サービスデザインとは何か ~デザイン能力はサービスビジネスの不可欠要素に~
日本語としては「サービス」+「デザイン」で「サービスデザイン」だな、ということはわかると思いますが、そういう意味ではなく、固有名詞として昨今サービスデザインという言葉が話題を呼んでいます。
このサービスデザインという言葉は、欧米では、数年前に話題になったデザイン思考(Design Thinking/デザインシンキング)という概念を具体的にビジネスに落とし込む、という文脈で用いられています。
デザイン思考とは、米国のデザインコンサルティング会社IDEOが提唱した概念で、簡単に言うと「デザイナーの思考方法を使ってビジネスも考えようよ」ということです。
ここでいうデザイナーの思考方法というのは、いわゆるHCD(Human Centered Design/人間中心設計)と呼ばれる、
1)利用者/対象者を正しく知る
2)問題を定義する
3)問題解決のためのデザインをプロトタイピングしながら行う
4)デザインが機能しているかを評価する
というフローを繰り返すというものです。
優れたデザイナーであれば、意識しなくとも行っているプロセスだと思いますが、このプロセスを、デザインフェーズだけでなく、商品開発やサービス開発といった企業活動に正しく組み込むことによって、利用者に価値のある、優位性のある製品やサービスを実現できる、という考え方です。
デザイン思考は、従来はデザイン会社の中や、企業のデザイン部門内だけで実践されてきていました。しかし、2000年代も後半になり、「機能」の観点でみると、実はけっこうなことが実現されているため、単純なモノ作りは必要とされなくなり、「何を生活者に対して提供すればよいのか」という素朴な疑問があらためて問い直されることとなったことから重視されはじめました。
(2013.10.4)