新しいサービスデザイン手法の実験・手法化を検討する「ラボ」機能と、サービスデザイン手法の実践、企業への展開を行う「コンサル」機能を噛み合わせて回している点だと思います。
前者の「ラボ」は武山先生の主導で、学生の研究や、企業とも連携して新しいサービスデザイン手法の研究・理論化を進め、それらの手法を後者の「コンサル」でクライアントのサービス開発への適用を行い、その実践の場で得られた知見をまた「ラボ」の研究にフィードバックし…というサイクルを回しています。
サービスデザインはまだまだ新しい分野で、様々な業界のクライアントに実践すると同時に手法も模索する必要があり、この「ラボ」と「コンサル」をうまく噛み合わせていくことは非常に重要だと思います。
私はコンサル会社での経験がありますが、「コンサル」のワークに追われ、事例から得られたインサイトをまとめたり、最新の手法を勉強して吸収するといった「ラボ」的なことが時間的・体力的になかなかできませんでした。この2つのサイクルを回していくことはサービスデザインに限らず、個人や組織の成長という観点でも必要だと思いますが、十分にできている企業はそこまで多くないのが実情ではないかと感じます。
ACTANTはまだ組織が小さいということもありますが、各個人がどちらかに特化するのではなく、全員で情報を共有しながら「ラボ」と「コンサル」のサイクルを回していくように努めているように思いますし、両方の視点を理解しようと努めている人が集まっているように感じます。
同時に、サービスデザインの現場においては、この「ラボ」の抽象化、一般化という視点と、「コンサル」の具体化、事例化という視点の、今どちらに自分が立っているのかを客観的に把握し、2つの異なる視点を自由に泳ぐことが求められると感じています。アイデア出しなど、デザインのプロセスの中で、一般論なのかその事例に特化した事項なのか、仮説なのか事実なのか、2つの相反する世界を泳ぐ局面がよくありますが、今自分が物事を考えている位置、今クライアントの話している立ち位置、今プロジェクトが置かれている位置を見誤ると全く意図の異なるサービスになってしまいます。この点に関しては、次回、「インターンから見たサービスデザイナーの要件」で詳しく語ります。
今後もインターンの視点で、サービスデザインの現場で感じたリアルな感想など、サービスデザインに興味のある学生や社会人に有益な情報を発信していきます。(Masaki Iwabuchi)
(2015.9.3)